スポーツ (MotoGP 07' Round-14 PORTUGUESE GP)
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 何故こんなにも心が熱くなるのか?
 何故これほどまでに彼らのハートが伝わってくるのか?

 モータースポーツが他の”スポーツ”と呼ばれる競技と決定的に異なるのは、人間以外の”力”を借りるという点だろう

 多くのアスリートが自らの肉体を鍛え上げ、そして限界に挑んでいくのに対し、レーサーと呼ばれる選手はその使う道具の性能を極限まで高め、そしてその道具に命を預けて限界に挑んでいく

c0041105_15463991.jpg 厚いレザースーツと、コーティングされたシールドの付いたヘルメットに身を包む彼らの”スポーツ”は、陸上選手のような筋肉の躍動も見られなければ、サッカーやラグビーのような激しい肉体のぶつかり合いももちろんない

 しかし、このエストリルの長いストレートで、バレンティーノ・ロッシがストーナーに、そしてペドロサに襲いかかる時に見せた姿からは、彼の暗殺者のような鋭い視線がはっきりと見え、そして激しく脈打つ心臓の鼓動がはっきりと聞こえてきた

 それはペドロサも同じだった

 ストーナーがブレーキをかけるまで絶対にブレーキレバーを握らない、という命懸けの意地の張り合いの時には『そんなもんか!』という声が、そしてロッシとのバトルでは『ここで離されてたまるか!』『それがどうした!』『まだまだ!』という彼の叫びがダイレクトに鼓膜に響いてきた…


 レース後、ラリー・ドライバーのコリン・マクレーの悲劇に言及したロッシ
 
 スタート前のグリッドではマクレーへのメッセージを掲げ、この勝利を彼に捧げると言ったロッシのセリフこそが、この”スポーツ”の本質を語っているように思えてならない…

c0041105_1546493.jpg 1週間前、ドイツのユーロスピードウェイで芳賀紀行がやはりその勝利を直前に無くなった彼の友人=沼田憲保に捧げた
 
 93年のスペイン・ヘレスでは、125では坂田和人が、250では原田哲也が、予選中に亡くなった若井伸之に勝利を捧げた

 彼ら”レーサー”は、他のどんな”スポーツ”の選手よりも”命”というものの重さを知っている
 
 他のどの”スポーツ”の選手よりも、多くの”血”を流し、”痛み”を経験している

 しかし彼らは、決して”無謀”で”危険”な行為をしているのではない
 彼らにとっては、速く走ることも、ギリギリの接近戦も、、絶大な信頼関係に上に成り立つ純粋な”スポーツ”なのだ 

 だからこそ、彼らは亡き友にその最大の栄誉を捧げるのである

 だからこそ、彼らが見せる”スポーツ”は、たとえ血の通わない道具を使っていても、大きな排気音しか聞こえなくても、体に、そして心に熱いものが伝わってくるのだと思う

 そんな素晴らしいスポーツが、また日本にやってくる…
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by taros_magazine | 2007-09-17 15:44 | motorcycle diary


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