"TROUT" change the World
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 その流れを前にしても、ごく当たり前のようにくニンフを結んだ
 新緑の中を流れる澄んだ渓…車で降りることのできる広い川原もなければ、60センチを超えるレインボーもいないこの寒狭中部の流れで、ロッドの番手こそ違うものの気がつけば天竜川と同じラインシステムで臨んでいた

 ものの数分で奇妙な感覚に襲われた
 天竜なら濁った流れの上を漂うマーカーを見つめていればよかったのに、ここではその下にいるシラメの姿はもちろん、水中を漂うフライさえも見ることができるのだ

 水面、水中、川底…めまぐるしく目配りをしているうちに、どうしていいのかわからなくなってしまった
 サイトで合わせようとするとスッポ抜け、マーカーの反応も読みとれない
 釣り初めて1時間ほどが過ぎ、集中力がとぎれかけていた時、1匹のシラメが目の前でライズを始めた

 そのシラメはまるで挑発するかのように、何度も何度も目の前でライズを繰り返した
 『ココは寒狭だよ。何やってるんだよ』と言わんばかりに…

c0041105_22234314.jpg ほぼ半年ぶりにミッジ用のフライボックスに手を伸ばした
 そしてその中にあったひときわ小さなフライ…と言っても#24程度だけれど…を何種類も10xのティペットに結び、めまぐるしくローテーションした 
 
 でも、見に来るのは最初の数投だけ、そして偶然に目の前でドラッグがかかってフライがスイッと動いたときだけだった

 やがて冷たい風が吹いてきた
 穏やかだった水面が小刻みに波立った

 それでもライズは続いてた
 それどころかそのシラメにつられるように、近くにいたもう1匹のシラメも水面を突つきはじめた

 そのとき、フライはその2匹がもつれ合うようにライズを繰り返しているポイントにあった
 後からライズを始めたシラメがフライの方向に体の向きを変えた瞬間、先にライズしていたシラメがその背後から瞬時にフライに食いついた

 しなやかでパワフルなお気に入りの3番ロッドに伝わる手応えは、長い5番ロッドで受け止める天竜のレインボーのファイトに勝るとも劣らない官能的な重さだった


 ブランニューの小さなネットに横たわるそのシラメは、季節を、そして僕の心のギアを一瞬で変えてみせた

 そして、次のシフトアップももうすぐ…
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*today's tackle  
rod:Fujimaki Special 8'07 #3 (Factory haru)
reel:Halcyone babytrout (KIRAKU)

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by taros_magazine | 2008-02-12 22:24 | fly fishing diary


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