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The Excalibur (MotoGP 08' Round-18 VALENCIANA GP)
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 おそらくリアルタイムで見ていたならば、いつものようにロッシの走りにエキサイトし、ストーナーの勝ちっぷりに唸り、そして来るべきシーズンへの期待感に胸を膨らませていたであろう4ヶ月前のレース…

 しかし今初めて見た”最もショウアップされたグランプリ”は、わき上がる歓声や黙々と上がるスモークの中でさえ、不思議なほど穏やかで静かな幕切れに映った

 もちろん、近年加速気味に前倒しされるライダーの移籍、そしてチーム・メーカーの体制がこのレースの前にはほぼ確定していたこともその理由のひとつだろうと思う

c0041105_22412524.jpg しかし、やはり最大の理由は、この4ヶ月…正確にはわずかこの1ヶ月ほどの間に起きたモータースポーツ界の激震の衝撃があまりに大きく、そしてそれがどこまで拡大していくのかさえ見えない今、このバレンシアの太陽の下で繰り広げられたレースが、まるで”古き良き時代”に行われたように感じられてしまったからだろう

 レースを"DNA"と言ってはばからなかったホンダが下した苦渋の決断、そしてその機を伺っていたかのように雪崩をうって去っていったスバル、スズキ、カワサキ、三菱…

 もはや”ブーム”のような撤退劇を目の当たりにした日本のモータースポーツファンの不安…それは単に「レースを楽しめなくなる」という個人的な損失などではないはずだ
 
 本当の不安は、これまで積み重ねてきたモノ…冷ややかな視線に耐え続け、やっと認められたヨーロッパの”伝統”としてグランプリにおける日本人と日本メーカーの地位が、あるいは長く続いた経済的軋轢の中でやっととけ込んだアメリカの文化としてのモータースポーツの中でのその居場所が、今このような企業体質を世界に見せてしまったことでガラガラと崩壊していくのではないか、というものではないだろうか?

 やり場のないモヤモヤを抱えなが迎える新しいシーズン…
 そんな中、すっかり遅くなってしまった初詣で娘が引いたおみくじの札番号を見たとき、震えるような感動とひとつの確信に包まれた
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 そう、今グランプリは本当にレースを愛する者の手に帰ってきたのだ
 そこには、注目度の高いイベントに乗じてイメージアップを狙うタレントの姿も、経営者個人の所有欲を満たすためだけに貼られるステッカーもない

 心からこのスポーツを愛し、すべてを捧げようというレーサー達と、危機的な財政状況の中でもパドックに踏みとどまるという決断を下した企業、関係者、そしてチーム…

 この新しいシーズンは、そんな熱い意思を持った者たちによって繰り広げられる崇高で濃密な戦いなのだ

c0041105_22521282.jpg だから、2009シーズンのグランプリは、確実にエキサイティングで感動的なレースになる

 そして、そうした見るものすべてを魅了するようなレースこそが、今モータースポーツを覆い尽くそうとしている暗雲を切り裂く”聖なる剣”にきっとなるだろう


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by taros_magazine | 2009-02-22 22:55 | motorcycle diary