
"revenge"
1 復讐(ふくしゆう)、 仕返し、報復
2 復讐心、遺恨
3 (スポーツ・ゲームなどの)雪辱の機会
ゴールデンウィーク終盤に西野川へ行くと決まってから…いや、もしかしたら1年前のあの日から、ずっとこの言葉が脳裏にあったような気がする…
今でもあの日のことをはっきりと覚えている
細く、速い流れの瀬の向こうにある石の下から、優に尺を超えるアマゴが出てきたシーンを、そのアマゴの美しくとてつもなく大きな尾鰭が繰り出す強烈なファイトを、そして一瞬交わした視線と、その直後に右手に伝わった無重力感を…

”リベンジ”を誓ってやってきたこの日は、強力な援軍とともに過ごすことになっていた
自分にこのフィールドを紹介してくれた
ライズさん、昨年の天竜川以来の再会となる
godzillaさんと
ねねこさん、さらに彼らのブログの常連さんであるドイザラスさん
そして、今回初めてお会いする、くしくも1年前の西野釣行のときからブログで親しくさせていただいている
terryさん
こんなすばらしいメンバーと一緒なら、きっと良い1日になる…この日、彼らと最初に会ったときからそう予感した
その予感は的中した

最初のポイントで、この日のために巻いたフライに尺と思われるアマゴが食いついた
一瞬よぎる昨年の痛恨のバラシ…そのとき、ランディングを手伝ってくれようとしているライズさんの言葉が響いた
「これが最初で最後の1匹だと思って、慎重に!」
いつも尺モノを、それも2桁をあたりまえのように釣る氏の釣りに対する真摯な姿勢を感じさせる言葉は、自分の中の時間を一気に1年分進めたかのようだった
そしてその言葉で冷静さを取り戻すことができた
32センチのアマゴを両手で持ったとき、不思議と何かから解放されたような気分になった
その後も大きなイワナをヒットし、去年は降りしきる雨の中フテ寝をしていたベンチで、今年は皆で大笑いし、いろいろな情報交換をしながらコーヒーブレイクを楽しんだ

上流に移動した午後には、この木曽の渓らしいヤマトイワナのような薄いグレーの魚体のイワナが釣れた
さらにこの日一番のサイズのアマゴがヒットしたが、ランディングネットに気を取られた一瞬のスキにフックを外されてしまった
でも、もう”リベンジ”なんていう気にはならなかった
そもそも、自分は一体何に”リベンジ”したかったんだろう?
あの大アマゴに?この川に?冷たい雨に?それとも自分の不甲斐なさに?
もう、自分ではわかっていた
本当は”リベンジ”なんてどうでも良かった、ということを…
ただ、気の合う友人たちと、こうして素晴らしい1日をまた過ごすための”口実”として使っていただけだということを…
帰り際に見えた御岳の嶺は、そうした自分の心を見透かしているかのように、とても優しく見えた
*today's tackle
rod:Rightstaff 8'10 #3 (caps) , "fujimaki"Special 8'07 #3 (Factory Haru)
reel:AMPEX SK-1S (caps) , Halcyone baby trout (KIRAKU)
*today's motion pictures
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