"Inat" (MotoGP 08' Round-7 Catalunya GP)

 決勝のリザルトを伝える画面の表示…それは、今まで見たこともないくらい”青”と”赤”がごちゃ混ぜになっていた

c0041105_2302320.jpg その時、昨シーズンから身についてしまった悪い癖に気がついた
 何となく勝負に”タイヤ”という要素を絡めることで、リザルトを理解し、納得したような気分になる…
 そんなレース後の生半可な分析を、この日のカタルニアのレースは許してくれなかった
 
 しかし、そのかわりに今のMotoGPで勝てるライダーだけが強烈に放っている個性を感じるシーンをいくつも見ることができた

 もはや完全にエースの座から降ろされ、サテライトチームがライバルとなってしまったニッキー・ヘイデンは、予選で得た好感触を自らを奮い立たせる自信へと昇華させ、敢然とバレンティーノ・ロッシに立ち向かった

 ロッシが最も得意とするセクションで一歩も引かないブレーキング勝負を挑んだその姿は、彼がまだ何一つ諦めていないということを確信させるに十分な意思表示だった

 開幕戦以来勝利から遠ざかってはいても、ケーシー・ストーナーは常に戦闘態勢を整えていた 
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 決してセッティングが出ているとは言えないようなマシンでも、リアが、そしてフロントタイヤが音を上げようとも、彼は絶対に勝負を捨てない
 たとえコンマ1秒ずつ離されていこうとも、勝利の女神が振り向くことを信じ、最後までアクセルは緩めない

 だからこそ、バレンティーノ・ロッシもそんな彼らの”意地”を真っ向から受け止める
 彼もまた最後のスパートの切れ味で、ダニ・ペドロサを逃がしてしまった悔しさに対してせめてもの”意地”を見せてくれた

c0041105_231897.jpg そのペドロサにも、今回ははっきりと”意地”が見えた

 『競り合いに弱い』…そんな風評に対し、彼がとった行動は『競り合いを制する』のではなく、『だったらトコトン逃げてやろう』という強烈な意趣返しだった
 
 そんな彼らを見て、さらなる”意地”を燃えたぎらせているライダーがいる

 手足を骨折していてさえ表彰台に立った(座った?)男、ホルヘ・ロレンゾ…
 地元スペインで、口もききたくないライバルの会心の勝利を指をくわえて見ているだけだった彼の意地は、それこそ爆発寸前に違いない

 このカタルニアでいよいよ混沌としてきたマシン、タイヤのパワーバランス…
 そこでモノを言うのは、やはりライダーの”意地”なのかもしれない



※"Inat"・・・たとえどんなに過酷な境遇にあっても、必ず耐えて、そして最後には笑ってみせる、そんな気持ちを、セルビアでは"Inat"(イナット)という言葉で表現するという


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by taros_magazine | 2008-06-10 23:04 | motorcycle diary


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