Release
 
 冬の天竜のビッグレインボー、早春の寒狭のシラメ、数年ぶりの宇連川のアマゴ…

 これまでになく、精力的にオフの釣りに精を出し、渓流解禁の声に胸を躍らせて出かけ、そして充実した渓でのひとときを過ごしながらも、正直に言えば心のどこかに引っかかっているものがあった

 それは『自分はいつになったらドライで釣り上がる気なのか?』ということだった

c0041105_21353160.jpg もちろん、ニンフでの釣りに否定的な訳じゃない
 ドライで釣ることがニンフで釣るより価値があるなんて思っている訳でもない
 マーカーをひったくるように持っていく天竜でのレインボー相手のルースニングは例えようもなくエキサイティングな釣りだと思う
 寒狭中部で目の前で悠々と定位しているスレッカラシのシラメの鼻先にニンフを流し込み、それを加えさせるまでの一部始終を目撃した日には、しばらくの間その光景が脳裏から離れないほど刺激的だ

 そんな釣りを繰り返しているうちに、今までなら当たり前のように解禁からドライで釣り上がっていた寒狭上流でも、この1~2年の春は大場所で魚影を探し、そしてニンフとマーカーをセットするようになっていた

 そして今、あれほど積もっていた雪が解け、ぶ厚いフリースのインナーがいらない季節になってもまだ相変わらずニンフのフライボックスにしか手が伸びない自分に、焦りにも似た違和感を感じるようになっていた

 『どこかで、切り替えなければ…』

c0041105_21355394.jpg 選んだのは忍野だった

 『忍野でニンフを満喫したらそこで一区切り。次からは地元でドライの釣り上がりを…』

 そう思って、いつものように高い足場からのサイトフィッシングに興じた

 最初の1匹は思い通りにヒットした
 だけど、その次がまったく続かない

 持っている全てのニンフはことごとく無視された。サイトフィッシングをあきらめ、ルースニングで下流部を探ってみたが、マーカーが引き込まれることはなかった

 気がつけば、澄んだ流れでは何匹ものヤマメやレインボーがライズしていた
 彼らは、水生昆虫にはまったく知識のない自分にもわかるほどのサイズと色の流下物を片っ端から口に入れていた

 寒狭での釣り上がりに使うフライをティペットに結び、タイミングを計ってフィーディングレーンに運ぶと、それまでニンフで悶絶していたのがウソのようにあっさりと口にした

 そのまま二又、テニスコート、湧水、釣り堀とドライで”釣り上がり”を楽しんだ

c0041105_2136109.jpg その頃には、もう妙な”焦り”は消えていた
 それは待ち望んだ”ドライの季節”に入ったことを実感したからではなく、ドライだニンフだという区分けが無意味だと気づいたからだった

 一昨年の夏、自分の”ドライ”という固定観念を取り払ってくれた忍野は、今度は”ニンフ”という呪縛から自分を解放してくれた

 予定とは随分違った1日になってしまったけれど、やっぱり忍野を選んで正解だったと思った


*today's tackle  
rod:G2 8'08 #4 (SCOTT)
reel:CMR 3/4 (Marryat)

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by taros_magazine | 2008-04-13 23:59 | fly fishing diary


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