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flying for flyfishing (day-2)
 
 自分は“行列のできる(飲食)店”というのが好きじゃない
 そもそも、味覚なんて人それぞれだろうし、20分も30分も待ってやっと食べ物にありつくよりも、多少世間の評価は低くても、食べたいときにサッと口に入れることのできる店のほうがよっぽど気分がいい。第一、次から次へと客が押し寄せるような店では落ち着いて食事が楽しめないじゃないか、と

c0041105_22111444.jpg 朝一番の飛行機で名古屋に帰り、そのまま自宅のある豊橋を通り過ぎて天竜川へ向かう
 渓流のオフシーズンに設定される“天竜川C&Rエリア”は、想像を遥かに超える人数の釣り人(ほとんどがフライフィッシャ-)で賑わっていた

 好ポイントでは、解禁直後のアユ河川のように人とロッドが林立している…
 その光景を見て、当然のように上流の人の少ない瀬の部分へ移動した

 しばらく大きめのマラブーもどきや、ヘアズイヤーなんかを沈めて流していたが、やはり反応が薄い。「どうせダメなら…」とドライにチェンジするとオイカワが釣れはじめた
 「何も釣れないよりはヒマつぶしになるかな」と、しばらく流していると比較的大きな波紋が広がった
 瞬間、ロッドに伝わるとんでもない重さ…一瞬にして心臓の鼓動がマックスに上がる…直後、すぐにフライは水面から戻ってきてしまった

 呆然と水面を見つめていると、巨大な尾ビレが水面を割ってしぶきを上げた。目を凝らすと、それは50センチを優に超えるコイだった
「あれだったのか…?」

 結局、これがこの日の釣りのハイライトになってしまったが、この日の“メインイベント”はとても楽しいものだった

c0041105_22113574.jpg まるで自分の到着を待っていてくれたかのように、昼過ぎに始まったヤキソバ・BBQ…
 久しぶりの再会となった「輝ける沢の辺で」のライズさん、「空色ライフ」の洋さん、初めてお会いした「習慣Flyday」Rollyさん、「一から出直し修行的毛鉤釣」のgodzillaさん、「大好き!管理釣り場」のsammyさん…
 ほかにもそれらのサイトの常連さんたちと、午前中の釣果はもちろん、普段の生活では話題にすらならないコアなネタで盛り上がることができた

 しかし残念ながら、帰りも所用で一人先に帰らなければならない
 対岸の道路を走っていると、プールを取り囲むように立ち並ぶフライフィッシャーたちの姿が見えた

 「こういう楽しみ方ができるなら、”行列のできる店“も悪くないナ」…

 ついさっき開催を約束した次の懇親会。大勢のフライフィッシャーの中で歓喜の雄叫びをあげる自分の姿を想像してみた
 三日月にしなるロッド、ネットをもって駆けつける仲間たち…
 でも、何故かそのラインの先にいるのはレインボーではなく、大きなコイだった…
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by taros_magazine | 2005-11-22 22:13 | fly fishing diary
flying for flyfishing (day-1)
 
 千歳から札幌へ向かう車窓から見る流れ…千歳川、漁川、島松川…そのどれもが鱒であふれる桃源郷のように見えた

c0041105_2155025.jpg 7年ぶりの北海道は、初めて見る冬の装いだった 
 仕事で訪れた今回は、残念ながら楽しみにしていたアメマス(といっても、自分が以前釣ったのは阿寒湖に流れ込む小河川での赤ちゃんアメマスだったけど…)との再会は果たせそうにない
 そこで「せめて雰囲気だけでも…」と思い、現地のフライフィッシャーの方たちのブログにたびたび登場する”THAMES”さんを尋ねてみようと思っていた

 過剰なほど空調の効いたビルから外に出ると、みぞれの降りしきる街は、まだ3時過ぎだというのにすっかりグレイになっていた

 やがて街路樹の向こうに、ほんのりと明かりの灯る落ち着いた雰囲気の建物が見えた
 その瞬間、写真すら見たことのない、自宅から1000km以上も離れたこの建物が"THAMES"だということがわかった…

 正直言って、”プロショップ”の類は少々苦手だ
 あいまいな知識と未熟なウデを瞬時に見抜かれそうで、店の人と雑談するにもプレッシャーを感じてしまうから…
 
c0041105_21551826.jpg しばらく所在なさげに店内をうろついた後、「(店の)写真を獲らせてもらっていいですか?」と尋ねると、店の方は快く了承してくれた
 その後、自分が愛知県から来たこと、そして「ホントは釣りがしたかった…」ことなどを話した

 想像よりずっと若く優しかったお店の方と、ハイシーズンでの再訪を約束して外に出ると、みぞれはさらに激しく、街もいっそう薄暗くなっていた
 
 だけど、おまけ入りの”THAMES”紙袋をしまい込んだジャケットの内側は、さっきより少しだけ“暖かい”気がした


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by taros_magazine | 2005-11-22 22:03 | fly fishing diary
フラストレーション(motoGP 2005' バレンシアGP)
 
 motoGPの’05シーズンを締めくくったのは、マルコ・メランドリの2連勝だった
 今や誰もが認める若手ナンバー1は、勝利者インタビューでロッシの”R”の字も出さず、ニッキー・ヘイデンとのバトルについて語り続けた

c0041105_2341542.jpg その数十センチ横で、予選で転倒し15番グリッドから追い上げて3位となったロッシが「満足している」と、穏やかに、しかし抑揚のない声で語った

 この数レースの間、パドックで、トラックで、そしてメディアからもささやかれ始めた2人の微妙な距離…特に前戦を落としたロッシにとっては、年間最多勝記録のためにも、自らのプライドのためにも是が非でも勝ちたかったレースだったのだが、彼が最終戦で得たものは、タイトルに添える”花”ではなく”フラストレーション”だった

c0041105_2343023.jpg ワークス直系のマシンに乗り、ホンダのエース待遇でシーズンを過ごしたヘイデンもまたフラストレーションを抱えていた
 何度も表彰台に昇りながら、勝ったのは地元アメリカのラグナセカの1戦のみ。自らの速さが”ホンモノ”であることを証明するためにも、このバレンシアは勝たなければいけないレースだったのに、彼は終盤までメランドリの様子見に徹し、そのチャンスをみすみす捨ててしまった
 そんな己の戦略ミスに、そして同年代のメランドリに屈したことに、彼のフラストレーションは解消されるどころか、来シーズンまで持ち越されてしまった

c0041105_2344770.jpg ビアッジも、バロスも、グランプリにおける自らのポジションを確実なものにするためにも、ここで速さを見せておきたかったのに、いつものようにズルズルとトップグループに置いて行かれてしまった
 久しぶりにグランプリに戻ってきた”チーム・ケニー”は、ガレージから引っ張り出してきた古いエンジンを載せたマシンで何周か走ってピットへ戻っていった
 中野も玉田も中位での争いに終始し、スポット参戦の青木宣篤はマシントラブルでリタイヤ…
 
 予選終了後のインタビューで、「今年一番速かったのはオレだ。ただ結果がついてこなかっただけだ」と開き直ったセテ・ジベルノーもまたマシントラブルで終わった

c0041105_235877.jpg 想像を絶する彼のフラストレーションと、それに呼応する15万人の溜息…
 あまりにも多くのフラストレーションを抱えたまま、2005年のシーズンは終わった
 
 おそらくは250ccクラスから多くのライダーがステップアップしてくるであろう2006年。彼らが最初に受ける洗礼は、250馬力の化け物でもバレンティーノ・ロッシという怪物でもない
 motoGPクラスに濃厚に漂い続けている、この”フラストレーション”という魔物こそが、彼らにとって、最初に乗り越えなければならない壁だ


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by taros_magazine | 2005-11-09 23:18 | motorcycle diary