夏が来る前に…
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 もう何年も前から、『年末だから…』といって大掃除などしなくなった
 別に部屋が散らかっていようが車が汚れていようが年など越せるに決まっているのだから…

 でも、ことフライフィッシングに関しては、もうずーっと前から『○○の前に△△しなきゃ…』と実践しているコトがある

 それは解禁前に毛鉤を巻くとか、ティペットを新調するというようなごく当たり前の準備とかではなく、それこそやらなきゃやらないで済むようなコトで、しかもやったからといって大した達成感もないようなコトだ

 もう、それを実行する”期限”がギリギリまで迫っていることは明らかだった
 だから平日の朝だというのに向かった先は、この時期のこんな時間にはまず先行者もいなければ魚影もあるかどうかあやしいような藪沢だった

 今にも踏み抜きそうな木造の橋を渡り、朝露に濡れた草木をかき分け土手を降りその沢に降りると、幾筋もの蜘蛛の糸が水面の上に架かっていた

c0041105_23441057.jpg 『ちょっとだけ、遅かったかな…』

 そう、本当は蜘蛛の糸が張り巡らされる前に来たかったのだ
 ティペットを絡めとる蜘蛛の糸、フォルスキャストを許さない生い茂る草木、容赦なくまとわりつき、刺していく虫たち…

 それらによってこの沢がクローズされる前に、ここで釣りをしなければ…それがこの日の、そして自分の夏が来る前の年中行事なのだ

 この沢にはいろんな思い出がある
 上流部の小さなプールでは、漁協のエリアである長野県側から禁漁の愛知県側に向かってキャストし、上流のキャンプ場にある管理釣り場から”密放流”されたレインボーを何匹もキャッチしたこともあった
 ドライブの途中、土手から見ている妻に魚影を指差してもらい、そこをめがけて落としたフライに一発でグッドサイズが飛び出し、2人で狂喜したこともあった

 この日顔を見せてくれたのは、数匹の小型のアマゴだけだったけれども、ここで釣りをしている間中、かつてのいろんな出来事を思い出し、とても穏やかな時間を過ごすことができた

c0041105_23445567.jpg 次に向かったのも、やはりあと一ヶ月もすればキャストはもちろん、歩くことさえままならなくなるような谷だった

 寒狭に残された数少ない天然イワナの棲家…しかし、そこで感じたのはかつてない危機感だった

 いつのまにか川底は堆砂でフラットになり、至る所で伐採された短い丸太が川の流れを不自然に蛇行させていた 
 
 いつも必ず反応があった小さなプールのすぐ上流では、赤土がむき出しになった斜面がV字型に大きく削り取られていた

 それでも、イワナは確かにいた。10センチにも満たないイワナが、今までのどのポイントよりも上流でやっと釣れた…

 もうすぐ夏が来る
 この谷もしばらくの間、釣り人から少しは開放され、そのまま秋を迎えるだろう

c0041105_23452021.jpg そして、その次の夏が来る前…この日流れに戻っていった小さなイワナはどうなっているのだろう…


*today's tackle  
rod:Geroge Selvin Marryat 8'00 #2 (Marryat)
reel:SK-1 (Caps)



【information】
 現在、田口方面から大名倉へ向かう県道が、松戸橋上流で土砂崩れのため通行止めになっています(国道257号線経由で迂回可能です)。
 また栗島川沿いを走る県道も、西川合流点下流付近で工事のため通行止めとなっています(栃洞川~西川ルートで迂回可能です)。
 どちらも6月中をめどに復旧の見込みとのことですが、釣行の際は十分お気をつけください
 (※詳細は設楽町観光協会のサイトの新着情報(6月4日付)でご確認ください)


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by taros_magazine | 2008-06-06 23:31 | fly fishing diary


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