寒狭川での2日間 day-2 「アマゴの渓」
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 誰からの情報にも頼らず、自分で地図を見て、現地へ行ってみて、入渓点を探し、そして実際にアマゴに出会える川だと知ったのがこの支流だ

 もうひとつ下流側の支流のアマゴよりも艶やかで、もうひとつ上流側の支流のアマゴよりもちょっと金色っぽいこの渓のアマゴは、寒狭のどの流れのそれよりも美しく、そして優しい表情をしている

 東海豪雨以降、寒狭への釣行ではいつもまずこの渓を目指した

c0041105_2324117.jpg 他の支流が大増水や濁り、あるいは逆に渇水で釣りにならない時でも、この渓にだけはいつも澄んだ流れがあった

 覆い被さった枝を避けるためのサイドキャストで水面ギリギリを振り抜く…
 ただでさえ基本の無い自分のキャストが、上腕だけの醜いサイドモドキのキャスティングなのは、この渓に通ったからだと今でも思っている

 そんな自分のキャストにも、ここのアマゴは気持ちよく応えてくれる

 魚だけでなく、なぜかガチョウを飼っていて、ときどきこの渓で”散歩”させている地元のおじさんや、今はもういなくなってしまったけれど、いつも人なつっこい表情で不自由な足で駆け寄ってきた白い犬…そんな里の雰囲気が好きで、この渓ではとてもゆったりと過ごすことができる

 でも、この日はほんの少し不安を抱えてこの渓にやってきた

c0041105_23244615.jpg 解禁直後の荒れ果てた雰囲気がどうにも心に引っ掛かっていたからだ

 この日も真新しい先行者の足跡がいくつかあった
 
 でも、それほど殺伐とした雰囲気に感じられないのは、なにもあの日から気温が20℃以上上がったのが理由ではないように思えた

 あの日と同じように、お約束のポイントから魚は出ないけれど、『いる…絶対…』という願望にも似た妙な確信があった

 緑のトンネルを抜けたところで、ティペットを継ぎ足しフライのサイズを#20まで落とし、風が弱くなるのを待って、そっと”サイドキャスト”した

 飛び出したのは、まさにこの渓のアマゴだった

 イワナでも、レインボーでもない。もちろん尺サイズなんて望まない
 色も、艶も、朱点のバランスも、どれもが完璧なこの季節にここで釣れるアマゴ…このアマゴに会いたかったんだ

 フライをいつものパラシュートに戻した後も、何度も”アベレージ”のアマゴが水面を割った
 そんな釣りが本当に楽しかった…
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 2ヶ月ぶりの釣り、2ヶ月ぶりの寒狭…
 そこには、イワナもアマゴもまた”戻って”きていた

 そしてその魚たちに、自分もまた渓に”戻って”きたことを実感させてもらった2日間だった


*today's tackle
rod:"Fujimaki" 8'06 #3 (Factory haru)
reel:Halcyone babytrout (KIRAKU)

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by taros_magazine | 2007-05-10 00:01 | fly fishing diary


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