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思い出したもの
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 2~3年前まで、ここでの釣りは”オマケ”みたいなものだった

 この地方ではまだ暑い9月で終わってしまう渓流シーズンの余韻に浸りながら、そして2月の解禁までの心と身体のスキマを埋めるため、軽く楽しむ程度の近場のフィールドのはずだった…

 この日も、二俣の町の手前でその流れを見てもまだ冷静だった
 旧道でゆっくりと走る軽トラックにつき合わされても平気だった

 船明ダムまで来てもまだ”ドライブ”だった
 道路工事で足止めされても、DVDをのんびりと眺めていた

c0041105_0394229.jpg しかし、 横山橋を渡った瞬間、突然もの凄い勢いで鼓動が早くなるのが分かった
 雲名橋付近から見える水量に目を凝らし、秋葉トンネルを抜けると対岸に止まっている車の数を必死で数えた

 そして何より驚いた…と言うよりも、自分で笑ってしまったのはフックのアイのティペットを通そうとした手が震えていることに気づいた時だった…

 こんなにも、この天竜川のC&R区間の解禁が待ち遠しいと思ったのは今年が初めてだった

 それは、何も昨シーズン幸運にも何匹かのビッグレインボーをキャッチできたからとか、あるいは長竿を存分に振り回せるから、というような理由なんかじゃない
 
 むしろ釣れる魚のサイズはこの数年小振りなものになってきているというし、風の強い日にはキャスト自体が修行のように感じることもある

 この、川幅が何十メートルもありそうな重く濁った流れの最大の魅力…それは、ここが紛れも無く”渓流”であるということに気づいたからだ

c0041105_0435369.jpg 今年も支流の流れ込みでは、婚姻色に染まったレインボーが何組もペアリングしていた
 
 明らかに産卵床と思われる変色した川底があり、そしてこの川に通い詰めているベテラン達は、今年もシラメをキャッチしたという

 使うロッドも、フライも、ラインシステムも、寒狭や根羽で使うモノとはまるで違うけれど、そこに持っていく”気持ち”は地元の愛すべき小渓流とまったく変わらない…そう思えるようになって初めて迎えた天竜の解禁…

 この日キャッチした中の1匹は、信じられないほど美しいコンディションのレインボーだった
 
 しっかりと伸びた尾鰭、うっすらと輝く七色の魚体は、何故かサイズも模様もまったく異なる大名倉のイワナを思い出させてくれた

 今シーズン、思うように足を運べなかった大好きな川…そこに棲むあの愛くるしい中にもしっかりと自然の厳しさと生命のたくましさを感じさせてくれる、あのイワナ達のことを…
 
 その理由はこのレインボーをリリースした後、すぐにわかった

 大名倉で釣りをしているときにはいつも頭から離れないコト…それを、この中島の瀬のすぐ背後にもそびえ立つ巨大な壁を見たときに思い出した

 ”渓流”の魚達の営みを寸断する、この巨大なコンクリートの壁のことを…

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*today's tackle  
rod:G3 RPL 9'00 #5 (Sage)
reel:FLYSTART 1 (ROSS)

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by taros_magazine | 2008-11-13 00:56 | fly fishing diary