Breakthrough (motogp 07' Round-18 VALENCIANA GP)

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 ゆっくりとピットに向かうバレンティーノ・ロッシの姿を確認した時、ダニ・ペドロサの最後の闘いの幕が上がった

 『ランキング2位』

 今年圧倒的な強さを見せたケーシー・ストーナーは、もはや彼らミシュランユーザーにとっては”別カテゴリ”のチャンピオンシップを争っていたように感じたことだろう
 だからこそ、ミシュラン勢のトップとして、そしてあのバレンティーノ・ロッシと同じ”カテゴリ”での頂点を意味する『ランキング2位』は、ペドロサにとっては絶対に欲しい”タイトル”だった

 そのために必要な25ポイント…

c0041105_21162766.jpg ロッシのリタイヤの原因など知る由もないペドロサの目には、スローダウンしたゼッケン46のヤマハの姿は「ランク2位の可能性が一気に広がった」という”チャンス”ではなく、むしろ「絶対にストーナーを抑え切らなくてはいけない」という、ロッシが仕掛けてきた最後の、そして究極の”プレッシャー”に見えたことだろう…

 広がりそうで広がらない、1秒半のディスタンスで繰り広げられるダニとケーシーの壮絶な攻防…
 
 逃げていくカピロッシを冷静に見送った去年のMotoGPデビュー戦
 前戦で犯した過ちのために勝利への欲望を封印せざるを得なかった去年の最終戦

 同じ地元スペインの地で行われた2つの”勝てるはずだった”レースでさえ、その人並み外れたセルフコントロールで”仕事”をした彼が、このバレンシアではただ”勝利”することだけを求め、限界を超えて攻め続けた
 その姿は、これまで内に秘めていた熱い血潮を一気に解放するかのように激しく、そして官能的ですらあった

 そして獲得した25ポイントとランキング2位の座…彼は遂にロッシと”同じカテゴリ”で彼に勝ったのだ
 
 しかし、この日ペドロサを導いたのも、やはりロッシの存在だったと言っていいだろう
 
c0041105_21164671.jpg これまでの何度かの”直接対決”ではどうしても越えることができなかった”壁”
 それを乗り越える走りがどんなモノなのかということを、この日ロッシから課された”暗黙のプレッシャー”に耐え、そして打ち勝つことで彼は遂に身につけた

 今シーズン序盤のロッシとストーナーの意地と意地のぶつかり合いがストーナーをより加速させたように、ペドロサもまたロッシという存在によってさらなる進化を遂げたのだ

 そんな自らが”鍛え上げた”精鋭達と対峙することとなるバレンティーノ・ロッシの来シーズン…
 
 記念すべき60周年のグランプリは、文字通り世代交代の”節目”のシーズンとなるのか?それとも、彼はさらに高い”壁”となって再び彼らを跳ね返すのか?

 ただ一つ、はっきりと言えることがある
 誰にも予測できないコトが起きる…それがグランプリだということだ

 
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by taros_magazine | 2007-11-05 21:04 | motorcycle diary


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