その日も、いつものように昼前にダム下の駐車場に車を止め、まずは堰堤直下の瀬に向かった
そのファーストキャストに、この日最初のレインボーがヒットした
『また今日も第一投だ』
そう、このところ天竜ではいつも最初の1投でヒットしていた
”場荒れしていないから”、あるいは”フライが目新しいから”…いろいろと理由はあるのだろうけど、とにかく気持ちよくその日の釣りをスタートできるのだから文句なんてもちろんない
ただ、問題はその後なのだ
いつも、その後わりと早い段階で2匹目がヒットする
しかし、ソイツはどういうわけだか必ずバレるのだ…
そんなコトを考えているうちに2匹目が掛かった
さっきよりもワンランク上の重い手応え…足下で浮いてきたのは40センチオーバーと思われるレインボーだった
しかし、ネットを置いてある浅瀬に誘導しようとロッドを寝かせた瞬間、スッとテンションが抜けてしまった…
『もう1匹釣れたら移動しよう』
そしてこのところの定番、30センチほどの美しいレインボーをネットインしたところで、下流へ向かった
第1プールの流れ込みが空いていなかったので、そのやや手前の瀬を流してみると、またも最初のキャストで30センチほどのレインボーがヒットした
そしてその数分後、マーカーのわずかな反応に半信半疑で合わせると、砲弾型の体躯のレインボーが水面に浮いてきた
『デカい!』
と思った次の瞬間、またもやフライだけが宙に舞った
そしてその後20センチほどのかわいいレインボーをキャッチし、プールへ向かった
冷たく、重い流れの上をゆっくりと移動していたマーカーが突然上流に向かって動いた
またしても第1投でのヒットに驚きながらも、今度は慎重にネットまで運び、無事美しいレインボーをランディングした
そして三たび訪れる魔の刻…
目の前わずか数メートルで反応したマーカーの先では、この日イチバンと思われるサイズのレインボーがのたうっていた
『今度は慎重に…あと少し、もうちょっと…』
”ピシィッ”
乾いた音と共に、レインボーは濁った流れへ戻っていった
この後は…そう、小振りなレインボーをキャッチしたのである
「レギュラーサイズが第1投でヒット」
「その後すぐ、今日イチをバラす」
「最後にまたレインボーをキャッチ」
先週からポイントを移動するたびに不思議と繰り返される。奇妙な偶然の一致…
いや、それは同じ人間が、同じ川で、同じようなシステムで釣るということが引き起こす”必然”なのか?
それを解明する方法は、おそらく一つしかない
もちろんそれは…”天竜に通う”ことだろう
*today's tackle
rod:Fujimaki Special 8'05 #5 (Factory haru)
reel:FLYSTART 1 (ROSS)
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