忍野スタイル
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 朝イチで見つけたこのプールの”主”は、陽がすっかり高くなった昼前になってもまだそこで悠々とクルーズしていた

 もちろん、朝だって素通りしたわけじゃない
 ニンフも、ミッジも、テレストリアルも試した。でもヒットするのは”主”の回りで様子を伺っているヤマメやブラウンだった

 『いくら忍野でも…さすがにコレはなぁ…』
 そう言い聞かせて下流部まで下っていき、昼食を前に駐車場まで戻ってきたときに再び目にした釣堀横の”主”…

c0041105_10412186.jpg 昼食前の余興とばかりに半信半疑で投じたニンフ…その波紋と水音に、50センチはあろうかという砲弾型のレインボーはかすかに反応したように見えた
 そしてそのフライがまさに鼻先を通過しようとしたとき、大きな口を開け、そして軽く首を振った

 “ギ…ギィ“
 音にならないロッドの悲鳴が、手首を通じて脳に伝わってきた
 2年前のあのときと同じように…

 
 初めてこの忍野を訪れた2年前、茂平橋下流で同行した友人の一人が見つけた大きなレインボー…
 その友人のフライチェンジの合間に、自分がダメもとで投じたニンフを、そのレインボーは引ったくっていった

 身をくねらせながらジワジワと下流へ逃げていく銀色の巨体…
 やがて河岸からせり出した樹木の下へ逃げ込まれそうになった時、意を決して強引に引き寄せた 
 そして別の友人が差し出したネットまであと少しのところまで寄せた時、乾いた音を立ててティペットがブレイクした…

 
c0041105_10414785.jpg あの日からちょうど2年。あの日と同じこの頼りない…でも、たくさんの想いの詰まった3番ロッドから伝わってきた感触は、あの時の友人達の声まで鮮明に思い出させた

 『竿立てて!』
 『茂みに入られないように!』
 『もう少し!』
 
 脳裏に蘇るそんな声に励まされ、何とかネットの届くところまで引き寄せた時、レインボーはそれまで貯めていた力を爆発させるように一気に上流へ走った

 ロッドのパワーでタメるべきか、それとも一旦ラインを送り出すべきか…そう迷った一瞬、再び聴くこととなったあの乾いた音…
 その音の残響は、あの日のように大きな笑い声にかき消されることもなく、静寂の中でいつまでも頭の中でリフレインされた…

 
 あの日から数えて7回目の忍野
 夢のような魚影、ドラマチックなファイト、でも最後には決まってしてヤラれる…

 それが自分の”忍野スタイル”
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*today's tackle  
rod:Cremona 8'07 #3/4 (Coatac)
reel:Philius small trout (KIRAKU)

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by taros_magazine | 2008-08-17 10:43 | fly fishing diary


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