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自戒
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 それを見た瞬間、ついさっきまで全身に分泌されていたβ-エンドルフィンはみるみる沈静化していった…

 今シーズン初めての天竜川
 目の前のやや濁った流れの中に見える魚影は、ニンフが鼻先を流れていったと思われたとき、大きく頭を振った

 冬の天竜での”相棒”である#5ロッドは大きくベンドするが、その魚はジャンプはおろか一向に浮いてこない

c0041105_037599.jpg 一がバチかで力任せに寄せると、見えてきたのは大きな体に小さな白斑をいくつも纏った姿…イワナだった

 それでも、天竜でのシーズン最初の1匹に興奮していた
 ただ、この季節にイワナが浅瀬に定位しているということがどうにも気になっていた

 その流れ…右岸に流れ込む支流を上流に向かって歩いていくと、すぐに”何組”もの大きな魚影が確認できた…
 
 鮭のように婚姻色に染まったレインボーが、ブルックのように色鮮やかなイワナが至る所でペアリングしていた
  
 そしてその浅瀬の岸際に、力尽きたサツキマスの”ホッチャレ”が横たわっていたのだ…

 翌週、再び訪れた時にその支流をのぞいてみると、魚影は激減していた
 そして合流点では”タイガートラウト”がヒットし、そのすぐ横ではサツキマスが産卵床を掘っていた…

c0041105_0383836.jpg そのサツキの姿に、この日駐車場で話をした地元の釣り人の言葉を思い出した
 『もともとここらはシラメの川なんですよ。ダムが出来る前は”ジン・クリア”な流れだったんですけどね…』
 ここで小学生の頃から釣りをしてきたというその人は、下流のカーブを指してこう続けた
 『あそこらには今でもいるんじゃないかなぁ…』

 正直に言って、この天竜川で”在来種”とか”再生産”ということなど考えてもいなかった
 
 水温が低い季節に大きなレインボーをドーンと入れて、春になったらエサ釣りで釣りきってオシマイ…そんなイメージでこのC&Rエリアを見ていた

 しかし、10月に清掃会に出掛けた石徹白ですら見ることができなかった”ペアリングするイワナ”や”産卵床を掘るサツキマス”の姿をこの天竜で目撃したこと、そして地元の釣り人の言葉に、この天竜川に生きる魚達も寒狭や石徹白の魚達と何ら変わりなく、必死に生きて種を繋ごうとしていることに気づき愕然とした

c0041105_0405869.jpg 3度目の釣行となった25日は、多くの仲間達と会うことができた
 
 プールの濁りは相変わらず酷かったけれど、そこでは”冬の天竜らしい”レインボーが何匹もヒットした
 
 そして、そんなレインボーとのファイトは、イワナが釣れた時の気まずさも、タイガートラウトが釣れたときのような困惑も感じない、とても清々しいものだった

 もちろん、レインボーだって天竜の在来種じゃない
 でも、イワナやサツキマス同様に、あの日あの浅瀬でペアリングしていた彼(彼女)らを見たときに感じたいとおしさ…

 だから、少なくとも自分はもうあの合流点付近には入らない
 
 釣果だけじゃない、もっと大切で楽しいコト…
 天竜川はあの一画以外でも、それを充分体験させてくれるはずだから


一から出直し修行的毛鉤釣』(by Mr,godzilla2004)
大好き!管理釣り場』(by Mr,sammy)
アマゴ釣りの憂鬱』(by Mr,M's)

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*today's tackle  
rod:Fujimaki Special 8'05 #5 (Factory haru)
reel:Halcyone trout (KIRAKU)

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by taros_magazine | 2007-11-27 00:27 | fly fishing diary
Breakthrough (motogp 07' Round-18 VALENCIANA GP)

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 ゆっくりとピットに向かうバレンティーノ・ロッシの姿を確認した時、ダニ・ペドロサの最後の闘いの幕が上がった

 『ランキング2位』

 今年圧倒的な強さを見せたケーシー・ストーナーは、もはや彼らミシュランユーザーにとっては”別カテゴリ”のチャンピオンシップを争っていたように感じたことだろう
 だからこそ、ミシュラン勢のトップとして、そしてあのバレンティーノ・ロッシと同じ”カテゴリ”での頂点を意味する『ランキング2位』は、ペドロサにとっては絶対に欲しい”タイトル”だった

 そのために必要な25ポイント…

c0041105_21162766.jpg ロッシのリタイヤの原因など知る由もないペドロサの目には、スローダウンしたゼッケン46のヤマハの姿は「ランク2位の可能性が一気に広がった」という”チャンス”ではなく、むしろ「絶対にストーナーを抑え切らなくてはいけない」という、ロッシが仕掛けてきた最後の、そして究極の”プレッシャー”に見えたことだろう…

 広がりそうで広がらない、1秒半のディスタンスで繰り広げられるダニとケーシーの壮絶な攻防…
 
 逃げていくカピロッシを冷静に見送った去年のMotoGPデビュー戦
 前戦で犯した過ちのために勝利への欲望を封印せざるを得なかった去年の最終戦

 同じ地元スペインの地で行われた2つの”勝てるはずだった”レースでさえ、その人並み外れたセルフコントロールで”仕事”をした彼が、このバレンシアではただ”勝利”することだけを求め、限界を超えて攻め続けた
 その姿は、これまで内に秘めていた熱い血潮を一気に解放するかのように激しく、そして官能的ですらあった

 そして獲得した25ポイントとランキング2位の座…彼は遂にロッシと”同じカテゴリ”で彼に勝ったのだ
 
 しかし、この日ペドロサを導いたのも、やはりロッシの存在だったと言っていいだろう
 
c0041105_21164671.jpg これまでの何度かの”直接対決”ではどうしても越えることができなかった”壁”
 それを乗り越える走りがどんなモノなのかということを、この日ロッシから課された”暗黙のプレッシャー”に耐え、そして打ち勝つことで彼は遂に身につけた

 今シーズン序盤のロッシとストーナーの意地と意地のぶつかり合いがストーナーをより加速させたように、ペドロサもまたロッシという存在によってさらなる進化を遂げたのだ

 そんな自らが”鍛え上げた”精鋭達と対峙することとなるバレンティーノ・ロッシの来シーズン…
 
 記念すべき60周年のグランプリは、文字通り世代交代の”節目”のシーズンとなるのか?それとも、彼はさらに高い”壁”となって再び彼らを跳ね返すのか?

 ただ一つ、はっきりと言えることがある
 誰にも予測できないコトが起きる…それがグランプリだということだ

 
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by taros_magazine | 2007-11-05 21:04 | motorcycle diary