Wall Flowers
 
 気が付くと、この数年…いや、手に入れてから一度も魚を掛けていないロッドが何本かあった
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 ほとんどがオークションなどを通じて手に入れたUSEDのものとはいえ、数だけは一丁前に揃えてしまったロッドたち…
 当初はそれぞれに目的もあり、『小鳥川のあのプールで、コイツをしならせたら気持ちいいだろうなぁ…』とか『豊川の本流でバスでも…いや、もしかしたらサツキマスだって掛かるかも…』などと”撮らぬ渓魚の画像算用”などを思い描いてはいたものの、結局のところいつも出かけるのは小さな渓ばかり。釣行の際に車に積み込むのは、使い勝手の良い低番手のロッドばかりだった

 そうして、もう何年も壁のオブジェと化してしまった高番手のロッド…

 『なんとか彼らにも、澄んだ空気を、水の冷たさを、そして魚の重さを味わわせてやりたい…』

 そんな小さな企みを携えて、天竜川にやってきた

c0041105_23243150.jpg 有名なフライフィッシャーも参加していたイベントが開催されていたこともあり、この日の天竜はいつにも増して多くの釣り人で賑わっていた

 そのイベントのメインがスペイロッドの試振会だったこともあり、オイルジャケットにハンチング、そしてスペイロッドを持ったフライフィッシャーも見受けられる中で、自分がラインを通したのは10年ほど前に量販店で買った5000円もしない#5ロッドだった

 太陽の光がダム下の谷に差込みはじめた頃、対岸で、すぐ横で、次々とレインボーとのファイトが始まった
 おそらくは自分のモノの10倍以上の値段はするであろう彼らのロッドは見事なカーブを描き、そのロッドティップの彼方ではナイスサイズのレインボーがジャンプを繰り返していた

 そんな光景を目で追っているとき、視界の隅にあったハズの自分のマーカーが”グイッ”と水中に消えた

 反射的に合わせた安物ロッドは、周りのフライフィッシャーの高価なロッドに負けないくらい美しいカーブを描いてくれた
 その目の粗いコルクのグリップからは、天竜のレインボーらしい重い引きがゴリゴリと伝わってきた

c0041105_2325531.jpg そして派手なジャンプ…この川のアベレージといえる30~40センチほどのレインボーが派手な水しぶきとともに着水した次の瞬間、もうロッドはしなっていなかった

 午後からは、結婚前に妻が量販店で購入したセット売りの#4/5のロッドに持ち替え、遂に30センチほどのレインボーをキャッチした

 先月に比べれば、すごく寂しい釣果だけど、本当に気持ち良く、満ち足りた気分で家路につくことができた

 『なんとか彼らにも、澄んだ空気を、水の冷たさを、そして魚の重さを味わわせてやりたい…』

 そんな気持でやってきたこの日の天竜川…でも、終わってみれば楽しませてもらったのは自分の方だった
 
 ”値段や顔じゃないのよ、大切なのは心よ”

 帰りの車中、”彼女”たちのつぶやきがカーゴルームから聞こえてきそうだった


*other side …
輝ける沢の辺で』(by Mr,Rise)
大好き!管理釣り場』(by Mr,sammy)
アマゴ釣りの憂鬱』(by Mr,M's)

*today's tackle  
rod:Alfresco 8'00 #5 (SZM) , granfario 7'06 #4/5(coatac)
reel:CR5/6 (coatac) , ceddy (coatac)

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by taros_magazine | 2006-12-19 23:30 | fly fishing diary


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