"Requiem" (MotoGP 08' Round-16 Australian GP)
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 今、ついにその偉大なる歴史に終止符が打たれようとしている
 長い間、数々の栄光の象徴であり、畏敬の念の対象だったモーターサイクルレースの巨人は、静かに舞台を去ろうとしている…

 ニッキー・ヘイデンは必死でケーシー・ストーナーに食い下がっていた
 自らのライディングスタイルを最大限に活かすことのできる左回りのサーキットで、そしてそのスタイルを支えてきたミシュランタイヤの能力をフルに発揮して…

c0041105_22191337.jpg ジェームズ・トースランドもまた、渾身の走りでバレンティーノ・ロッシを抑えていた
 前に出たロッシを何度も差し返し、最終コーナーではリアタイヤからスモークをあげ、ストレートを駆け抜けていった

 昨シーズン以来の、ライダー個人の能力はおろか、マシンの戦闘能力をも不問にするかのような、ある種”ヒステリック”にも思えるほどのタイヤについての議論…
 それは、ついに来シーズンからのタイヤコントロールというルールを実現させ、そしてミシュラン・タイヤがMotoGPから撤退することが事実上決定した

 しかし、ここに至る流れの象徴…つまりはミシュランにとっての”致命傷”ともいうべきリザルトを記録したチェコGPの後、皮肉にもミシュラン・ユーザー達の逆襲が始まった

 チェコGP後のブルノのタイヤテストで、意外なほど前向きに、そして真摯にテストに取り組んでいたホルヘ・ロレンゾは本来のキレのある走りを取り戻した
 チームの政治力からすればブリヂストンにスイッチできたはずのニッキー・ヘイデンは敢えてミシュランにこだわり、そして”エース”ダニ・ペドロサを圧倒するような走りを見せるようになった

c0041105_2221287.jpg 気がつけばロッシとストーナー以外のブリヂストン勢…昨年来”躍進”したはずのスズキとカワサキはセカンドグループでの混戦に埋もれるようになっていた

 この日、ニッキーやトースランドが見せた熱い走りは、タイヤがレースをしているのではなく、ライダーがマシンを、そしてタイヤを使っているのだということをハッキリと見せてくれた
 そしてこの1ヶ月の間で、ミシュランの技術者達は、モーターサイクルレースの本質は何であるかということを、自戒の念と意地を込めて証明してみせた

 ブリヂストンを履いて昨年王者に輝いたストーナー、ブリヂストンにスイッチして今シーズン王者に返り咲いたロッシ、そして”ミシュラン最後の王者”ニッキー・ヘイデン

 フィリップアイランドの表彰台に立った3人の間の”差”がタイヤの性能差でないことは、他でもない彼ら自身が一番よく理解しているだろう

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by taros_magazine | 2008-10-06 22:24 | motorcycle diary


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