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invisible hand (MotoGP 08' Round-12 Czech GP)
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 グランプリの60年に及ぶ長い歴史の中には、何度もその歴史を大きく動かすような劇的な瞬間があったのだろう
 そしてその反対に、歴史を変えようと敢然とグランプリに挑み、流れを変えたかのように見えた次の瞬間、抗いがたい大きな波に飲み込まれていったモノもあっただろう

 この日ブルノの丘で繰り広げられたレースは、グランプリを支配する何者かの大きな意思を感じずにはいられないものだった
 それはまるで、タイムマシンで過去へ遡った者が、そこでその後の歴史を変えるような行為をしようとした瞬間、何か“大きな力”によって消し去られてしまう…そんないつか映画で見たシーンを彷彿とさせるほどに…
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 シーズン序盤、ダニ・ペドロサやホルヘ・ロレンゾ、そしてアンドレア・ドヴィツィオーゾといった若く勢いのあるライダーを中心に、その覇権を奪還するべく乗り込んできたミシュラン…
 しかしこのブルノのリザルトに記された赤と青の序列は、無情なまでにその力関係を示していた
 もはや疑いの余地無くその“本流”はブリヂストンへと移り変わり、モーターサイクルレースの巨人は今や静かに最後の時を迎えようとしているように見えた

 そしてその力関係は、そのままスズキとカワサキ、そして中野真矢に速さを取り戻させ、テック3を再び後方に沈めてしまった
 いつグランプリから去ってもおかしくなかったマルコ・メランドリは粘り強い走りを取り戻し、“ロッシに競り勝った男”トニ・エリアスが当たり前のように表彰台に戻ってきた陰で、250からステップアップしてきたばかりのライダー達は為す術なく彼らに置いていかれた
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 この1年間ほどの間に起きたライダーとチームの勢力図の変化…

 チャンピオンマシンは日本製からヨーロッパ製に、そのタイヤはミシュランからBSへと劇的な変化を遂げた
 マシンは800ccとなり、250ccからステップアップしてきた若いライダー達があれよあれよと言う間に勝利して見せた

 多くのファンや関係者がグランプリの新しい時代を感じ取っていた
 そして新しい歴史の流れを受け入れる心の準備をしかけていた

 しかし、そんなこの1年ほどの出来事を、土曜日にブルノを覆った黒い雲から降り注いだ豪雨が、荒波のように一気に押し流していった
 
c0041105_2111095.jpg その荒波に弄ばれるように、その間グランプリを支配してきたケーシー・ストーナーは火花を撒き散らしながらクラッシュした
 
 泥まみれになってしなったイタリアンレッドのマシンを、ただ呆然と見つめるディフェンディング・チャンピオンの姿…
 それはまるで、バレンティーノ・ロッシがタイトルを失った2006年以降に起きた変化が、グランプリの“正常進化”ではなく、一世代限りの“突然変異”であったと言わんばかりの、何者かの大いなる意思表示のようだった

 そう、まだ誰もロッシを超えてなどいなかったのだ

 ロッシという巨星を、自らの100%の力で超えていかない限り、それはグランプリの正常進化とはなり得ないのだ

 ブリヂストンの圧勝とロッシの独走…この日14万人が目撃したのは、22ラップのレースに姿を変えたグランプリそのものの意思だったのかもしれない
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by taros_magazine | 2008-08-20 21:13 | motorcycle diary
忍野スタイル
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 朝イチで見つけたこのプールの”主”は、陽がすっかり高くなった昼前になってもまだそこで悠々とクルーズしていた

 もちろん、朝だって素通りしたわけじゃない
 ニンフも、ミッジも、テレストリアルも試した。でもヒットするのは”主”の回りで様子を伺っているヤマメやブラウンだった

 『いくら忍野でも…さすがにコレはなぁ…』
 そう言い聞かせて下流部まで下っていき、昼食を前に駐車場まで戻ってきたときに再び目にした釣堀横の”主”…

c0041105_10412186.jpg 昼食前の余興とばかりに半信半疑で投じたニンフ…その波紋と水音に、50センチはあろうかという砲弾型のレインボーはかすかに反応したように見えた
 そしてそのフライがまさに鼻先を通過しようとしたとき、大きな口を開け、そして軽く首を振った

 “ギ…ギィ“
 音にならないロッドの悲鳴が、手首を通じて脳に伝わってきた
 2年前のあのときと同じように…

 
 初めてこの忍野を訪れた2年前、茂平橋下流で同行した友人の一人が見つけた大きなレインボー…
 その友人のフライチェンジの合間に、自分がダメもとで投じたニンフを、そのレインボーは引ったくっていった

 身をくねらせながらジワジワと下流へ逃げていく銀色の巨体…
 やがて河岸からせり出した樹木の下へ逃げ込まれそうになった時、意を決して強引に引き寄せた 
 そして別の友人が差し出したネットまであと少しのところまで寄せた時、乾いた音を立ててティペットがブレイクした…

 
c0041105_10414785.jpg あの日からちょうど2年。あの日と同じこの頼りない…でも、たくさんの想いの詰まった3番ロッドから伝わってきた感触は、あの時の友人達の声まで鮮明に思い出させた

 『竿立てて!』
 『茂みに入られないように!』
 『もう少し!』
 
 脳裏に蘇るそんな声に励まされ、何とかネットの届くところまで引き寄せた時、レインボーはそれまで貯めていた力を爆発させるように一気に上流へ走った

 ロッドのパワーでタメるべきか、それとも一旦ラインを送り出すべきか…そう迷った一瞬、再び聴くこととなったあの乾いた音…
 その音の残響は、あの日のように大きな笑い声にかき消されることもなく、静寂の中でいつまでも頭の中でリフレインされた…

 
 あの日から数えて7回目の忍野
 夢のような魚影、ドラマチックなファイト、でも最後には決まってしてヤラれる…

 それが自分の”忍野スタイル”
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*today's tackle  
rod:Cremona 8'07 #3/4 (Coatac)
reel:Philius small trout (KIRAKU)

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by taros_magazine | 2008-08-17 10:43 | fly fishing diary