咆哮 (motogp 06' Round-11 USGP)
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 胸の中に溜まりに溜まっていた鬱憤を吐き出すかのように、ニッキー・ヘイデンは叫んだ
 いつものクールな笑顔ではなく、まるで阿修羅のような表情で、何度も何度も拳を突き上げ、雄叫びを上げた

 AMAの主要タイトルを総ナメし、鳴り物入りで2003年にmotogpにやってきた”アメリカの最終兵器”…
 しかし、この4ストローク化され、彼に向いていると思われていた最高峰クラスで、彼がたった1つの勝利を上げるまでには、2年半もの歳月…昨年のこのUSGPまで…を要した

c0041105_0313042.jpg ”常勝”ホンダのエースとして期待された今年、彼はランキング首位を走り続けていた
 しかし、世界の注目はmotogp参戦わずか4戦目で初勝利を上げた彼のチームメイト、ダニ・ペドロサに集中した
 待望の2勝目は”ロッシの怪我の間”と言われ、メランドリの後塵を拝すると”サテライトにワークスが負けた”と言われた

 そうして表面張力ギリギリまで溜まっていった彼の”澱”を吹き飛ばす唯一の方法…
 それは、このラグナセカで”勝つ”ということ、そしてそのために”全てを賭ける”ということだった

 『もしかしたら、このままポイント差を計算しながら残りのレースを戦った方がタイトルは堅いかもしれない』
 『このラグナセカなら、じっくり様子見しながら勝負しても上位は可能かもしれない』

c0041105_0322262.jpg でも、彼は『自分の力を全て出し切ればオレが世界一だ』ということを証明するために、このラグナセカでロッシの影も、ペドロサの足音も度外視して32ラップを走りきった
 
 その走りは、この数年GPでは誰も見せたこともないような力強い走りだった
 バレンティーノ・ロッシがマシンにムチを入れたときの”研ぎ澄まされた”速さとは全く異質の、肉感的な力強さとあふれる感情を路面に叩きつけるような激しい速さだった

 くしくも”地元の利”の一言で片づけられてしまった初勝利の地で、彼はその走りで”世界一”を高らかにアピールした

 サマーブレイクを前に、ついに”化け”たニッキー
 自ら”もうタイトルへのプレッシャーはない”と言い切ったロッシ

 motogpは今、初めて大きく動き出そうとしている
 

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by taros_magazine | 2006-07-26 00:35 | motorcycle diary


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