月と太陽 (MotoGP 08' Round-1 QATAR GP)
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 一体何が変わったのか?そして何が変わらなかったのか?

 その答えはすでにこのロサイルの事前テストの時から見えていた
 驚速を維持するストーナー、恐れを知らないニューカマーたち、そして雪辱に燃えるミシュラン…

 それら全ての要素からなる集合体から、バレンティーノ・ロッシだけが外れていた

c0041105_2241377.jpg 彼が切望したタイヤを履く他のマシンが勝利し、彼が跨っているものと同じマシンが2位となり、そして去年同じタイヤに悩まされた3位のライダーの影を踏むこともできず、このクラスで22ラップしかレースを走ったことのない同郷の新人の後塵を拝しての5位フィニッシュ…

 「十分なテストができなかった」
 「去年だって予選ではミシュランは良かった」
 「ここのレースは特別だから」

 この日のロッシのリザルトを擁護する言葉はいくらでもあるだろうし、多くのファンや関係者もそれを信じているだろう
 でも、それと同じくらい多くの人が、今のロッシをたったひとつの言葉で表現してしまうだろう

 ”衰え”

 GPの4ストローク化の大きな理由であったはずの環境問題を足蹴にするかのように強行されたナイトレース…そのために設けられた非現実的なまでの照明設備によって美しい輝きを放つマシンとは裏腹に、この夜のロッシの走りには見るモノすべてを虜にするような煌めきも、息をのむような力強さも感じられなかった

 「ホンダのマシンで勝つことはイージーだ」

c0041105_22413897.jpg かつてそう言い放ち、敢えて困難な道を選んだ若き王者は、やがて全てのライダーに追われる立場となり、そして崖っぷちに追いつめられた昨シーズン終盤、青々とした”隣の芝生”を切望し、そして半ば強引に手に入れた

 そこまでして臨んだ開幕戦で味わった試練、屈辱、失望…

 最終ラップの勝負所で、ドヴィツィオーゾにかわされていくロッシ…
 
 その時、彼の目にそのマシンは「イージー」に見えたのだろうか?
 あるいは、今や”隣の芝生”となってしまったそのタイヤが青々と見えたのだろうか?

 チャレンジャーとして走り続けるために選んだ道、そして王者に返り咲くために選んだ道…
 自ら選択した2本の道が、メビウスの輪の裏表のように彼の心の中で出口の見えない無限ループを繰り返し続ける…

 ヤマハにとって、そしてロッシ自身にとって、この夜の出来事は”レア・ケース”なのか、それとも”カウント・ダウン”なのか…
 
 逃げていくドヴィツィオーゾのマシンを見ていたロッシだけが、その答えを知っているのだろう

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by taros_magazine | 2008-03-10 23:30 | motorcycle diary


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