銀鱗
 
 もうすっかり記憶が薄れてしまっている”幼稚園時代”のコト…その中で、未だにはっきりと覚えていることがある

 それは『お絵かき』の時間だった

 何がテーマだったかなんて覚えてはいないけれど、自分は新幹線と、山と、太陽を描いていた
 そしてまわりの子も似たり寄ったりの構図の絵を描いていた

 でも、自分の絵だけがまわりの子たちと違う部分が一カ所あった
 それは太陽を塗った”色”だった

 皆、赤色で鮮やかに丸を描いていたのに、自分だけが黄色で塗っていた
 『ねぇ、なんで赤く塗るの?太陽って赤くないじゃん?』
 『太陽は赤いんだよ』

 でも、何度空を見上げても太陽は黄色…せいぜいオレンジ色にしか見えなかった
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 この季節になると、スポーツ新聞はもちろん、一般紙でも渓流釣りの解禁の模様を報じることが多い
 そして、決まり文句のように”銀鱗踊る季節…”などの文字が紙面に躍ることとなる

 しかし自分がこの季節の渓で出会う魚たちは、サビの残ったような魚体であることが多いせいか、この”銀鱗”という表現にいつも違和感を抱いていた
 それにイワナならどうみても”銀色”ではないだろうし、レインボーならそれこそ”虹色”だ

 結局、誰かが言いはじめた”決まり事”として、渓流釣りを体よく何となく綺麗にまとまるフレーズとして、”魚は銀色”と決めているような気がしていた
 
 フライフィッシングを始めて10数年、この日初めて寒狭川中部漁協の解禁に出掛けた
 何年か前から設定された”フライ・ルアー専用区”で一躍全国区になったこのフィールドまで、普通に車で走っても自宅から1時間はかからない
 なのに、このエリアに足が向かなかった理由…そのひとつが、ここは良くも悪くも”銀鱗踊る…”というフレーズがピッタリなフィールド、という自分の偏見であった

c0041105_121035.jpg そこで手にした始めての”シラメ”…
 
 ほんの数キロ上流の寒狭川上流の支流に棲むアマゴとは明らかに違うその容姿を、角度を変えて何度も何度も見つめた。太陽の色を確かめようとした幼い日のように…

 やっぱり、銀色には見えなかった

 でも、これを銀色と言う人の気持ちも、ちょっとだけわかったような気がした


*other side …
輝ける沢の辺で』(by Mr,Rise)
大好き!管理釣り場』(by Mr,sammy)
釣り三昧・猫三昧』(by Mr,NENEKO)
アマゴ釣りの憂鬱』(by Mr,M's)

*today's tackle  
rod:Rightstaff 8'10 #3 (CFF)
reel:SK-CL (Caps)

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by taros_magazine | 2007-02-06 01:06 | fly fishing diary


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