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"at last … " (motogp 07' Round-2 SPANISH GP)
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 ペドロサはロッシだけを見ていた
 その視線は正面を見据えているように見えても、彼の網膜には自分の右後方のグリッドにいるバレンティーノ・ロッシの姿が焼き付いていた

 ロッシは1コーナーだけを見ていた
 その顔はヘルメットのシールド越しにはダニ・ペドロサの方を向いているように見えても、そのミラーコーティングされたシールドの内側には、去年自らがハジき飛ばされた1コーナーが映し出されていた

 そしてシグナルがブラックアウトし1コーナーをクリアすると、ロッシはもう何も恐れていなかった

c0041105_0373916.jpg もしかしたら、前にいるのがダニであることにさえ気づいていなかったかもしれない
 ただ自分の前を走っていた1台のバイクを抜き去ると、後はチェッカーまでひたすらに自分と闘い続けた。この半年間、”一度も勝てないライダー”だった自分と…

 たとえ後ろにいるライダーに自らの持てるポテンシャルの全てを見られようと構わないと思っていたはずだ
 
 何故なら、その”全て”を出し切った瞬間こそ、バレンティーノ・ロッシというライダーが世界最高のライダーであるという事実を知らしめることになると信じていたからだ
 
 1年前アクシデントに沈み、2年前にはセテ・ジベルノーとの接触による決着で大ブーイングを浴びたこのヘレスだからこそ、全てを出し切って、そして勝たなくてはならない…そんな強烈な意志を感じさせる27ラップだった

c0041105_0375270.jpg そんなロッシに、ペドロサもまた凄まじい気迫でついていった

 ちょうど1年前、”勝てたはず”のレースでカピロッシを「見て」しまった彼は、この日ロッシだけを見続け、そして今度こそ”勝てる”と信じて食らい付いていった
 リアをダートに落とそうと、フロントがグリップを失いかけようと、怯むことなくスロットルを開け続けた

 数十メートルの距離を置いてナイフの上を走るように緊張感に包まれた2人に、ヘレスに吹く”シロッコ”がちょっとした悪戯を仕掛けた

 スタンドから舞い込んできたゴミ袋が、ロッシの走行ライン上に落ちてきたのだ

 しかし、ロッシは微動だにせず、そのままフルスピードでレコードラインを駆け抜けた。まるでそんなゴミになど気がつかなかったかのように…

c0041105_0382966.jpg 一方、走り去ったロッシが巻き上げた物体が目に入った瞬間、ペドロサはほんの一瞬躊躇したに違いない

 この出来事を境に、2人のタイム差は確実に開いていった

 半年ぶりの勝利、半年ぶりのパフォーマンス…そして何よりも”自信”を取り戻したバレンティーノ・ロッシ

 1年の時を経て、ついにフルアタックのロッシに手が届くところまでたどり着いたダニ・ペドロサ

 還ってきた”絶対王者”に対し、進化した”若き才能”は、もう何年もグランプリが待ち望んでいた”ライバル”になり得るのか?

 始まったばかりのシーズンは、いきなりクライマックスを迎えたかのように熱く、そして激しい
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by taros_magazine | 2007-03-26 00:32 | motorcycle diary
"Trauma" (motogp 07' Round-1 QATAR GP)
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 それは今年最初のレースの、ファーストラップを終えようとしているときだった
 最終コーナーを先頭で立ち上がったロッシの横を、イタリアンレッドのマシンが猛然と駆け抜けていった… 

 新レギュレーションの下で始まった開幕戦。公式練習でも、予選でも、ロッシとヤマハのコンビネーションは万全に見えた
 特に予選の最後に見せたフライングラップは、今年に賭けるロッシの決意の表れであるかのように力強く、そして華麗だった

 そのロッシの視線の遙か先で、ストーナーのドカティは赤い航跡を残しながら1コーナーに消えていった

 スリップストリームに付くことさえ許さない、その圧倒的な加速力とトップスピード…
 ロッシはコーナーセクションで幾度となく前に出るものの、その激しいチャージも最後のストレートで決まって徒労に終わる…そんなことを終盤まで繰り返していた

c0041105_0355693.jpg しだいにロッシの心の奥底に潜んでいた小さなキズが疼き出す

 思わぬアクシデントに巻き込まれた開幕戦、信じられない転倒を喫した最終戦…
 落としたポイントの重要さを嫌というほど思い知らされた昨シーズンの出来事が、彼の脳裏にフラッシュバックする

 『力を見せつけて勝負を賭けるべきか、それとも20ポイントを確実に獲得するべきか…』
  
 結局、ストーナーをプッシュしながらペースをジワリと上げ後続を振り切ると、ロッシはストーナーのミスを待つという”安全策”を選択した
 しかし、ストーナーはミスを犯すどころかさらにペースを上げ、ロッシのはかない望みを断ち切って初優勝を飾った

 レース後のインタビューで、昨年の開幕戦を例に挙げ自分に言い聞かせるように『上出来』を繰り返したロッシ…
 しかし、その彼の今回の走りは、まるで昨年のポルトガルGPのリプレイのようだった
 あのニッキー・ヘイデンが転倒し、思いがけず転がり込んできた”ポイントリーダー”の座を守るために、先頭のエリアスを追い切れずに2位に甘んじたあのエストリル…

 彼がタイトルを失ってから4ヶ月以上の時が流れ、マシンのカラーリングもすっかり変わったけれど、彼の心に刻まれたキズはまだ癒えていなかった

 ポイントの呪縛…
 
 全18戦の長丁場となる今年のグランプリで、開幕戦から20ポイントを”拾いにいった”バレンティーノ・ロッシのトラウマがそこに見えた
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by taros_magazine | 2007-03-13 00:01 | motorcycle diary
賛歌
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 このオフシーズンは、いろんなところへ出掛けた
 見たこともないようなサイズのレインボーを釣り、100匹単位の魚が目の前で群れている釣り場へも行った

 2月に入ると、解禁日の渓流へも出掛けた
 土手から竿を出す釣り人や、プールに1列に並んでキャストするフライマンたちの間に入ったりもした

 でも、やっぱりこの寒狭川で、小さくても抜群に可愛いアマゴを釣りたかった
 もし釣れなくても、その姿を確認できるだけでもいいとさえ思った

 降りしきる雪の中、いつもよりキャストする時間が短かったのは、何も狭い渓で仲間たちと交代で竿を出したからじゃない
 この細く浅い流れの中に、あの可愛らしいパーマークをずっと探していたからだ

 やがて同行した友人のフライにアマゴが飛び出した
 フッキングこそしなかったけれど、そこにアマゴがいたことがとても嬉しかった
 
 もう一人の仲間はグッドサイズのアマゴを掛けものの、惜しくもラインブレイク…
 けれども、今年もこの淵のアマゴが健在だったことに本当に安心した

 そして、自分のランディングネットに納まった、たった1匹の小さなアマゴ…
 こんな天気の中、元気よくドライフライに反応してくれたアマゴに、心から感謝した
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 *other side …
一から出直し修行的毛鉤釣』(by Mr,godzilla2004)
空色ライフ』(by Mr,Hiroshi)

*today's tackle
rod:EUFLEX XFP 8'03 #3 (Tiemco)
reel:CFO1D (ORVIS)

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by taros_magazine | 2007-03-12 23:59 | fly fishing diary
言い訳
 
 『同じタックルのエキスパートの方と同行すると、ホントにいろいろ考えさせられますよね…”道具が悪い”という言い訳を封印せざるを得ないツラい状況になることもしばしばです』
 
 リンクさせていただいているita-gonさんのブログにこんなコメントをしたのは土曜日の夜のことだった

c0041105_2156144.jpg そのわずか数時間後、自分はまったく同じロッドを使うエキスパート・フライフィッシャーのわずか数メートル横で、同じ毛鉤を使い、同じようなラインシステムで、一週間前に解禁となった宇連川のプールて並んで釣りをすることになった

 そして釣り初めてからほんの数分のうちに、前夜自らコメントした”言い訳できない”状況に陥った

 元気の良いレインボーを皮切りに、良型のアマゴを次から次へとヒットし続けるライズさん
 一方の自分は、最初の1匹をバラしてしまった後はただの1匹もランディングすることができない

 移動した先でも、まるでリプレイを見るようだった
 第一投、そして二投目と息つく間もなくロッドをしならせるライズさんの傍らで、またしても自分は序盤に1匹をバラしたのが最初で最後のフッキングだった…
 
 タックルがどうのこうのとか、ラインシステムうんぬんというレベルでは到底理由付けできない、完膚無きまでのウデの差…

c0041105_21563010.jpg 考えてみれば、一日中一人で釣り上がっていた頃にはそんな体験などするはずもなく、自分のウデでも出てくれる心優しい渓魚に遊んでもらっていただけだったんだろう
 反応がなければ『魚がいねー』、ライズが獲れないときには『マッチするフライを持ってないし…』なんて言ってきたことも、心のどこかでは”言い訳”だって分かっていた

 何人かで並んで竿を出す機会が増えたことにより、ハッキリと自分のレベルを見せつけられることが多くなったこの数年…

 でも、 そんなにヘコんでるわけじゃない
 釣るまでの過程も楽しめるのがフライフィッシング。だから自分には、まだタップリと”楽しむ余地”があるってコトだから…

 あ、もしかしてコレも言い訳?


*other side …
輝ける沢の辺で』(by Mr,Rise)

*today's tackle  
rod:Rightstaff 8'10 #2 (CFF)
reel:setter classic1 (Caps)

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by taros_magazine | 2007-03-06 22:06 | fly fishing diary