フラストレーション(motoGP 2005' バレンシアGP)
 
 motoGPの’05シーズンを締めくくったのは、マルコ・メランドリの2連勝だった
 今や誰もが認める若手ナンバー1は、勝利者インタビューでロッシの”R”の字も出さず、ニッキー・ヘイデンとのバトルについて語り続けた

c0041105_2341542.jpg その数十センチ横で、予選で転倒し15番グリッドから追い上げて3位となったロッシが「満足している」と、穏やかに、しかし抑揚のない声で語った

 この数レースの間、パドックで、トラックで、そしてメディアからもささやかれ始めた2人の微妙な距離…特に前戦を落としたロッシにとっては、年間最多勝記録のためにも、自らのプライドのためにも是が非でも勝ちたかったレースだったのだが、彼が最終戦で得たものは、タイトルに添える”花”ではなく”フラストレーション”だった

c0041105_2343023.jpg ワークス直系のマシンに乗り、ホンダのエース待遇でシーズンを過ごしたヘイデンもまたフラストレーションを抱えていた
 何度も表彰台に昇りながら、勝ったのは地元アメリカのラグナセカの1戦のみ。自らの速さが”ホンモノ”であることを証明するためにも、このバレンシアは勝たなければいけないレースだったのに、彼は終盤までメランドリの様子見に徹し、そのチャンスをみすみす捨ててしまった
 そんな己の戦略ミスに、そして同年代のメランドリに屈したことに、彼のフラストレーションは解消されるどころか、来シーズンまで持ち越されてしまった

c0041105_2344770.jpg ビアッジも、バロスも、グランプリにおける自らのポジションを確実なものにするためにも、ここで速さを見せておきたかったのに、いつものようにズルズルとトップグループに置いて行かれてしまった
 久しぶりにグランプリに戻ってきた”チーム・ケニー”は、ガレージから引っ張り出してきた古いエンジンを載せたマシンで何周か走ってピットへ戻っていった
 中野も玉田も中位での争いに終始し、スポット参戦の青木宣篤はマシントラブルでリタイヤ…
 
 予選終了後のインタビューで、「今年一番速かったのはオレだ。ただ結果がついてこなかっただけだ」と開き直ったセテ・ジベルノーもまたマシントラブルで終わった

c0041105_235877.jpg 想像を絶する彼のフラストレーションと、それに呼応する15万人の溜息…
 あまりにも多くのフラストレーションを抱えたまま、2005年のシーズンは終わった
 
 おそらくは250ccクラスから多くのライダーがステップアップしてくるであろう2006年。彼らが最初に受ける洗礼は、250馬力の化け物でもバレンティーノ・ロッシという怪物でもない
 motoGPクラスに濃厚に漂い続けている、この”フラストレーション”という魔物こそが、彼らにとって、最初に乗り越えなければならない壁だ


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by taros_magazine | 2005-11-09 23:18 | motorcycle diary


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