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カンツリのアマゴたち

 完全に焦っていた。そして、紅葉の渓谷が夕闇に包まれる頃になると、それは”ヤケっぱち”に変わっていた

c0041105_0575266.jpg 初めて訪れた美濃フィッシングエリアは、自分が抱いていた”管理釣り場”然としたイメージを良い意味で裏切ってくれた
 美しい景色の中を流れる渓は、シーズン中に通っていた愛知や長野の渓流と何ら変わらない”自然”なものだった
 
 そして、そこに棲む魚たちもまた、”管理釣り場の魚”という境遇を否定するかのように、賢く、そして狡猾だった

 駐車場から見える小さなプールで泳ぐ何匹もの大きなアマゴの姿に、初めはすっかり油断していた
 おそらくどのポイントにもいるであろう”人慣れしたアマゴ”に対しても、『ニンフを何回が流せば食ってくるだろう…それにもう少し日が高くなれば、ドライでも充分イケるんじゃないか…』くらいの意識を持っていた

 とりあえずニンフでいくつかのポイントを探ってみたが、晩秋の渓谷とは思えない陽気に誘われるように、すぐに#16程度のドライにチェンジした
 次から次へと現れる”好ポイント”…しかし、いつまでたっても水面を割らないアマゴ…

c0041105_0584453.jpg 管理釣り場であることを忘れさせるような景色と状況の中にいながらも、『ココは”カンツリ”なんだ、魚は山ほどいるハズなんだ、なのに何故…』と、いつのまにか必要以上に管理釣り場であることを意識していた
 
 そして昼近くになる頃にやっとみつけたライズに対し、それこそ9月の石徹白の時のようにありったけのフライボックスをあさり、最後には#22程度の小さなフライを結んでいた
 
 随分昔い巻いたグリフィスナットはワンキャストでアマゴを捕らえたが、ようやく姿を見せたカンツリのアマゴにホッとした瞬間にバレてしまった…

 午後になっても、”カンツリのアマゴ”は相変わらず自分のイメージにも、ランディングネットにもおさまってはくれなかった
 そして営業終了の時刻が迫ってくると、今度はある”葛藤”に悩まされるようになった

 『ポンドエリアに行けば、とりあえず魚の写真は撮れるんじゃないか…』

 そう思いながらも、何故か踏ん切りがつかない

c0041105_111170.jpg ポンドでなら大好きなサイトでのやりとりを楽しめるかもしれない
 そもそも、冬に入る前のオフシーズンの1日を、仲間たちとのんびり過ごせればそれでよかったハズだったのに、何故か釣れる気のしない渓流から離れられなかった…

 結局、ネットを濡らすことなく1日を終えることになった

 初めて対峙した”カンツリのアマゴ”たち…
 
 彼らがこの日教えてくれた”厳しさ”…寒狭や根羽、それに石徹白と同様にプライドすら感じさせる”スレっぷり”が、何故かちょっと嬉しかった


*other side …
一から出直し修行的毛鉤釣』(by Mr,godzilla2004)
terry's FlyFishing Bar』(by Mr,terry)
It's only C&R』(by Mr,Rolly)
空色ライフ』(by Mr,hiroshi)
Step into the river』(by Mr,BILL)

*today's tackle
rod:FREESTONE XT 8'08 #3 (Shimano)
reel:TR-L "solid" (abel)

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by taros_magazine | 2006-11-28 01:16 | fly fishing diary
想像上の生物
 
c0041105_2361233.jpg ちょうど1年前、ここで耳にした話を今でもハッキリと覚えている 
 
 『50センチを…2匹』
 『55センチ』
 『70センチくらいかなぁ…』

 自分の住む豊橋から1時間半ほどのこの天竜川に、そんなサイズの鱒がいるとはとても信じられなかった
 
 それ以前にも、通っていたショップのオーナーさんから『天竜はイイよ!』と何度も勧められた
 根羽川で会った浜松のフライマンからも『天竜にも来てくださいよ!』としきりに誘われた

 それでも、去年初めて訪れるまで…正確にはそのときもほとんど釣りはしていないのだが…この距離的には”近い”部類に入る、渓流オフシーズンの格好のフィールドに足を運ばなかったのは、やはり心のどこかに『そんな魚…どうせ自分には釣れないだろうし、そもそも本当にそんなにいるかどうか…』という、アキラメにも似た非現実感に捕らわれていたからだと思う

c0041105_234555.jpg そしてあの日から1年が経った

 この1年で、魚のサイズに対する意識も随分と変わってきた
 
 西野、忍野、そして段戸湖…実際に目で見て、手に触れてそのサイズを確認した、それまでは”想像上の生物”でしかなかった魚たちは、大きさこそ寒狭や根羽のそれとはケタ違いだったけど、まぎれもなく実在する鱒だった

 この日、久しぶりに見た天竜の流れは、浜松の街で見る優雅な流れとはまったく違った表情に見えた
 
 彩づき始めた山並み、冷たい北風、重い流れ、立ち並ぶフライマンたち…
 そのどれもが、ここに巨大な鱒が潜んでいることを確信させるに充分な光景だった

 そして”幻の”レインボーが遂にその姿を見せた
 この日同行していたライズさんのロッドが強烈に絞りこまれたのを合図に、自分の#5ロッドも何度も何度も大きく弧を描いた

 めったに使わないメジャーを当てると、そこに指し示されていたのは、まさに1年前の会話のとおりの数字だった

 ついに現実となった”想像上の生物”
 それは、その名の通り古代からアジアの各地で伝説上の生き物として語られてきた”竜”の名を持つ川、天竜に潜んでいた

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*other side …
輝ける沢の辺で』(by Mr,Rise)

*today's tackle  
rod:"fujimaki"Special 8'06 #5 (Factory Haru)
reel:Ceddy 4/5 (Coatac)


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by taros_magazine | 2006-11-20 22:59 | fly fishing diary
Fly Fishing Baton 2
 
 忘れた頃にやってきたのは、”天災”ならぬ”転載”…トラックバックで脈々とつながってきたバトンだった…

 ということで、10月半ばにterryさんのトコロからスタートした"flyFishing Baton"が、回りまわって自分のところにやってきた

 さて、”FlyFishing Baton ”とは?==========
 『フライフィッシングに関する質問を、バトンとして渡された(トラックバックされた)ブロガーがその質問に答え、次のブロガーを選び出し、バトンを渡すというルール。
 batonには「指揮棒」という意味もあり、ブログ上の繋がりを終わらせることもその指揮者の手にゆだねられている。
 また、batonを受け取り、その質問に答えるエントリーをしたら、batonを渡したブロガーのエントリーにトラックバックを返す。

今回のFly Fishing Baton 2の質問は・・・
Q1.今シーズンの思い出深い釣行は?
Q2.最近のお気に入りの道具は?
Q3.自分をひとことで言うなら、どんな人?
Q4.これから先、行ってみたい場所、釣ってみたい魚種は?
Q5.一人でも複数でもイイので、Batonを渡すブロガーを紹介してください。』
(転載 from "terry's FlyFishing Bar")==========

 なぜ『2』かというと、去年も同様の企画があったワケで、こういう5つの質問から、まだ見ぬフライフィッシャーの姿を想像したり、知っている人でもその人の考え方やコダワリなんかを垣間見ることができて結構楽しんだものであった
 あくまで”他人の”回答を見ているときは、というハナシではあったけど…

 さて、前置きが長くなってしまったので早速回答を…

c0041105_2294278.jpg Q1「今シーズンの思い出深い釣行は?」 
 今年は本当にいろんなところで印象的な釣りを楽しみました
 忍野と石徹白に3回ずつ、西野でも2回、そのどれも思い出深いものでしたが、敢えて”イチバン”を選ぶとしたら、4月の寒狭川での釣りです
 小さな川のそのまた支流の小さな谷で、自分と洋さんBILLさん、それに名古屋のショップ、DUSKの店長さんの4人で替わるがわるキャストしたあの日…
 
 それは、これまで単独釣行がほとんどだった自分に、渓での新しい楽しみ方を教えてもらった1日でした
 振り返って見ると、あの本当に楽しい1日があったからこそ、今年は”芸風が変わった”と言われるほどあちこちに皆で出かけるようになったのかも…と思えるほどです

c0041105_221301.jpg Q2「最近のお気に入りの道具は?」 
 最近、ということではないのですが、『今日はキメるぞ!』という時に履く”勝負シューズ”が、Dannerのリバーグリッパーです
 もともとDannerのブーツが好きで、街履きはもちろん、仕事のときも履いてたりしますが、渓流でコレを履くと不思議と気が引き締まります
 
 丈夫さや軽さなど、他の機能を求めればもっと良いウェーシングシューズはあると思いますが、この雰囲気がやめられないんですよねー

 Q3「自分をひとことで言うなら、どんな人?」

c0041105_2214393.jpg ”無能の人”でしょう…
 特に最近、フライフィシングを通じて知り合った方たちとお話をしていて感じるのですが、皆さん素晴らしい知識・経験・技術、そして熱いハートを持っている人ばかり…
 釣り以外にもお仕事だとかブログの凝り方など、何かに秀でている人がとても多いようです
 それに比べて… ま、やめておきましょう(苦笑)

 Q4「これから先、行ってみたい場所、釣ってみたい魚種は?」
c0041105_2214478.jpg フライフィッシングを始めた頃から、憧れている川が3つありました
 一つ目は”北海道・阿寒川”、二つ目は”忍野・桂川”、そして三つ目は”日光・湯川”です
 阿寒川は1998年、忍野はこの夏に体験することができまして、残るは湯川…
 そうなれば、釣ってみたい魚種はもちろんブルックでしょう!

 Q5「一人でも複数でもイイので、Batonを渡すブロガーを紹介してください。」 
 困りました…
 当ブログの右側にある「エキサイトブログ」をご覧下さい。もうみんなとっくにバトンリレー修了者(もしくはバイク関係のリンク)です
 その下…あ、いた!ねねこさんMsさんゼフさんが…
 と思ったのですが、やっぱりいろいろ考えるとちょっと気が引けるので、お名前を上げた3人の方も含め、この記事を見た人で『そういえば、最近ブログのネタが少ないなぁ…』と思うような時期があったなら、その時にこのバトンの意思を受け継いでいただければ、と思います

 とまぁ、キッパリとリレーを止めることも、渡すこともできないところが”無能の人”の悲しさなのですが、こうすることで、もしかしたらまったく予想外のところへ渡ったり、ブログの枠を飛び出してフライ関係のWEBサイトに飛んだりするかもしれません
 で、ある日たまたま流れ着いたサイトやブログでFFバトンを目にしたら…こんなのも夢があっていいじゃないですか!
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 ま、言い訳なんですけどね…(terryさん、ゴメンなさい!)
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by taros_magazine | 2006-11-06 22:34 | fly fishing diary
夕日
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 寒狭川へとつながる豊川、根羽川を源流に持つ矢作川、西野川を支流とする木曽川、そして最後に長良川を越えて峠道を登り切れば、そこにあるのが石徹白・峠川だ

 この渓に初めて立った2か月前まで、自分の頭に中には2種類の峠川があった
 『放流に頼らない』、『キャッチandリリース』、そして『圧倒的な魚影の野生のトラウトたち』…そんな噂を至るところで見聞きしながら、素直に「スゴいなぁ…行ってみたいなぁ…」と思う反面、「ホントにそんなにイイ川なのか…」という懐疑的な見方をしている部分も少なからずあった

c0041105_22123383.jpg 『手つかずの自然の中を流れる夢のような美しい川、そして鱒たち…』そんな峠川と、『”キャッチandリリース”あります』的な観光名所チックな峠川…
 この2つの峠川を交互に思い浮かべながら、陽が傾きかけた石徹白にやってきたのが8月の終わりだった

 結論から言えば、峠川はそのどちらでもなかった

 川も里も、どこか懐かしい典型的な日本の風景だった
 阿寒川のような圧倒的な自然も、忍野のように大型魚の濃密な魚影があるわけでもなかった
 
 でも、川と魚を”切り売り”するような押しつけがましい”商売”も皆無だった
 釣り客を当て込んだ産業も、割り増し遊漁料もない、本当に普通の川だった

 でも、その普通さに衝撃を受けた
 そして、そこに棲むイワナやアマゴの力強さと美しさに感動した

c0041105_2214662.jpg 『石徹白C&R区間 清掃会』に参加するため訪れたこの日も、最後の峠を越えて『峠川』の文字が見えた瞬間、あの日の衝撃と感動が蘇ってきた
 
 同じように各地から集まってきた30人近くの仲間達…ロッドを火鋏に持ち替え、釣り上がりならぬ”拾い上がり”に興じ、バーベキューを楽しみ、釣り場のあり方を熱く論じ合う…彼らとこんなふうに過ごすことができる峠川…

 その渓も間もなく雪に覆われ、この日目にした魚たちもその遺伝子のみを残して息絶えてしまうものもいるだろう
 そしてこの日集合した駐車場も、スキー・スノーボード客の車で埋まるのだろう

 「できれば、この日少しだけ綺麗になった峠川を汚さないでほしい」
 「できれば、氷の下に息づいている小さな生命のことを気遣ってほしい」

 駐車場にかかる橋から夕日を受けて輝く峠川を見て、そう願わずにはいられなかった
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 *special thanks to … Mr,Rolly


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by taros_magazine | 2006-11-01 00:01 | fly fishing diary