旋風 (motogp 06' Round-2 カタールGP)
 
 レース中盤、バレンティーノ・ロッシがケーシー・ストーナーの背後に迫ったシーンを見たとき、思わず鳥肌が立った…
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 何かの因縁が渦巻いているわけでも、突き抜けたバトルをしているわけでもない
 映像は今年からmotogpに参戦している若いライダーを、前年まで5年連続の絶対王者が追い抜こうとしている、いわば”よくあるシーン”をただ映し出していただけだ

 なのに2人の走るラインが交錯する瞬間、この10年ほどの間にグランプリが忘れかけていた”旋風”を思い出さずにはいられなかった

 ワイン・ガードナー、ケビン・マギー、ミック・ドゥーハン…
 アメリカンが圧倒的に強かった80年代のGPシーンを、彼らはあっという間に大混戦が繰り広げられるスペクタクルなショーにしてしまった
 ”オージー”…グランプリのファンや関係者は、オーストラリアからやってきた恐れを知らないライダーたちを、南半球で発生し猛威をふるう”サイクロン(台風)”と同じようにある種の畏怖を込めてそう呼んだ
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 しかし、ダリル・ビーティ以降、サイクロン級の旋風がグランプリにやってくることはなかった
 そしてドゥーハンの引退後、グランプリを沸かせたのはクリビーレやロッシといったヨーロッパのライダーたちだった
 彼らはその20年の間にアメリカンに、そしてオージーに奪われてしまっていた”スポットライト”を、”本場”ヨーロッパに取り返してみせた

 そして今、スペインやイタリアといった国々では、まさにモータースポーツは”旬”のイベントだ
 ロッシのほかにもジベルノーやカピロッシ、それにメランドリにペドロサ、エリアス…次々と誕生するヒーローはすべてヨーロピアン。そして彼らのマシンを彩るスポンサーの多くも同様だ

 でも、何かが物足りなかった。グランプリをかき回すような強烈な風を感じなかった

 この日のストーナーの走りは、少なくともニッキー・ヘイデンの心をかき回したに違いない
 予選でもストーナーのタイムを激しく意識したアタックを繰り返し、決勝では何度もロッシと接触スレスレで順位を入れ替えてみせた 
 
 北半球とは逆回りに吹くという南半球の台風…ストーナーは、これまでグランプリに吹いていた風を確実に乱していくだろう
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by taros_magazine | 2006-04-12 22:55 | motorcycle diary


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