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雨のち晴れ…そして
c0041105_23362129.jpg 天気予報では『昼前には上がる』ハズだった雨は、昼過ぎに寒狭川に着いてもまだ降り続いていた
 最初に入った川でも、移動した先でも釣れなかった
 何度も掛かったけど、何度もバラされた
 
 でも、出るはずのところで出ない、油断してるところで食いついてくる…そんな釣れない最終釣行を、いつしか楽しんでいた
 
 それはきっと、”特別な日”に仕立てたかったんだと思う

 いつもと同じような釣果でシーズンを終えるのではなく、何かスペシャルな出来事で最後をしめくくりたい…そんな気持ちがフィルターとなり、からっきしダメな1日を”特別な日”に変換してしまったんだと思う

c0041105_2343875.jpg 最後の谷へ向かう頃には、もう鼻歌モノのドライブだった
 そこでは、最後をしめくくる”スペシャル”な事をするつもりだから…

 この谷へ来たのは今年2度目 
 いつもはポイント移動の通過点でしかない細い谷で、たまたま出した竿に小さなイワナが掛かったときの驚き、そしてこんな源流にさえ散らばる釣り人のゴミを見たときの怒り…
 そのときから、シーズンの最後にはその谷の掃除をして帰ろうと決めていた

c0041105_23371068.jpg 相変わらず、そこには周りの自然に似つかわしくないゴミが散乱していた
 コンビニの食べ物のパッケージ、タバコの箱、仕掛けの包装…
 ポリ袋にちょうどいっぱいになるくらいのゴミを集め、ほんの少しだけキレイになった谷にフライを流してみた

 この日初めて、そして今年最後の魚は15センチほどのイワナだった

 雨は降り続いていたけれど、この谷にまだイワナがいることが確認できたこと、そしてやろうと思っていた掃除を終えたことで、気持ちはもう”晴れ”だった

 心地よい疲労感を感じながらふもとの集落へ下りていく途中、何台もの工事車両が作業をしているのが見えた
 その現場を通り過ぎようとして山の斜面を見たとき、思わず『あっ…』と声を上げてしまった

c0041105_23372640.jpg ついさっき小さなイワナを釣った谷と、その下流の自分のフライフィッシング初体験の川とをつなぐ間で、大きな堰堤を造っていたのだ
 澄んだ小さな滝のようだった流れは、むき出しの土砂とヒューム管に変わり、そこからはドロ濁りの排水が吐き出されていた

 集落に入る頃には、傾きかけた太陽と青空がようやく少し顔をのぞかせた
 でも、ついさっきまで心地よい疲労感に包まれていたはずの自分の気持ちは、やりきれない徒労感とともにすっかり曇ってしまった

 原生林の開発、河川改修、忍び寄るダムの足音…
 この日が、この川での文字通りの”最後”の釣行にならないこと祈って…

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*today's tackle
rod:EUFLEX XFP 8'03 #3 (TIEMCO) ,George Selvin Marryat 8'00 #2 (Marryat)
reel:CFO1D (ORVIS) , CMR 3/4 (Marryat)

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by taros_magazine | 2005-09-28 23:50 | fly fishing diary
重荷 (motoGP 2005' マレーシアGP)
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 勝てる可能性があったにもかかわらず、勝ちに行かないロッシを初めて見た気がして驚いた
 ロッシは、タイトルというものにそれほど高い価値を持たないタイプのライダー(あくまでもローソンやドゥーハンとの比較ではあるが…)だと思っていたからだ

 これまで、タイトルを確実なものにするには順位をキープするべきシチュエーション(雨であったり、先頭がタイトル争いに無関係なライダーであったりするような場面)であっても、彼は貪欲に勝ちに行き、時にはクラッシュしてしまうようなこともあった
 そしてチャンピオンになってもゼッケンは”46”で通し、長期安定政権が可能だったはずのホンダのエースの座を放り出し、ラリー選手権への出場やF-1のドライブさえも楽しんできた

c0041105_22272288.jpg そんな姿を見てきて、彼はレースを、そしてバトルを楽しむタイプのライダーであり、”チャンピオン”というものは、結果としてついてきた”称号”として彼自身理解しているのでは、と思っていた

 その彼が、このマレーシアラウンドを終えてもまだ4戦もレースを残している段階で、早々とタイトル欲しさに勝利を”放棄”することが理解できなかったのだが…

 もしかしたら、自分の(あるいは他の多くのファンや関係者の)こうした考えこそが、彼にこのような走りを強要してしまったんじゃないだろうか?と思ってしまうシーンがレース後に見られた

c0041105_22273329.jpg ウィニング(?)ランの途中、マシンを降り、7度目のタイトルを祝うTシャツとヘルメットを身につけ、コースサイドで待機していた白雪姫の物語に出てくるようなコスチュームをまとった”7人の小人”たちと並んでの記念撮影…

 こんな”仕込み”をロッシ一人で考えたり、ましてや手配できるわけがない
 彼の取り巻きが入念にプランを練り、そのためだけにマレーシアまで(もしかしたら日本にも)エキストラと荷物を送り込む…
 
 こんな一部始終を目の当たりにしたとき、ロッシは何を思ったのだろうか?
 
 自分に対する期待、そのために費やされる労力・費用…それに報いることができる唯一の行為が”タイトル獲得”であるという現実を思い知ったとき、彼は自らの”楽しみ”を封印し、スタッフのため、ファンのために2位を受け入れたのではないだろうか?

 用意された”ネタ”の規模とは裏腹に、チェッカー後の彼は得意のバーン・アウトも片足ウィリーもほとんど見せず、忙しく”セレモニー”をこなしているように見えた
 そしてインタビューの際に見せた表情…疲弊し、憔悴しきった中にかすかに見られた安堵の表情が、マレーシアの暑さのせいだけでないこともあきらかだった

 今や多くの関係者が”GP史上最高のライダー”と認めるバレンティーノ・ロッシ
 私たちは、まだ26歳の彼に一体どれほどの重荷を背負わせてしまったのだろう…
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by taros_magazine | 2005-09-27 22:36 | motorcycle diary
渇望
 
 フライフィッシングをはじめてかれこれ10年ほど。自分がこれまでに釣った魚のサイズは、アベレージにすると10~12センチくらいだと思う
 
 何しろ『釣れただけでたいしたモン』というスタンスでこれまでやってきた
 雨の後には養魚場の排水口の流れ出しに駆けつけ、梅雨明け頃の稚魚放流の時期には何の迷いもなく#20のフライをティペットに結びトロ場に入った

 とにかく、魚を釣りたかった。パーマークが見たかった
 いつしかパイロットフライは#18以下になり、淵を避けるようになった
 
 ただ、いつまでたっても”忘れられない感触”があった

 1997年、岐阜の旧河合村の下小鳥川。成魚放流とダムからの遡上モノというグッドサイズの宝庫だった川…その一番の人気スポットでのイブニングで仕留めた34センチのイワナ…
 震える”両手”でリリースしたあの1匹の感触が、いつまでたっても自分のフライ歴のハイライトになってしまっていた

c0041105_21514331.jpg 今日出掛けた寒狭川の支流は、小さいけれど綺麗なアマゴが釣れるところ…のハズだったのだが、禁漁を目前にすでに資源は枯渇しているようだった
 
 そんな中、”いかにも”のポイントから出た20センチほどのイワナが、#2のロッドを絞ってくれた
 まるでニジマスのように水面高く跳ね、石を越え、激しくアタマを振ったイワナ…
 
 このイワナが、今シーズン途中から自分の頭の片隅に芽生えかけていた”あるモノ”を刺激した
 『大物を釣りたい…』

 場所を変え、もう少し規模の大きな支流に移動した
 いつも粘る小さな瀬や細い筋を無視し、いつもはスルーしている淵を狙うことにした

 堰堤下の沈み石の陰…その脇を流れる#14のパラダンを、大きな影が追いかけてくる
 まるで高解像度のスローモーションの映像のように、その大きな口が開くのが見えた
 『…!』

 早アワセしてしまったフライは虚しく宙を舞い、心臓の鼓動は早送りの映像のように激しくなった

 その動悸の静まる間もなく、次の淵ではさらに大きな影がフライをチェイスしてきた
 そして2投目、ついにその悠に尺を越えそうなアマゴは水面を割った

 完璧なタイミングのハズだった。しかしまたもやフライは宙を舞った

 ついさっきまであれほどまでに激しく脈打っていた鼓動は、急速に平静を取り戻していった
 あのアマゴも二度と姿を見せることはなかった

 そして、大物に対する”渇望”だけが肥大した
 わずか1週間の漁期を残して… 
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*today's tackle
rod:Rightstaff 8'10 #3 (CFF) , EUFLEX XF8'02 #2 (TIEMCO)
reel:Caprice miu SG-1 (GRAIN) , Fates TM-1 (TENRYU)

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by taros_magazine | 2005-09-23 21:55 | fly fishing diary
Little Wing
 
 3連休の最後は釣りに行けるはずだった

 いつものように前の晩にあらかじめセットしたロッドを2本、車に積み込んで、あとは早起きができるかどうかだけだった

 午前2時に目が覚めた
 「この時間なら、飯田まで行ってちょうど夜明け…」
 昨日設定したばかりのカーナビは目的地まで4時間以上の所要時間を表示していたけど、実際は2時間半程度で行けるところだとわかっている
 家を出てすぐのコンビニで朝食を買い込み、郊外の県道を走り出した…なのに、まったく気分が乗らない。目が覚めたときから、ずっと…

 2時間半のドライブが苦痛な訳じゃない。何だったら1時間ちょっとで行ける寒狭川へ目的地を変更したっていいのに、街を出ること自体に抵抗を感じているのだ

 「もうすぐ禁漁…もう何回も釣りはできないのに…」
 
 市境の川を渡る手前で、遂に家に戻る決意をした
 相変わらず飯田へのルートを教えてくれるカーナビを黙らせるため、『自宅に帰る』をセットしたけど、あまりに異常な行動のためか、単純な一本道の帰り道なのにメチャクチャなルートを指定してきた

 見慣れた景色になった頃、カーオーディオから”Little Wing”が流れ出した
 ジミ、スティービー・レイ、そしてクラプトン…それぞれのテイクを納めたオリジナルのmp-3ディスク…3曲すべてを聴き終えるために、ちょっとだけ遠回りをして家に戻った

 街も、家も、釣り道具を持って出て行った小一時間前と何も変わっていなかった 
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by taros_magazine | 2005-09-19 03:33 | fly fishing diary
残像(motoGP 2005' 日本GP)
 
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 2003年の鈴鹿8耐に、「きっと大治郎の追悼ムード一色なんだろうな…」と勝手に想像して現地へ行った
 しかし、あの事故の起きたシケインにこそ多くの献花とメッセージが添えられていたものの、その他では、サーキットの売店でも、パドックでも特段そんな雰囲気は感じられなかった
 何より違和感を覚えたのは、参加しているライダーたち…特にホンダワークスの宇川や井筒から当然聞けると思っていた『大治郎のために…』というセリフが、予選から決勝までほとんど出なかったということだった

 「きっと優勝したときのために、そのセリフはとってあるんだろう…ゼッケンの”7”の横が不自然に空いているのは、ウィニング・ランのとき、そこに”4”のステッカーを貼るためなんだろう…」などというあらぬ期待まで持ってレースを見ていたが、結局ホンダ・ワークスは2台ともツブれ、首位を走っていたKENZのトラブルで優勝をさらったホンダのサテライトチームが勝ち、やっとお約束のセリフを言った 『大ちゃんが勝たせてくれた』

 あれからもう2年以上の時が流れた

c0041105_22214119.jpg なのに日本人はおろか、外国人までがいまだに”ダイジロウ”の残像をサーキットに見ている。いや、むしろ時を経るごとにその傾向は強くなっている気さえする

 この日、久しぶりに日の丸をメインポールに掲げた青山のツナギには、motoGPクラスの多くのライダーと同様に、当然のように”74”のワッペンが縫いつけられていた。そして”75”が彼のゼッケンで、このGPで予選3位に入った彼の弟のゼッケンは”73”だった
 
 さらに日頃は大治郎について多くを語りたがらないロッシのヘルメットにまで”74”のステッカーが貼られ、昨年のこのもてぎで優勝し、今年も3位表彰台を得た玉田は「オレが世界一になれば、オレより速かった大ちゃんが一番だと証明できる」と公言している

 でも…もういいんじゃないだろうか?
 
 大治郎は速かった。間違いなく世界の頂点に立つライダーだったはずだ
 それは充分にわかっているし、今でも彼の走りをもう一度見たいと思っている

c0041105_2222699.jpg  でも、これから世界に出て行くライダーや、今世界の頂点でバトルをしているライダーたちは、いつまでも彼の残像を追いかけていてはいけないと思う
 
 ”ドゥーハンがいなかったから…”とか”大治郎がいたら…”とか…
 世界最高峰のレースの魅力を、こういうことでスポイルしてしまうのはあまりにも悲しいし、何より彼ら自身を失望させてはいないだろうか?

 自分たちはなぜ大治郎を応援していたのか?
 それは彼に”夢”を抱いていたからである

 その夢を今実現できるのは、今日もてぎを走ったライダーたちなのだ

 
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by taros_magazine | 2005-09-18 22:25 | motorcycle diary
バトン貰いました
 
 釣りに行けない週末なので、ここはいつもお世話になってるterryさんのブログ”terry's FlyFishing Bar”で企画されてた『フライフィッシングバトン』というのに乗っかってみようと思います
 ホントは”トラックバック”ってのをすれば良いのでしょうが、正直よくわかりません。terryさんゴメンナサイ…

 この『フライフィッシングバトン』をカンタンに説明すると…
 1.フライベストまたはフィッシングバッグなどに入っているフライボックスの数とその用途
 2.最近巻いた毛鉤
 3.最後に買ったフライ用品
 4.よく使うロッド、または思い入れのある道具
 の4項目にプラスして、『5.バトンを渡す5人』というお約束があるのですが、terryさんの「バトンを回すつもりは無くて、個人的に楽しんで」というスタンスに共感(安心)して、バトンを貰ってみました

 さて1、「フライボックスの数」…これはさっき数えたら大きめのが3個、小型のが5個の計8個ありました
 そのうち「パラダン&アダムス専用」の1個…コレで自分の釣りは事足りてしまいます。ということで、以下”ベストの肥やし”を紹介すると「ミッジ用」「ニンフ用」「ウェット(100円均一で買った)専用」「ドライ(同)」「テレストリアル用」「普通のドライ用」「半沈み用」というように、一応分けてあって自分でちょっと感動しました
 いやー、たまには他のフライボックスも開けてみるもんだ!

 2、「最近巻いた毛鉤」…最近も何も、年中パラダンしか巻いてないんで…あ、そういえば今年はプードルとかビーズヘッドなんかも巻いたなぁ…いやー、アグレッシブなシーズンだった
 でも、今じゃ例のガマカツのフックで普通にパラダン巻いてます

 3、「最後に買った用品」…実は、先日ロッドを買ったんですよ。それがまたいろいろありまして…そのうち本家のサイトで思いっきり悪口(ロッドじゃなく店の)書いてやろうと思ってます(笑)

 4、「よく使うロッド、思い入れのある道具」…ロッドは、今年に関して言うとライトスタッフですね。今年は比較的広い渓へ行く機会が多かったので、8’10という長さが重宝しました
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 ”思い入れ”は…中折れの『帽子』ですね
 コレは唯一、妻がプレゼントしてくれた道具です(妻からお金借りて買った道具はたくさんありますけど…)

 ま、書いてる途中で『やめといた方が…』なんて思ったりしましたが、たまにはこういうエントリもイイんじゃないかと…

 でも、やっぱり釣りに行きたい…


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by taros_magazine | 2005-09-17 17:33 | fly fishing diary
余韻
 
 いつものように、県境の『道の駅』で夜が明けるまでの時間を過ごす
 
 こんなふうにここで過ごすのも今年はこれが最後。次にここにやってくるのは、冷えたコーラではなく、暖かいコーヒーが美味しい季節になっているのだろう
 午前5時。ついこの間まで渓に立ち、#16のフライがドリフトするのがはっきり見えるほど明るかったこの時間も、今は頭上に輝くオリオン座を見ている…

c0041105_223342.jpg いつのまにか、根羽での“最後の釣り”に過剰なほど感傷的になっていた 
 
 白み始めた稜線も、そこかしこから聞こえる鳥のさえずりも、国道の路肩に散らばったコンビニのレジ袋までもが、そんな気持ちを増幅させた
 空はどんどん明るくなっていくのに、自分の心はウェットなまま、ただキャスティングを繰り返していた

 ふと、目の前に足跡があるのに気づいた

 この2~3日雨は降っていない。日曜日か、それとも昨日の夕方か、もしかしたら一足違いで…
 でも、そんなことさえ差して気にならないほど、何とも言えない澱んだ気持ちで釣り上がっていった

 やがて流れが2筋にわかれているポイントにやってきた
 いつも両方を釣ろうと欲張り、せっかくフライを見に来たアマゴに何度も見切られた左の筋。そのやや手前の、小さいながらも反応の良いアマゴが何匹も付いているはずの右の筋…

 足跡は右側を攻めたことがはっきりとわかるように残っていた

 この日の”LOW”な自分でも『何も同じポイントを攻めることはない』ぐらいの判断能力はまだ残っていた 
c0041105_22332989.jpg  そして、左側の筋からはこの川ではグッドサイズと呼べる26センチのアマゴが飛び出した…

 それでも、まだテンションは上がらなかった

 まるで見えない先行者のすぐ後ろを付いているかのように、足跡は相変わらず目の前にあった
 やがて別荘地の横を通り過ぎ、川幅が1メートル程度になっても足跡は続いていた

 ふと、この”先行者”と同じようにポイントを攻めてみようと思った
 
 粘土質の岸にくっきりと残っている足跡…自分の足よりちょっとだけ小さいその足跡の上に立ち、おそらくその足跡の主がしたように、目の前の細い流れの流心を狙ってみた

c0041105_22335092.jpg 小さな飛沫とともにフライは消えた
 ロッドに伝わってくる感触から、それがこの谷に棲むイワナのものであることがすぐにわかった

 そのイワナをリリースし、次のポイントへ歩き出そうとすると、もうその先に足跡はなかった
 自分も、根羽での今年最後の釣りをそこで終えることにした

 朝から抱え込んでいた”感傷”は、いつのまにか心地よい”余韻”に変わっていた


*today's tackle
rod:EUFLEX XF 8'03 #3 , EUFLEX XFP 7'09 #2 (TIEMCO)
reel:CMR 3/4 (Marryat) , CFO1 (ORVIS)

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by taros_magazine | 2005-09-14 22:44 | fly fishing diary
先行者
 
 梅雨明けの頃から、夜明けと同時に川に入ることができるよう、深夜に家を出ることが多くなった

 もちろん、その目的はお気に入りのポイントに一番乗りするためであり、そうすることが望む釣果を得るための最も効率的な方法だと思うからである

 しかし深夜便にはいろんな”リスク”がつきまとう 

 午前3時過ぎ…今日もまだ眠っているアタマに渇を入れるかのように炭酸飲料を一気飲みし、半開きの眼に無理やりコンタクトレンズを張り付ける
 道では明らかに酔っぱらい運転と思われるような車が蛇行してるときもあるし、「こんな時間になんで…」と思わずにはいられない老人の徘徊も見かける 
 里ではネコ、山ではタヌキなんかが道に飛び出してこないことを祈りながらアクセルを踏み続け、ときおり道の真ん中で座り込んでるカエルと目が合ったりするときは『避けてやるから動くなよ…』と念じる…けど、何回かはタイヤから嫌な感触が伝わってきてしまう…

c0041105_11461774.jpg でも、最大のリスクは「こんなに苦労して来たのに、先行者が…」ということだ

 そもそもこれを嫌って早起きをしているのである。着いた現地に四輪駆動車なんかが止まっていた日には、何の落ち度もないその車の持ち主に対して”コノヤロー…”と怒りを覚えてしまう
 ただでさえ残り少ないシーズン、それも台風通過後の週末。きっとどこも多くの釣り人で賑わうことは想像に難くない…
 
 ということで、この日も当然”深夜便”で根羽川へやってきた
 
 幸いにしてこの日も、動物をはねることも先行者に遭遇することもなく目的の川で釣りを楽しむことができた
 盛期に比べれば、サイズも数も到底及ばない釣果ではあったけれど、先行者の足跡を見ることもなく、「あー、のんびりと釣りができてよかったなぁ…」と気持ち良く川から上がることができた

 そのまま、途中で枝分かれしているもうひとつの支流に入ろうと考え、川沿いの道を歩いていると、下流から釣り人が釣り上がってくるのが見えた

c0041105_11462982.jpg 当然、向こうからもコッチの姿は見えているだろう。「先行してやったぜ!」という”ザマーミロ”的な気持ちと、「あー、きっと恨まれてるんだろうなぁ…」という”後ろめたい”気持ちが入り交じる

 そんな何とも言えない微妙な”間”にとまどっていると、その釣り師はいったん釣りをやめてこっちに近づいてきた
 
 「どうでしたかー?」

 そのエサ釣り用の竿を脇に抱えた釣り師は、わざわざ岸際まで来て、笑顔で話しかけてきた
 
 きっと彼も深夜便で先行者がいないことを祈りながらこの川にやってきたのだろう
 もしかしたら僕の姿を見るまでは先行者はいないと思っていたのかもしれない
 それでも、明らかな先行者である僕に対し、釣りを中断してまで笑顔で話かけてくれた彼…

 「何匹か釣れましたよ。小さいのばっかりですけど!」
 自分も精一杯の笑顔で、短い会話を楽しんだあと、小さく会釈して別れた

 その後、しばらく歩いたところに彼のものと思われる四輪駆動車があり、そのすぐ先に入ろうと思っていたもうひとつの支流がある
 
 僕はそのまま支流の入り口を通り過ぎ、自分の車に向かった
 
 この日、もうひとつ支流に入る資格があるのは、自分ではなく”本当に釣りを楽しんでいる”彼だと思ったから…
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*today's tackle
rod:PETERS ROAD "PAYTO" 8'00 #2 (mamiya OP)
reel:halcyone babytrout (KIRAKU)

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by taros_magazine | 2005-09-11 11:50 | fly fishing diary
季節感
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 高校を卒業してから何年かの間、季節が春で止まってしまっていた
 
 もちろん、7月には「”夏”だなぁ…」とか12月には「もうすぐ”お正月”」なんていうふうに頭では理解しているんだけど、感覚的にはいつも「今は3月」で、先の予定を考えるとき、年中3月から起算して「あと○ヶ月…」という気持ちになり、その直後に「あ、違った…」我に返るのだった 

 やがてその不思議な感覚は薄らぎ、今では暦と自分の季節感はちゃんと一致している
 それはフライフィッシングが”矯正”してくれたからだ

 禁漁という苦痛が身にしみる秋、そして冬。解禁という喜びが心を解放する早春
 他にも水辺に咲き乱れる花や、色づく山、それに”花粉”までもが自分に季節を教えてくれる

c0041105_0533259.jpg フライフィッシングを通じて”季節感”を取り戻したとき、あのマヒした季節感の原因がなんとなくわかった 

 学期や年中行事でキッチリと1年ごとに四季を過ごしていた高校生活が終わり、年中グータラと遊び呆けていた大学生時代から、卒業後は空調完備のオフィスで過ごす毎日へと流れていく…
 そんな自分の季節感は高校の卒業式で止まっていたのだ

 今日出掛けた寒狭川の支流に、前回来たのは6月
 
 あの頃、4時半には川に入っていたのに、今は5時でも辺りはまだ暗いままだ
 6月にはあぜ道に生えている雑草に負けそうだった稲も重そうに頭を垂れ、道路のあちこちには毬栗が落ちていた

 そして、今日も元気な姿を見せてくれたアマゴもほんのりと”秋化粧”をしていた
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*today's tackle
rod:Rightstaff 7'10 #3 , 8'10 #3 (CFF)
reel:SK-CL (Caps) , CT 3/4 (Redhigton)

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by taros_magazine | 2005-09-03 23:59 | fly fishing diary