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尺アマゴの川
 
 ロッドを通じて伝わるその魚のファイトが、3週間前のそれよりも”控えめ”であることは、使っているロッドの違いを差し引いても明らかだった 
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 真新しいランディングネットに横たわるアマゴはパーマークもヒレもとても美しかったし、いつも寒狭川や根羽川で自分が目にするアマゴと比べれば”格別”の大きさであるにもかかわらず、リリースした後に残ったのは、いくばくかの安堵感、そしてかすかな落胆だった

 西野川は、渓流釣りにおける魚のサイズに対する概念を狂わせてしまう
 
 昨年初めて訪れたとき最初に目にしたのは、竿で突っつけそうなほど近くにいる尺オーバーのアマゴや、ときおり水面で激しい水しぶきを上げる40センチはあろうかというアマゴたちだった
 もちろん、簡単に釣れるものでないことはその初体験時の釣果が物語っている
 それでも、あのサイズの魚がそこかしこで泳いでいる川が存在するという強烈な事実は、この1年間、常に記憶の片隅に確実に刻まれていた

c0041105_18415576.jpg そして3週間前、遂に手にした尺アマゴの重さは、自分の釣りの中では忘れかけていた”サイズに対するこだわり”を蘇らせてしまったようだ
 ときおり目の前に浮いてくる、よその川なら”グッドサイズ”と呼ばれるだろうアマゴを見ても、そこではなく大物が付きそうな場所を選んでキャストを繰り返した
 しかし、結局朝一番で手にしたあの美しいアマゴが、この日の最初で最後の1匹となってしまった

 『ちょっと高望みしすぎたのか…』
 
 ”反省”、”満足”…どっちとも言えない、この日の”微妙”な釣果…
 次に地元の渓に立ったとき、釣れる魚はどれくらいのサイズなんだろう?
 いつものような”おチビさん”を相手に、気持ちよく1日を過ごすことができるのだろうか?

 朝イチのあのアマゴよりも、昼前にバラしてしまった大きなアマゴの感触の方をより鮮明に覚えている自分に、少し不安になった

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*other side …
輝ける沢の辺で』(by Mr,Rise)
一から出直し修行的毛鉤釣』(by Mr,godzilla2004)
空色ライフ』(by Mr,Hiroshi)
大好き!管理釣り場』(by Mr,sammy)
Step into the river』(by Mr,BILL)


*today's tackle
rod:Freestone XT 8'08 #3 (Shimano) , Rightstaff 8'10#3 (caps)
reel:TR-L SOLID (abel) , caprice miu (GRAIN)

*today's motion pictures
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by taros_magazine | 2006-05-29 18:47 | fly fishing diary
魔物 (motogp 06' Round-5 フランスGP)
 
 ロッシの真後ろについたペドロサが、前に出ずにそのままロッシの走りを見続けるだろうということは容易に想像できた
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 開幕戦ではGP屈指のベテラン、ロリス・カピロッシを最後の最後まで見続けた彼は、この最高峰クラスの実戦の最中に、そのモンスターマシンの操り方を貪欲に吸収しようとしているように見えたからだ

 そして、前戦で勝利した彼の出した結論…それは”自分の走りをすれば勝てる”というものだったに違いない

 彼がその”結論”の正当性を証明するためには、絶対に避けて通れない壁があった…

 ペドロサは5年連続王者と”ランデヴー”をしながら、その壁を越えるつもりだったに違いない
 しかし、彼がその美しい走りを封印し、限界を超えんばかりの激しい走りを続けても、ロッシは少しずつ、しかしあらゆるセクションで確実に離れていった
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 ペドロサの頭の中で何かが狂い初めていた
 そしてその”狂い”は、逃げていったロッシが信じられないトラブルで消え、自らがトップに立つことになっても元には戻らなかった

 なすすべもなくメランドリにかわされ、最終ラップにはヘレスでは”勝ちを譲ってまで見切った”ハズのカピロッシにまでキッチリとシメられてしまった

 レース後、力無くカピロッシと握手を交わしたペドロサは、今あらためてmotoGPに棲む魔物の存在を感じていることだろう

 そして、バレンティーノ・ロッシ…
 レース序盤に見せた圧倒的な存在感で、未だ誰にも超えられない壁であることを示した彼もまた、今シーズンは魔物に魅入られてしまったようだ
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 次に彼ら2人がコース上で火花を散らす時…それは一騎打ちではなく、それぞれに襲いかかる魔物までも含めた壮絶なバトルになるだろう


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by taros_magazine | 2006-05-22 22:32 | motorcycle diary
桃源郷
 
 普段は少し濁った水が細々と流れているだけのその貧相な谷は、雨が降った後のほんの一瞬だけ、生命の躍動感に満ちた”桃源郷”に変化する

c0041105_22184974.jpg まるでこの数日の間降り続いていた雨が小休止するのを待っていたかのように、ポッカリと空いた数時間のフリータイム…迷わずこの小さな渓にやってきた
 水量も、その水の透明度も、そしてあたりを飛び交う虫も、すべてがここへ来るまでにイメージしていたとおりの、輝きに満ちた最高のコンディションだった

 ただ、魚の反応だけが想像外だった

 昨年27センチのアマゴを釣ったプール、尺アマゴを撮影前に逃がしてしまった淵、28センチのイワナが飛び出した筋…
 それらの好ポイントから竿抜けまで、どこもかしこも完全に沈黙したままだった

 すると、つい数10分前まで”バラ色”に見えていたハズのあたりの景色が、急速に色を失っていくように感じた

 薄いグレーの空から降り注ぐ淡い光が、濃いグレーの川底をかすかに照らす…そんなモノクロームのグラデーションの中で、いつしか自分の頭の中までが白くぼやけていくようだった

c0041105_22193156.jpg そんな気持ちのまま、灰色のコンクリートの堰堤を越え、白く真新しい護岸を駆け下りると、魚止めの小さな滝が見えた
 
 その滝の落ち込む淵では、何度も大物を掛けてはバラされていたけど、この日はもうそこで粘る時間もなく、何よりも気持ちがとっくに”切れ”ていた 
  
 帰り際、淵の手前の足首までしかないような浅い瀬に何気なくフライを投じると、小さな飛沫が上がった

 ランディングネットに納まったその魚体に記された濃いグレーの斑紋、そして…
 体側にちりばめられた鮮やかな朱点を見たとき、まるで白黒の映画が突然”総天然色”になったかのような感覚に陥った 
 その瞬間から、まわりの草木は滴を称えて七色に輝き、その中に満開の山つつじの紫がひときわ鮮やかに色彩を放ち始めたようだった
 
 そんな魔法使いのような小さなアマゴを、小さな谷を縫うように流れる細く浅い流れにリリースする

 彼女が戻っていったその流れは、何十、何百の鱒の息遣いを感じる、まさに桃源郷と呼ぶにふさわしい渓に見えた

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*today's tackle
rod:Cremona 7'11 #2/3 (Coatac)
reel:Silver Marquis 2/3 (HARDY)

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by taros_magazine | 2006-05-19 22:48 | fly fishing diary
逆襲の狼煙(motogp 06' Round-4 中国GP)
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 この予選から…、いや、ヘレスで彼の後塵を拝してから、ニッキー・ヘイデンはダニ・ペドロサの前を走ることだけを考えてスロットルを開け続けているようだ

 今シーズンの大きな見所のひとつだった”250卒業生vsスーパーバイクOB”の図式…
 しかし、それは今シーズンの開幕と同時に決着が付いたかのように見えた

 失望の内にGPを去っていったベイリスやチャウスのワールド・スーパーバイクのスターたち…
 それと入れ替わるように最高峰クラスにステップアップしてきたペドロサの開幕戦で見せた華麗な走り、そして続く第2、3戦のストーナーらの派手な活躍
 そうした250卒業生の輝きの影に、前戦のバーミューレンのポールポション獲得も、ニッキーのポイントランキング首位も完全にかすんでしまっていた

c0041105_2137127.jpg くしくも、前戦でテレビ解説を担当していた岡田忠之がこんな言葉を漏らした
 『市販車両ベースのマシンでレースをしてきたライダーと、排気量こそ小さいもののレース専用に開発されたマシンで経験を積んできたライダーでは、マシンに対する要求の”高さ”が違うんじゃないかな』

 その後に続く詳細については言葉を濁した岡田だったが、その言わんとすることは誰の耳にも明らかだった
 
 ”スーパーバイク勢とGP組じゃ、レベルが違うよ”

 250で国内無敵の速さを見せ、世界GPのトップカテゴリーでも頂点まであと一歩と迫りながら、後にコンバートしたスーパーバイク選手権で味わった思いもかけない屈辱…
 そんな彼のプライドを感じずにはいられない発言だった

c0041105_21363738.jpg この日ペドロサに敗れたニッキーは、その絶えがたい屈辱を転嫁する対象を探すかのように、パルクフェルメにマシンを止めるとリアタイヤに視線を落とし、ため息をついた
 彼のチョイスしたリアタイヤはもちろんペドロサと同じものなのに…

 そんな中、コーリン・エドワーズが、気まずい雰囲気を漂わせるライバルチームのチームメイト2人をエスコートして表彰式に向かった

 そう、コーリンはこの週末、常にロッシに先行し、レースでも終盤までトップグループに食らいついての3位だったのだ
 AMA時代、アメリカのいたるところでニッキーと火花を散らしたコーリン
 そしてメランドリ、ストーナーらを後方に追いやって、そのコーリンを追いかけたホプキンス…

 GPの優等生たちに対して、彼らスーパーバイクの野生児は、今そのプライドをかけて逆襲の狼煙を上げたのだ
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by taros_magazine | 2006-05-16 21:40 | motorcycle diary
分かれ道

 仕事を終え外に出て、空を見上げたまましばらく悩んでいた
 『行こうか、それとも…』
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 こんなとき、いつも結論は決まっている。この日もやはり1時間ほど後には渓に立っていた

 しかし目の前に流れていたのは、いつもの澄んだ浅い流れではなく、濁った速い流れだった
 その流れと、先週の西野川からそのままフライパッチに残されていた2種類のフライを見つめて、ふたたび悩んだ
 『沈めるか、それとも…』

 結局、西野での強烈な印象が生々しく残っている右手で、ビーズヘッドの付いた小さなフライをティペットに結んだ
 しかし、目の前の小さなプールでは、西野のようなサイズはおろかチビ1匹マーカーを動かすことはなかった

 暮れていく日に急かされるように、下流に向かった
 そして小さな支流との合流点に立ながら、またもやしばらく考え込んでしまった
 『本流筋か、それとも…』

 この日の優柔不断さをそのまま現したかのように、10数メートルだけ本流筋を釣り上がって失望した後、今度は支流に入っていった

 この頃から辺りではハッチが随所に起きていた
 しかし、この期に及んでもまだ、迷いながらもフライを沈めて探っていた

c0041105_2320266.jpg ここまでまったく魚信を伝えてくれないマーカーを見ているうちに、どうせ釣れないのならと大きなパラシュートに結び換えて細い流れに投じた

 1投目で良形のイワナが飛び出した
 「居るじゃないか」という安堵感と「最初からコレでやってりゃぁ…」という後悔…
 そんな入り組んだ思いが伝わってしまったかのように、イワナは足下でフックを外して去っていった

 そのすぐ上の小さなプールでは、さらに大きなアマゴがフライをくわえたが、すぐに外されてしまった
 その反動で水面上を覆っていた枝に絡まってしまったティペットを回収すると、そこには自分のフライと、もう一つ誰かのフライが付いていた

 結局、その後も掛けてはバラすという悪循環に入り込み、最後まで魚をネットに納めることができずに1日を終えた

 こんなとき、帰り道ではいつも『何故ダメだったんだろう…』と考える
 
 選んだ日、場所、タックル、フライ…それぞれの”分かれ道”の、どこかで逆の道を選んでいたら、結果は違っていたんじゃないだろうか、と…

c0041105_23203469.jpg ふと、あの枝にからまっていたフライのことを思い出した
 
 『あのフライの主は、どんな道をたどってあそこに来たんだろう?』

 きっと、まったく違う”道”を選んでやってきたに違いない
 でも、自分とまったく同じポイントの、同じ枝にフライを絡め取られてしまった彼(彼女?)…

 『どんな道を選んだか、なんてあまり意味のないことなのかもしれない』

 そんなふうに考えると、この日の結果を笑って受け入れることができた
 カーナビが示す自宅までの帰路とはまったく違ったルートで家路を急ぎながら…


*today's tackle
rod:ELNOR 8'01 #3 (KEN Craft)
reel:RIVER BREEZE 3/4 (KEN Craft)

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by taros_magazine | 2006-05-14 23:29 | fly fishing diary
revenge
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"revenge"
1 復讐(ふくしゆう)、 仕返し、報復
2 復讐心、遺恨
3 (スポーツ・ゲームなどの)雪辱の機会

 ゴールデンウィーク終盤に西野川へ行くと決まってから…いや、もしかしたら1年前のあの日から、ずっとこの言葉が脳裏にあったような気がする…

 今でもあの日のことをはっきりと覚えている
 細く、速い流れの瀬の向こうにある石の下から、優に尺を超えるアマゴが出てきたシーンを、そのアマゴの美しくとてつもなく大きな尾鰭が繰り出す強烈なファイトを、そして一瞬交わした視線と、その直後に右手に伝わった無重力感を…

c0041105_21312415.jpg ”リベンジ”を誓ってやってきたこの日は、強力な援軍とともに過ごすことになっていた

 自分にこのフィールドを紹介してくれたライズさん、昨年の天竜川以来の再会となるgodzillaさんねねこさん、さらに彼らのブログの常連さんであるドイザラスさん
 そして、今回初めてお会いする、くしくも1年前の西野釣行のときからブログで親しくさせていただいているterryさん

 こんなすばらしいメンバーと一緒なら、きっと良い1日になる…この日、彼らと最初に会ったときからそう予感した

 その予感は的中した

c0041105_21314084.jpg 最初のポイントで、この日のために巻いたフライに尺と思われるアマゴが食いついた
 一瞬よぎる昨年の痛恨のバラシ…そのとき、ランディングを手伝ってくれようとしているライズさんの言葉が響いた

 「これが最初で最後の1匹だと思って、慎重に!」
 いつも尺モノを、それも2桁をあたりまえのように釣る氏の釣りに対する真摯な姿勢を感じさせる言葉は、自分の中の時間を一気に1年分進めたかのようだった
 
 そしてその言葉で冷静さを取り戻すことができた

 32センチのアマゴを両手で持ったとき、不思議と何かから解放されたような気分になった

 その後も大きなイワナをヒットし、去年は降りしきる雨の中フテ寝をしていたベンチで、今年は皆で大笑いし、いろいろな情報交換をしながらコーヒーブレイクを楽しんだ

c0041105_21315659.jpg 上流に移動した午後には、この木曽の渓らしいヤマトイワナのような薄いグレーの魚体のイワナが釣れた
 
 さらにこの日一番のサイズのアマゴがヒットしたが、ランディングネットに気を取られた一瞬のスキにフックを外されてしまった

 でも、もう”リベンジ”なんていう気にはならなかった

 そもそも、自分は一体何に”リベンジ”したかったんだろう?
 あの大アマゴに?この川に?冷たい雨に?それとも自分の不甲斐なさに?

 もう、自分ではわかっていた
 本当は”リベンジ”なんてどうでも良かった、ということを…
 ただ、気の合う友人たちと、こうして素晴らしい1日をまた過ごすための”口実”として使っていただけだということを…
 
 帰り際に見えた御岳の嶺は、そうした自分の心を見透かしているかのように、とても優しく見えた
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*today's tackle
rod:Rightstaff 8'10 #3 (caps) , "fujimaki"Special 8'07 #3 (Factory Haru)
reel:AMPEX SK-1S (caps) , Halcyone baby trout (KIRAKU)

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by taros_magazine | 2006-05-08 21:38 | fly fishing diary
嗅覚(motogp 06' Round-3 トルコGP)
 
 何度も勝利に手が届くところまで迫りがら、あとわずか届かずにグランプリを去ったライダーがいた
 抜群の速さを持ちながら、何度かのケガが原因で輝きを失っていったライダーもいた

c0041105_6582584.jpg こんなふうに、”女神の後ろ髪”を掴みかけながらも、スルリとかわされてしまうライダーと、何度も勝利を、タイトルを獲得するライダーの違いはどこにあるのか?

 天性の資質、磨き抜かれたテクニック、恵まれたチーム体制…それらが重要な要素であることはもちろんだが、トップライダーだけが持っている何か…
 
 それは”運”と称されるもの以外の、もっと本能的なモノを身につけているかどうか、という部分にかかっている気がする

 この週末…くしくも”全てを持っている王者”ロッシが後方に埋もれてしまったレースで、グランプリの今後を担う若者たちは、自身が持つその”何か”を競い合う品評会のようなバトルを見せつけた
 
 先行するペドロサを、メランドリを、ヘイデンを、それぞれが犯すほんの些細なミスを”予測しているかのように”巧みに抜いていくストーナー、ニューカマーの心理状態を”見透かしているかのように”勝負所でキメたメランドリ

 いや、”○○のように…”ではなく、それこそが彼らが持っている”何か”なんだろうと思う

c0041105_6583859.jpg かつて、その”何か”を、ハッキリと見せつけたチャンピオンがいた
 89年の最終戦ブラジル…ランキング2位のウェイン・レイニーに10ポイント以上の差をつけていたエディ・ローソンは、このままシュワンツに続いて2位でチェッカーを受ければ2年連続のタイトル獲得となるレースだった
 その最終ラップ、彼の直前を走っていた周回遅れのライダーが彼の進路をふさぐような形でクラッシュしたのだ

 誰もが『巻き込まれる!』と思った次の瞬間、ローソンはまるでそのライダーがミスを犯し、転倒した車両が転がってくるラインを”知っていたかのように”、造作もなくその横をすり抜け、そのままチェッカーを受け2年連続のタイトルを獲得した

 危険を、相手のミスを、そして勝負所を嗅ぎ分ける”嗅覚”の鋭さ…これこそが、勝ち続けるライダーとそうでないライダーとの決定的な違いなんじゃないだろうか…

 そういった意味では、開幕戦でははっきりと見えなかったペドロサというライダーの資質も、このレースで垣間見ることができた

 それは皮肉にも彼のクラッシュシーンだった

c0041105_6585356.jpg 無理なブレーキングでフロントを滑らせた彼は、そのまま身体の左側面を激しく路面に叩きつけられた
 多くのライダーが、肘、そして鎖骨をヤッてしまうこのようなシーンで、彼はその瞬間、本能的にレーシングスーツの最も防護の厚い背中から落ちるように身体をよじらせたのだ

 この極限の状況下で、そんな動きをやってのける彼もまた、充分な嗅覚の持ち主だった


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by taros_magazine | 2006-05-02 07:02 | motorcycle diary
釣れない川
 『ゴールデンウィークだから、きっとどこも人でいっぱいだろうから…』
 そんな気持ちも手伝って、峠に近い上流部にやってきた 
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 はじめてここに来たのは3年ほど前だった
 荒れているような、キレイなような…釣れそうな、釣れなさそうな…
 峠を越える細い県道に沿った流れは、確かに”渓流”の体裁は整っているものの、何かそこで釣りをする、という決断を下せない雰囲気を持った川だった

 それでも、ある日ふと思い立って入ってみた
 思っていたよりずっと広く、瀬、渕がバランス良く続くその渓では、川幅いっぱいに緑のトンネルが覆い、すぐそばを通る県道をまったく感じさせないほど濃厚な自然に包まれていた

 初めて入ったその日は、グッドサイズのアマゴを何度も掛けてはバラしてしまい、結局1匹もランディングできなかった

 その後も年に何度か訪れているのだが、同じように何度かバラしてしまっただけで、一度も釣れたことがないのだ

c0041105_5535424.jpg それでも、まるでスロットマシンの目が左から順番に揃っていくように、何かの条件が一つ、二つ、三つと揃うと、この渓へやってきてしまう

 そしてこの日も、これまでと同じように何度かの水しぶき、そしてNo Fishだった
 
 渓にいた短い時間の割には随分と重い疲労感…県道へ上がり、新緑と苔むした石の間を縫う小道を歩きながら思う
 『でも、きっとまたここへ来るんだろうな…』
 
 そして、ここで最初の1匹が釣れたら…何故だか分からないけれど、それがこの渓に入る最後の時のような気がした


*today's tackle
rod:FREESTONE XT 8'03 #2 (Shimano)
reel:TR-L (Abel)

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by taros_magazine | 2006-05-01 05:44 | fly fishing diary