情熱 (motogp 06' Round-1 スペインGP)
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 逃げるカピロッシ、追うペドロサ…
 グランプリきってのジャジャ馬乗りのベテランと、13万人を超える地元の熱い大声援を受けて走るルーキーとの好バトルを見ながらも、心は10年以上前の2つのレースに思いをはせていた

 結果を恐れず、ただ速く走ることに熱中し、誰よりも早くチェッカーを目指す…
 ”若者の特権”というよりも、レーサーとしての本能を抑えることができない”若気の至り”とでも言うべき走りで、王者に追いすがっていった2人のルーキーの姿を今でもはっきりと覚えている

c0041105_23512563.jpg 1988年開幕戦、鈴鹿。前年までジュニアの250で走っていた彼は、いきなり世界GPのチャンピオンマシンを駆ってグランプリを走ることになった
 
 前年の王者ワインガードナー、この年3度目のタイトルを獲得することになるエディ・ローソン…居並ぶ実力者の中で、当時”シンデレラボーイ”と呼ばれたルーキーは、その端正なマスクからは想像できない激しいライディングで彼らに戦いを挑み、残り数ラップとなったところで1コーナー奥のグラベルに沈んだ…伊藤真一、このとき21歳

 さらに94年、急造マシンでスポット参戦した日本GPで、2位を拒否して勝ちに行き、そして砂塵に消えた史上最年少にして最後の全日本500cc王者、阿部典史…

 彼らの”熱い”走りは、公式記録には何も記されていない
 伊藤が転倒したときにサーキット中に響いた悲鳴も、号泣するノリックに送られた大きな拍手も…
 
 同時期に活躍していた他のライダーの多くが引退する中、彼らが今もなお現役として走り続けているのは、あのときと変わらない”情熱”を持ち続けているからだろう

c0041105_23465488.jpg 今回のスペインGP、トップを走るカピロッシに手が届くところまで迫りながら、ペドロサは明らかにポジションキープを念頭に置いた走りに終始していた
 
 勝手知ったるサーキットで大声援の後押しを受けながら、しかもジベルノーが消え、ロッシが後方に沈むという、これ以上ない”勝てる条件”をお膳立てされながら、彼は逃げていくカピロッシをただ見送った
 
 果たして、ペドロサに”情熱”はあるのか?
 トップを目指し、限界を超えたバトルを演じることができる”本能”を持っているのか?

 この日、折れたブレーキレバーで走りきったロッシが、その答えを見せてくれる日は近い


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by taros_magazine | 2006-03-28 23:54 | motorcycle diary


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