決心

 ポイント移動のとき、フライチェンジのとき、魚をリリースした後…そのたびに何度も何度も、腕時計を見た

 午後1時、2時…そして3時を回ったとき、やっと決心がついた
 『ここでシーズンの最後を過ごそう…』と

 2日前にも来たばかりの小さな支流…シーズンの最後は、この寒狭川でイチバンのお気に入りの川で過ごそうと随分前から決めていた
 
c0041105_1105434.jpg ただ、このひと月ほどの間に、その決心に小さからぬ”迷い”が生じはじめていた

 自宅から3時間弱…この寒狭上流からなら、おそらく2時間程度でたどり着けるであろう石徹白の存在…
 あのプールの、あの雨のようなイブニングライズの中で、シーズンが終わっていく瞬間を仲間達と一緒に過ごしてみたい…そんな”誘惑”が、この日寒狭で釣りをしている間にもまとわりついて離れなかったのだ

 そして当時の朝まで、本当にその計画…昼まで寒狭で釣りをして、そのまま石徹白へ直行し、イブニング…を実行する気でいた
 しかしこの日、体調を崩し鼻声になってしまった娘を病院まで連れていったため、寒狭で釣りを始めたのはちょうど昼頃であった

 寒狭のアマゴはこの日も何度も顔を見せてくれた
 それでも、時計を見るたびに石徹白のイブニングまでの所要時間を計算していた…『まだ間に合う』と…

c0041105_173242.jpg 『次の1匹が釣れたら、そこで一区切りにしよう』…そう思っていたとき、目の前には2日前にレインボーを釣り上げたプールがあった
 『ここでアレが釣れたら、心おきなく石徹白へ行ける…』
 プールへの流れ込みに大きめのフライを慎重に送り込む…しかし、何も起きなかった
 
 しばらく反応のない時間が続き、次のプールが見えたところで時計を見ると午後3時を回っていた
 
 『もう急ぐコトはない…』
 石に腰掛け、ゆっくりと細いティペットを継ぎ足し、そしてフライを『石徹白のイブニング用に…』と残しておいた小さなCDCにチェンジした

 すると今シーズン一度もヒットのなかったこのポイントで、初めて水しぶきが上がった
 ネットに納まったのは、峠川のイワナよりも一回り小さなアマゴだった

 でも、今シーズンの最後はこれでよかったような気がした
 
 なぜなら、中途半端な気持ちじゃなく、ここで過ごそうと決めた後に釣れたアマゴでシーズンを終えることができたのだから
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 *today's tackle
 rod:ELNOR 8'01 #3 (KEN Craft)
 reel:RIVER BREEZE #3/4 (KEN Craft)

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by taros_magazine | 2006-10-02 01:14 | fly fishing diary


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