定義
 
 なぜこれほど悔しいのだろう…
 あんなにいい釣りだったのに、なぜこんなに落胆しているのだろう…
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 この日は、この時期としては(自分としては)異例の調子よさだった
 先行者と思われる足跡こそ確認できたものの、この渓ならどんな小さなポイントからでもイワナやアマゴが飛び出す可能性があることを知っている
 よどんでいるような小さな”筋”、水深10センチにも満たないような”瀬”、そして壊れた排水溝の脇の”プール”…
 どれも他の川なら、里川がメインフィールドの自分でさえもパスしてしまうような”ただの水溜り”だけど、この渓に関しては『何が飛び出すかわからない』とても魅力的な一級ポイントだ
 
 そんな”玉手箱”のようなポイントからは、この日も小さいながらも何匹ものアマゴが飛び出した

c0041105_0242216.jpg そして、あの排水溝脇のプール…1段高くなっているその排水溝は、水面がちょうど自分の目線と同じになる…を慎重に覗き込むと、それこそ目と鼻の先で、何匹ものアマゴが水面で羽ばたく獲物を捕食していた
 いつもはベストの肥やしとなっているミッジ用のフライボックスを取り出し、かすかに震える指先でティペットに結ぶ
 1匹、2匹とワンキャストでヒットし3匹目をバラした後、その”超一級ポイント”はまた”ただの水溜り”に戻っていった
 
 午後からはさらに上流の支流を目指した
 砂防ダムが吐き出す富栄養化した水と、ほとりに建つ飲食店の排水で、その乏しい水量をかろうじて維持しているその谷は、多くの釣り人で賑わうこの水系の中でも、めったに入渓する人を見ない流れだ
 でも、雨が続いた後のほんの一時期にだけ、信じられないような釣果をもたらしてくれることを昨年の何度かの釣行で知っていた
 
c0041105_0261674.jpg 竹藪を抜け、大きな木が作り出す緑のトンネルをくぐり、蛇行した細い流れを越えると、目の前に現れたのはどんな有名河川にもひけを取らない輝いた流れだった
 すぐにグッドサイズのイワナが飛び出した
 そしてその後にさらに重い手応えがあった
 下流に引き寄せ、ランディングネットに誘導しようとして驚いた。「デカい…尺アマゴだ!」
 今日の釣りを締めくくるにふさわしい、最高のエンディング…

 しかしファイトはまだ終わっていなかった 
 浅瀬にネットを横たえ、カメラを取り出そうとしたとき、その銀色の巨体は身をよじらせてネットを飛び出し、流れに返っていってしまった…

 ”釣り”は何をもって完結とするのだろう?
 ネットに収めること?その姿を写真に撮ること?それとも…
 ただひとつ言えることは、春の陽気に包まれた川原でのランチの際に感じた幸福感が、帰りにはすっかり消え去っていた、ということだ
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*today's tackle
rod:Factory Haru 8'07 #3 , PETERS ROAD PAYTO 8'02 #2 (mamiya-OP)
reel:Halcyone babytrout (KIRAKU) , PETERS ROAD PAYTO 3/4 (mamiya-OP)

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by taros_magazine | 2006-03-09 00:38 | fly fishing diary


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