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当たり前の1日
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 尺アマゴ、ヤマトイワナ、ブルック、忍野、石徹白、そして20インチオーバーのレインボー…
 初めてづくしの今年の釣りの締めくくりは、やはり初めての体験となる管理釣り場のポンドで過ごす1日だった

 いつも血眼になって探す魚影が、そこには掃いて捨てるほどあった
 あれほど熱望していた”尺”という基準が、何の意味も持たないようなサイズのレインボーを何匹も釣った。右腕が痛くなるまで、何匹も何匹も…

 ”今年最後の釣り”と言ったって、天竜へ行けば明日にだって普通に釣りができる
 この日出掛けた「すそのフィッシングパーク」のような”カンツリ”なら、それこそオフシーズンも関係なくフライフィッシングを存分に楽しむこともできることを知った今年…

c0041105_23175871.jpg 「魚が居て当たり前」、「釣れて当たり前」、「尺オーバー当たり前」…そんな釣り場を体験した今年だからこそ、釣れるか釣れないか、魚がいるのかどうかもわからない寒狭川上流が心から愛しい

 2月。寒さと花粉のまっただ中、ところどころに氷の残る渓に立つ。居るか居ないかさえもわからない、それも小さなアマゴやイワナの姿を求めて…
 
 今まで当たり前のように過ごしてきた早春の休日、それが当たり前でなくなるという現実を突きつけられた今年だからこそ、大名倉川で過ごす1日が本当に待ち遠しい…


【12月20日に内示された財務省の07年度予算案に、設楽ダムの工事関係予算として19億円が計上されました(完成予定 2020年)。】


*today's tackle  
rod:G2 8'08 #4 (Scott) , Japan special 8'03 #3 (Talon)
reel:CMR 3/4 (Marryat) , SPIRIT 3/4 (PetersRoad)

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by taros_magazine | 2006-12-31 23:23 | fly fishing diary
後悔
c0041105_23382727.jpg 寒狭川、宮川、大田切川、姫川、西野川…
 フライフィッシングを始めるようになる随分前から、それらの川が流れる地域へは何度も足を運んでいた
 
 高校生の頃からヒマさえあればバイクを乗り回していた自分にとって、奥三河はもちろん、愛知県に隣接する静岡や岐阜、それに長野あたりの山道は、走るにもキャンプするにも”格好のフィールド”だったから…

 やがて同じ場所に行く機会が訪れる。今度は革のツナギではなく、エントラントの”胴長”に身を包んで…
 
 そんな時、いつも浮かんだのは『あー、あの頃フライをやってたら…』という後悔にも似た感情だった

 川のほとりのテントサイトで夕食を作っている時、その数メートル横ではさぞかし沢山のライズリングが広がっていたことだろう…
 夜明けにコーヒーを沸かしながら寝っ転がっている時も、何匹ものトラウトが淵尻で悠々と流下物を待っていたのだろう…
 そして何より、当時はそれらの場所で釣り人の姿などほとんど見ることがなかったという記憶が、”失われた桃源郷”に対する想いをより切ないものに仕立て上げるのである

c0041105_23385038.jpg 先日、現地でフィッシングガイドもこなすニュージーランド人のPeter Schasching氏と、日本のトップキャスターの岡田裕師氏のフライタイイングを、自らもエキスパートフライフィッシャーであるgodzillaさんのはからいで間近に拝見する機会を得ることが出来た

 Peter氏の大胆でありながらも常に魚の視点を計算に入れてデザインされるフライ、岡田氏の美しくも実戦的なフライ、そしてgodzillaさんの技術と経験に裏打ちされた見事なフライ…

 それらの完成度の高さ、そしておそらくは鱒を確実に誘い出すであろうそのスタイルに感動したのはもちろんであったが、何よりもタイイングしている時の彼らの”目の輝き”に心を奪われた

 ポイントを説明しながらも、リズミカルに、そして楽しそうにフライを巻いていくその姿に、タイイングという行為そのものが、フライフィッシングの”楽しみ”を構成する極めて重要な要素のひとつであるという事実に、あらためて気づかせられたのである

c0041105_2345022.jpg 渓で見つけたなかなか取れないライズに、ありったけの知識と経験、そしてイマジネーションを総動員して対峙するときのようなスリルを、自宅で机に向かいながら…水面から飛び出してくるであろう魚を思いながら…味わうことも可能なのだと…

 自分はこれまで、フライフィッシングというものに実際に川に立つ以外の”楽しみ”をほとんど見いだそうとしてしてこなかった  
 
 でもこの日、大都会・名古屋のオフィス街の一室で自分が体験したのは、紛れもなく”フライフィッシングの楽しさ”だった…
 
 
 かつてバイクで走った川沿いの道を、フェルト底の靴を履いてため息まじりで歩いていたあの日のように、やがてロクにタイイングもせずにダラダラと過ごしていたオフシーズンを後悔する日がくるのかもしれない
 
 『あー、どうして何も考えずに手抜きなフライばかり巻いていたんだろう…』と…

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by taros_magazine | 2006-12-25 23:50 | fly fishing diary
予想外の…
 
 まさかこんな時期に2日続けての釣行をすることになるなんて、本当に予想外だった

 前日、まるで解禁日の有名河川のような賑わいの中、やっとの思いで手にしたレインボー…
 『人の少ない平日なら、もうちょっと釣れるんじゃないか…』
 そんな下心もあっての強行軍だった

 「この冬一番の寒気がやってくる」はずだったこの日の天竜は、予報に反して快晴・ほぼ無風。しかも前日よりも暖かいと思える好条件だった

c0041105_028288.jpg ただ、釣り人の数も思った以上に多かった
 自分たちが右岸に渡り釣りを始める頃には、めぼしいポイントにはほとんど釣り人が陣取ってラインを垂れていた

 しばらくすると、フックサイズで#16程度の虫のハッチが起こり始めた
 思いがけない出来事に、思わずマーカーそっちのけでライズを探す…が、前日の冷たい風の中でさえ起きていたような派手なライズはほとんど見られなかった

 上流でも下流でも、魚の姿すら確認できなかった
 途中で他のフライマンと話をしても、出てくるのはため息、そして『今日は釣れると思ったんだけどなぁ…』というセリフばかり…

 『そろそろ昼食にしようか…』
 そう思い、上流へ向かいながら適当に岸際の瀬を流す
 何度もの根がかりで”ちゃんとしたフライ”も残り少なくなってしまい、ティペットの先に結ばれているのは、100円ショップで買ったモールを適当にフックに留めただけの投げやりなフライ…

c0041105_0284541.jpg その派手なピンクの物体が着水した瞬間、レインボーがひったくるように水面に飛び出したのがハッキリと見えた
 
 『こんなフライで釣れるのかよ!』何度も何度も心の中で…いや、声に出して言いながらも、絶対にバラさないつもりで引き寄せた

 天竜用に新調したLLサイズのネットに控えめに納まったのは、まるでサツキマスのようにシルバーに輝く綺麗なレインボーだった

 スケジュール、天候、人出、魚の反応、ヒットフライ、そして釣れた魚のコンディションに至るまで、何もかも”予想を裏切られた”この日…

 そんな中、ただひとつ予想どおりだったモノ…それは、『仲間との釣りはやっぱり楽しい』ということ

 でも、考えてみると、たった一人で宇連川の魚の気配のないプールでキャストを繰り返すことで始まったシーズン
 そんな自分が、何度も大勢で西へ東へ出かけ、渓流シーズン終了後もこうして管理釣り場で過ごしているなんて…

 こんなふうに楽しめるようになったということこそ、自分にとって今シーズン最大の”予想外”なのかもしれない
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*other side …
一から出直し修行的毛鉤釣』(by Mr,godzilla2004)
Step into the river』(by Mr,BILL)

*today's tackle  
rod:"fujimaki"Special 8'06 #5 (Factory Haru)
reel:Halcyone Trout (KIRAKU)

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by taros_magazine | 2006-12-20 00:34 | fly fishing diary
Wall Flowers
 
 気が付くと、この数年…いや、手に入れてから一度も魚を掛けていないロッドが何本かあった
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 ほとんどがオークションなどを通じて手に入れたUSEDのものとはいえ、数だけは一丁前に揃えてしまったロッドたち…
 当初はそれぞれに目的もあり、『小鳥川のあのプールで、コイツをしならせたら気持ちいいだろうなぁ…』とか『豊川の本流でバスでも…いや、もしかしたらサツキマスだって掛かるかも…』などと”撮らぬ渓魚の画像算用”などを思い描いてはいたものの、結局のところいつも出かけるのは小さな渓ばかり。釣行の際に車に積み込むのは、使い勝手の良い低番手のロッドばかりだった

 そうして、もう何年も壁のオブジェと化してしまった高番手のロッド…

 『なんとか彼らにも、澄んだ空気を、水の冷たさを、そして魚の重さを味わわせてやりたい…』

 そんな小さな企みを携えて、天竜川にやってきた

c0041105_23243150.jpg 有名なフライフィッシャーも参加していたイベントが開催されていたこともあり、この日の天竜はいつにも増して多くの釣り人で賑わっていた

 そのイベントのメインがスペイロッドの試振会だったこともあり、オイルジャケットにハンチング、そしてスペイロッドを持ったフライフィッシャーも見受けられる中で、自分がラインを通したのは10年ほど前に量販店で買った5000円もしない#5ロッドだった

 太陽の光がダム下の谷に差込みはじめた頃、対岸で、すぐ横で、次々とレインボーとのファイトが始まった
 おそらくは自分のモノの10倍以上の値段はするであろう彼らのロッドは見事なカーブを描き、そのロッドティップの彼方ではナイスサイズのレインボーがジャンプを繰り返していた

 そんな光景を目で追っているとき、視界の隅にあったハズの自分のマーカーが”グイッ”と水中に消えた

 反射的に合わせた安物ロッドは、周りのフライフィッシャーの高価なロッドに負けないくらい美しいカーブを描いてくれた
 その目の粗いコルクのグリップからは、天竜のレインボーらしい重い引きがゴリゴリと伝わってきた

c0041105_2325531.jpg そして派手なジャンプ…この川のアベレージといえる30~40センチほどのレインボーが派手な水しぶきとともに着水した次の瞬間、もうロッドはしなっていなかった

 午後からは、結婚前に妻が量販店で購入したセット売りの#4/5のロッドに持ち替え、遂に30センチほどのレインボーをキャッチした

 先月に比べれば、すごく寂しい釣果だけど、本当に気持ち良く、満ち足りた気分で家路につくことができた

 『なんとか彼らにも、澄んだ空気を、水の冷たさを、そして魚の重さを味わわせてやりたい…』

 そんな気持でやってきたこの日の天竜川…でも、終わってみれば楽しませてもらったのは自分の方だった
 
 ”値段や顔じゃないのよ、大切なのは心よ”

 帰りの車中、”彼女”たちのつぶやきがカーゴルームから聞こえてきそうだった


*other side …
輝ける沢の辺で』(by Mr,Rise)
大好き!管理釣り場』(by Mr,sammy)
アマゴ釣りの憂鬱』(by Mr,M's)

*today's tackle  
rod:Alfresco 8'00 #5 (SZM) , granfario 7'06 #4/5(coatac)
reel:CR5/6 (coatac) , ceddy (coatac)

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by taros_magazine | 2006-12-19 23:30 | fly fishing diary