You Can't Always Get …
c0041105_056016.jpg
 冷たい雨の中で繰り返すキャストも、もう限界だった
 
 久しぶりとなる友人との釣行は、ここ数日の陽気がウソのような冷え込みと、一向にその姿を見せてくれない魚たちに、完全にノックアウトされてしまった
 
 追加放流日翌日、日曜日の昼前、そしてみぞれのような冷たい雨…

c0041105_056317.jpg どれも出掛ける前からわかっていたハズの”釣れない条件”だった

 でも、何故か妙な自信を持ってこの川にやってきていた
 「先行者がいようと、雨だろうと、何匹かは釣れるんじゃないかな…」
 入渓前、そんな気持ちで橋の上から流れを見つめていたとき、「ま、結構いいコンディションだよ」などという軽口までたたいていた

 先行者の足跡を見ても、次第に強くなる雨脚にも、その”慢心”は揺るぎなかった
 雨粒に打たれながらドリフトするフライを見ては、そこに飛沫の上がる瞬間がすぐにやってくるような気がしていた

 小さな堰堤を越え、かつて尺近いアマゴが何匹も泳いでいた淵を渡り、滑り台のような滝をよじ登り、ブッシュをくぐりながらも、”その時”がくることを疑わなかった

c0041105_0565190.jpg しかしその先にある大きな堰堤が見えたとき、まるで体中の熱が奪われたかのように急激に寒さを感じた
 釣り上がりの終点となるその堰堤の下の淵で何度かキャストしてみたが、一投ごとに集中力が失われていくのがはっきりとわかった

 ここに堰堤があることなんてわかっていた
 でも、この巨大なコンクリートの壁を前にしたとき、この日のこれまでの妙な自信は粉々に吹き飛んだ
 
 ここから林道に上がることはできないため、その”壁”に背を向けて、敗走するかのように、今上がってきた谷を戻った…

 同じような釣果だった友人との、帰りの車中での話題は釣りではなく来月のローリング・ストーンズの名古屋公演のものだった
 車内の液晶モニターには、彼らの81年のライブが流れていた

 ”欲しいモノがいつも手に入るとは限らないさ”

 そう歌うミックとキースの姿が、そこには映し出されていた

c0041105_05793.jpg

*today's tackle
rod:Freestone XT 8'08 #3 (Shimano)
reel:TR-L SOLID (abel)


taro's magazine main site …
[PR]
by taros_magazine | 2006-03-15 01:04 | fly fishing diary


<< 蛙 定義 >>