"aura" (MotoGP 07' Round-6 Italian GP)
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 国際映像がピットレーンに佇むその男の横顔を映し出した瞬間、全身に鳥肌が立った

 ジョン・コシンスキーが、マックス・ビアッジが、そしてバレンティーノ・ロッシがいた時代の250ccクラスで”本当の天才”と呼ばれたライダー…

 あの狂気をはらんだ眼つきこそ、いくぶん柔和なものになってはいたが、そこにいたのはあの頃とまったく変わることのない圧倒的なオーラを漂わせる原田哲也その人だった…

 
 グランプリというステージで頂点に立とうというライダーなら、その誰もがそれぞれ独特の雰囲気を身に纏っている

c0041105_23144431.jpg 原田と同じようにこの日ムジェロに姿を現したミック・ドゥーハンの現役時代は、一見素朴ながらも決してある一線を超えさせない”結界”にも似た近寄りがたい雰囲気を、その全身から滲み出させていた
 
 パドックでは物静かなエディ・ローソンは、コースインした瞬間にサーキットの温度を1度下げ、さらにアタックラップに入るや否や、今度は周りの空気を凍り付かせてしまうような緊張感を漂わせるのが常だった

 そんなライダー個人がその背後に持っている”オーラ”とでも言うべき部分に関して、このムジェロで気がかりな点がいくつか見られた

c0041105_2315675.jpg 今シーズン、破竹の勢いで勝利とポイントを重ねてきたケーシー・ストーナーは、レース開始前すでに疲れきったような表情を見せていた
 
 その姿は、ホームタウンGPを迎え意気上がるチームの”プレッシャー”と、4輪のスーパースター、ミハエル・シューマッハーを相手にしてさえ、まったく動じない彼の母国の英雄、ミックがグリッド上で放つ強烈な存在感に、彼のこれまで見せてきた輝かしいオーラが消されてしまったかのようだった

 もう1人、かつてのオーラを取り戻せないライダーがいた

c0041105_23151618.jpg 今シーズン、まったく見せ場を作ることもなく、若いチームメイトの後方で、ただ幾ばくかのポイントを重ねることだけに腐心しているように見えるディフェンディング・チャンピオン、ニッキー・ヘイデン…
 
 もはや苦悩する段階を通り越し、何かを諦めてしまったかのようなその表情の背後にあるのは、皮肉なほど派手なカラーのパーテーションだけだった

 一方、この日力強い走りで地元のファンを狂喜させたバレンティーノ・ロッシ…
 こんなにもドラマティックなレースを見せているというのに、不思議なことに彼からも歴代のチャンピオンが醸し出していたようなオーラを感じなかった。何故か…?

 それは至って簡単な理由だった

 彼の背中には、オーラなんて入り込むスペースがなかったのだ
 なぜなら、この日彼の”背後”には、何万もの熱狂的なイタリアンが”憑いて”いたのだから…
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by taros_magazine | 2007-06-04 23:46 | motorcycle diary


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