Dramatic Rain ( MotoGP 07' Round-15 Japanese GP)
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 雨のレースは、いつも劇的な展開を見せてくれる

 20年ぶりにグランプリが日本に帰ってきた1987年には、250ccクラスでは小林大が優勝し、500ccクラスでは伊藤巧が表彰台に上がって見せた
 92年のハンガロリンクでは、エディ・ローソンがカジバについに優勝をプレゼントし、2005年の中国ではオリビエ・ジャックがカワサキに2位をもたらした

 でも、雨のレースは残酷な現実をもまた垣間見せる

 89年サンマリノでのP・Fキリの優勝は、滑りやすいミサノのコースを彼のチーム以外の全てのワークスがボイコットしたことによるものであるとされ、チームとスポンサーの圧力、それに冷たい雨の中でレース開始を待ち続けた地元イタリアのファンのために出走した彼は、その後長い間パドックで他のライダーや関係者から辛辣な言葉を浴びせられた

 では、この日もてぎで繰り広げられたレースは、テレビの実況アナウンサーが何度も叫んだように本当に”劇的”なものだったのだろうか?
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 ウェットからハーフウェットへと変化していく路面コンディション、レース中にマシンを乗り換えてのスクランブル、そしてその選択するタイヤ…

 これらの”不確定要素”を”ドラマ”に仕立て上げるのは、あまりに単純で、そしてライダーの実力を軽視した見方ではないだろうか?

 確かに雨が降らなければ、ダニ・ペドロサが宙を舞うという”波乱”も、バレンティーノ・ロッシが2度もコースアウトするという”思いもしない出来事”も起きなかったのかもしれない
 もしかしたら、シルバン・ギュントーリの4位はもちろん、これまでもこのもてぎで強烈な速さを見せてきたロリス・カピロッシの優勝さえ”タイヤ交換の妙”と言われるのかもしれない
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 実は、こうした見方こそが、この日遂にタイトルを獲得したケーシー・ストーナーが今シーズン戦い続けてきた”最大の敵”だったのでは…と思えてならない

 どんなに勝ち続けても、ついて回る”ブリヂストン”と”ストレートスピード”…
 勝負どころで決まってバレンティーノ・ロッシに訪れる”悲劇的な演出”…

 本当は、この日ドライを一番望んでいたのは、予選まで圧倒的な速さを見せていたペドロサでも、勝負できるパッケージを手に入れたロッシでもなく、ストーナーだったのではないだろうか?

 もてぎ入りしてから、彼がめずらしく非常に刺々しい雰囲気を漂わせていたのは、もしかすると前戦エストリルで『ミシュランとM1がついにBS+ドカの戦闘力に並んだ』と評されたことで、”ロッシとの力と力の勝負を制してタイトルを獲得する”という強い決意があったからではないだろうか…
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 そうした意味では、このもてぎでは”本当の決着”はついていないのかもしれない

 もはやケーシー・ストーナーというライダーにとって、この日手にした栄冠など、この先何年にも及ぶ熾烈なバトルの序章に過ぎず、そしてそれをはねのけて勝ち取る”本当の栄誉”のための通過点でしかないだろう…バレンティーノ・ロッシという存在がグランプリにある限り… 

 そのストーナーに、最高の舞台が次のグランプリで用意される
 
 ”雑音”から解放され凱旋する”王者”ストーナーと、勝つことだけを求めて走る”挑戦者”ロッシ…

 その舞台のエンディングは、妙なドラマ仕立ての演出のない”直球勝負”の決着であることを祈りたい


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by taros_magazine | 2007-09-23 21:25 | motorcycle diary


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