存在確認
c0041105_17213485.jpg 近所のスーパーの近くで、前を走っていた車が何かを避けるように急にハンドルを右に切った。その直後に僕の目に入ってきたのは、妙に背の高い白髪の老女が車道を悠々と歩いている姿だった

 その通りにはガードレールとつつじの植栽で遮られた立派な歩道がある。にもかかわらず、バァさんは車道、それも路肩から1メートルほどのところを周りの車を気にすることもなく、前を見つめて歩いていた

 このバァさんを“ボケ”とか“キチガイ”の一言で片づけるのは簡単だけど、僕にはちょっと違う考えがあるように見えた
「このバァさんは、車道を歩くことで自分の存在を確認しているんじゃないだろうか?」と

 ボケやキチガイなら、車道の真ん中を歩いたっておかしくない。それにもっとフラフラと危なっかしい歩き方をしてると思う。だけどこのバァさんは、車が避けようとすれば可能な位置をキープしながら、しっかりとした足取りで歩いていた。僕は感じた。「これは明らかに故意だ」と

 追い越す瞬間に見たそのバァさんは、長身でスラリとしていて、顔立ちもはっきりしたなかなかインテリっぽい人だった
 おそらく、若い頃から生活に困るようなこともなく、常に注目を浴びるような生活をしていたんじゃないだろうか?
 それが、ある日何かの原因で何もかも失ってしまう。そんな自分の“存在”を周りに認めさせるために思いついた方法が、自動車に自分を避けさせること…避けていく車と怪訝そうな視線を投げかけるドライバーこそ、バァさんに自分の存在を確認させているんじゃないだろうか?

 これは、何も根拠のない推測なんかじゃない。同じことをやっていた同じような老女が15年ほど前もいたからそう思うのである
 ただ、その老女はある日10トンダンプに踏みつぶされて路上で真っ二つになって死んでしまったけどね…

"taro's magazine" main site…
[PR]
by taros_magazine | 2005-02-20 17:22 | toyohashi diary


<< プロショップ チャレンジ!? >>