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イワナの消える日
 
 イワナとアマゴ(もしくはヤマメ)、どっちが好きか?
 基本的には、釣れるならどっちでもイイけど、自分はイワナが好きだ。何となく愛嬌のある顔立ちと、控えめなパーマークがなんともソソるのである

イワナの消える日_c0041105_0213213.jpg 自分がフライフィッシングを始めた頃は、寒狭川の大名倉あたりでもイワナばかり(*以下、「ばかり」という言葉が多用されますが、決して「たくさん」という量的な意味ではなく、「のみ」という質的な意味です。自分はそんなに上手くないです)釣れた
 アマゴが釣れるのは春先と梅雨頃の放流後の一時期だけで、シーズン通して釣れるのは圧倒的にイワナで、口の悪い釣り師は「アマゴの1匹はイワナの3匹に換算しないとな」なんて言ってた

 それが、いつしかアマゴばかり釣れるようになった。いや、念のため言っておくと、イワナも釣れるらしい。ルアーやエサ釣りの人からは尺上イワナの話を良く聞くし、いろんなサイトを見ててもイワナは釣れているようだ

 でも、自分が釣るのはアマゴばかりだ
 以前はイワナしかいなかったポイントでもアマゴばかりが釣れる。何故か?

 自分の釣り方が原因と考えるのが一番自然なんだろうと思う
 以前よりも細いライン、小さな毛針、狙うポイントも流し方も、知らず知らずのうちにアマゴ向きになっているのかもしれない
 
 でも、頭をよぎるのは「もしかしたら、イワナがどんどん淘汰されてるんじゃないだろうか…」という根拠のない不安である

 そんなことを考えながら、いつも行く川の最上流部に初めてやってきた。水深は10センチそこそこ。川幅も1~2メートルほどのまさに源流だ
 以前から車では通るところだったけど、まさか釣りができるようなところだとは思ってなかったので竿は出さなかったのだが、この日は雨の後ということもあり、”渓流”っぽく見えた

 そこにイワナはいた
 5~6センチの稚魚から20センチほどの成魚まで、何匹ものイワナをこの日確認することができた

イワナの消える日_c0041105_0485880.jpg でも、自分の不安は解消されなかった
 帰りに林道でみた真新しいエサ用ミミズのカラ箱…

 この沢からイワナが消える日は、悲しいことに案外近いのかもしれない 
 
*today's tackle
rod:FREESTONE XT883 (Shimano)
RIGHTSTAFF 7'10 #2 (Caps)
reel:abel TR-L , Redhington CT2/3


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# by taros_magazine | 2005-05-09 00:50 | fly fishing diary
義理と人情とオリビエ・ジャック
義理と人情とオリビエ・ジャック_c0041105_22502050.jpg もうケニー・ロバーツ(jr)は名前変えるべきだと思う。とりあえずケニー・”フレディ・スペンサー・ただし86年以降”・ロバーツにしたらどうだろう?
 またまたまたまた序盤”ビューン”と飛ばして、いいかげんするとスローダウン
 最初から完走する気なんかサラサラなくて、「オレ、本気で走れば速いんだけどー、マシンの出来がイマイチだしぃー、手術の経過もまだ完調じゃないしねー」とか言いたいためだけに参戦してるとしか思えない
 いますぐ加賀山にスイッチするべきだ

 もうひとりいたよ。86年以降のスペンサーが
 ジベルノー、お前だ!オレはなぁ、今回はメチャクチャ期待してたんだよ。前回の悔しいリザルトをバネにして、今回はロッシと凄絶な肉弾戦を見せてくれるハズだって…
義理と人情とオリビエ・ジャック_c0041105_22504241.jpg 予選で見せた貫禄と気合いに満ちた走り。それは過去にローソンやドゥーハンがたびたび見せていた”『何か』を突き抜けた速さ”と同じオーラを纏っていた
 「セテがついに”神の領域”に入った」そう感じる瞬間だった

 しかし結果はズルズルズルル…っと、落ちていき、フィニッシュ直後にマシンをコースサイドに止めて「しゃぁないなぁ…マシン(タイヤ?)がコレじゃ」と言わんばかりのアピールだ

 それにくらべてオリビエ・ジャックのなんと清々しい走りか!
 抜群の速さとスピリットを持ちながらも、スポンサーやメーカーとのパイプがないためにGPのシートを失っていたジャック
 義理と人情とオリビエ・ジャック_c0041105_22505237.jpg かつてのタイトルを争ったチームメイトが在籍するカワサキに助っ人としてやってきたジャックには、持ち前の闘争心に加えて彼らしい”義理”みたいなものも抱えた”意地”のレースだったに違いない

 ちょっと長いけど、レース後のジャックのインタビュー訳を紹介しておこう
 「走る前、自分は”スープの中に浮いている髪の毛みたいなもの”だと思っていたけど、終わってみれば”水を得た魚”だったね。中国のトラックなのに、まるで地元で走っているような不思議な感覚だった。3年間、motogpで走って一度も表彰台に上がれなかったのに、2年ぶりに”飛び入り”して2位だなんてね…ほんとうに、何が起きるかなんてわからないもんだよ…」


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# by taros_magazine | 2005-05-02 23:35 | motorcycle diary
Home and Away
 
 最近はいつも”お馴染み”のポイントでばかり釣りをしていた
 どこの瀬のどの石の後ろにどんなアマゴが着いているかさえ解ってしまいそうなほど、同じ川の同じポイントに通っていた

 やがて先行者の存在に必要以上に神経質になっていた
 もともと平日に休みを取るような仕事を長く続けていたため、川で人に会うことすらないような釣りをしてきた。自分が寝坊したのを棚に上げ、「なんでこんなところで釣りをしてやがんだ!」などというワガママな”怒り”を感じることさえあった

 そこで、久しぶりの平日休みを利用して、初めての川を訪れてみた
 のどかな風景の続く国道沿いの開けた里川…渓流釣りをする人なら、とりあえず竿を出しそうな”釣り荒れた”場所をあえて選んでみた

Home and Away_c0041105_19181731.jpg  「いるのか…いないのか…」そんな期待と不安を胸にキャストを繰り返す 
 すると、足下から小さなアマゴが逃げていくのが見えた。ただそれだけのことで胸が高鳴った

 護岸と堰堤に囲まれたプール。息を止め慎重にウェーディングし、草の陰からそっとキャスト…水面から飛び出したのは、美しい艶とバランスのとれた体躯のアマゴだった

 いつもの川で目にするものより、特段大きいというものではない。たくさん釣れるというほどの川でもない。でも、こんな気持ちになったのはいったい何年ぶりなんだろう…
 
 いつもと違う景色、いつもと違う感覚
 
 ただひとつ変わらないのは、自分のナントカの一つ覚えの毛針だけだった

*today's tackle
rod:EUFLEX XF 8'03 #3 , George Selvin 8'00 #2 (MARRYAT)
reel:CMR3/4 BLACK , CMR3/4 BROWN (MARRYAT)


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# by taros_magazine | 2005-04-27 19:48 | fly fishing diary
RAIN MASTER
RAIN MASTER_c0041105_2011596.jpg 「雨に強いライダーと、そうでないライダーの違いって何なんだろう?」…霧雨がしだいにコースコンディションを悪化させていったポルトガルGPを見て考えた
 「そりゃ滑りに強いライダーだよ」アメリカンやオージーがGPを席巻していた80年代後半から90年代前半なら、それも説得力のある意見だろう
 「丁寧なライディングをするヤツが速いんじゃないの?やっぱり…」
 雨のレースではフレディ・スペンサーよりも速かったクリスチアン・サロンを見てそう思ったこともある

 じゃ、この日のウィナー、バロスはどうなんだろう?
 もちろん人並みにスライドはするし、コントロールも巧い。でも、ニッキーやロッシほどじゃないだろう
RAIN MASTER_c0041105_202547.jpg あの狂気じみたブレーキングを見てると、そのライディングも”丁寧”とはほど遠いものだ
 でも、バロスはこの日も、そしてあの8耐でも、スリックタイヤのまま驚くほどの速さで濡れた路面を駆け抜けることのできる”レインマスター”だった 
 そんなことを考えていたら、テレビ放送でゲスト解説をしていた原田哲也が明解な解答を出してくれた
 「路面状況を把握する能力が高いから速いんですよ」
 アタリマエと言えばそれまでだけど、この日のトップ3の走りはそれを完璧に証明していた
 ペースを上げようとしたロッシは何度もクラッシュしそうになり、そのたびに長い足でマシンを立て直した。それを見ていたビアッジも、アタックする余裕のない限界の走りだ
 バロスも何度もマシンを横向きに走らせるけど、後続との差を開くことも縮めることもない 
 まさに3人はこの日の路面状況を完全に読み切ってフィニッシュまで壮絶な神経戦を繰り広げていたのだ…

RAIN MASTER_c0041105_2013146.jpg  そんな中、足をすくわれたジベルノー…彼の路面感覚を狂わせたのは、技術ではなくロッシへの過剰な対抗意識だったのは間違いない
 
 でも、こういうリタイヤの後のレースを自分は結構楽しみにしている
 アッセンでトップ独走中にクラッシュしたミック・ドゥーハンやケビン・シュワンツは、それにより王者への哲学を確立した
 アンダーストープで飛んだレイニーは、その後のレースでは鉄のような意志を持った走りを見せるようになった

 この日ジベルノーが叩きつけられらグラベルは、いつの日にか彼にとっての大きなステッピング・ストーンとして語られるかもしれない 


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# by taros_magazine | 2005-04-18 21:58 | motorcycle diary
昔話
昔話_c0041105_113585.jpg 自分が渓流釣り(フライフィッシング)を始めたのは10年ほど前のことだ
 始めたばかりの頃、一緒に釣行したベテランの友人は「ここも昔はよく釣れんだけどねー」などとよく言ってた
 田舎のジィさんなんかと話をしてても、「そりゃ昔は1時間で30匹も釣れたぞ」とか「40センチのマスがゴロゴロしとった」なーんて耳にタコができるほど聞かされる

 いずれにしても、それは”昔”のことで、自分にとっては”お伽噺”に近い非現実的な話題だった
 現実の渓流は、早朝から車を走らせ、人をかき分け、放流されたサカナを探し、数匹のトラウトで満足、尺がでればそりゃもうドキドキ…というものだ 

 今日、帰り際に久しぶりに寄った当貝津の源流域。自分がフライを始めて間もない頃、25センチほどのイワナがあらゆるポイントから出た谷だ
 その後も期待を裏切らない程度に釣れたけど、だんだんサイズも数も減ってきていたので、ここ数年はあえて”封印”していたが、どうしてもイワナの顔が見たくて入渓した

 良型のイワナどころか、カワムツさえも見えなかった
 谷を覆っていた樹木は、付近の道路建設のため多くが伐採され、かつて苔に覆われていた渓石は白く乾いていた

 「昔はこんなんじゃなかったのに…」

 あの日、この谷で体験した釣りもまた”お伽噺”になってしまうのだろうか?  


*today's tackle
rod:EUFLEX XFP 7'09 #2 , EUFLEX XF 8'02 #2 (TIEMCO)
reel:CFO1 (ORVIS) , Fates 1 (TENRYU)


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# by taros_magazine | 2005-04-17 01:15 | fly fishing diary