期待と願い(motoGP 2005' オーストラリアGP)
c0041105_22335463.jpg 以前、テレビ中継に映し出された転倒シーンを見て、解説していた八代俊二と同じタイミングで「あっ!」と声を出してしまったことがある

 グラベルベッドに横たわるマシンとライダー。そのライダーの左足は、マシンのリアタイヤあたりの下敷きになってしまっていたのだが、駆け寄ったオフィシャルが救助のためマシンを起こしたとき、そのライダーの左足もマシンに引っ張られるように持ち上がったシーンを見たときだった
 
 おそらく八代氏も自分と同じ危惧を感じたんだと思う
 それは「チェーンとスプロケットにつま先を挟まれてしまったのではないだろうか?」ということ、そして「彼も左足の指をすべて失ってしまうのだろうか?」ということを…

 「よくない事なんですが、モータースポーツというものに、私たちはやっぱりクラッシュシーンも期待してしまうんです」
 インディ500を中継したTBSの某アナウンサーがこう言い放ってからもう10数年が経過した
 ミック・ドゥーハンは大好きだったジョギングもできない身体になり、ウェイン・レイニーは下半身の自由を失い、加藤大治郎は帰らぬ人となった
 
c0041105_22341163.jpg 今回のオーストラリアGPでは、フリー走行中にクラッシュしたドゥカティのロリス・カピロッシは胸を強打による肺の血液の凝固で欠場、同じセッションの同じカーブでスズキのケニー・ロバーツは手首を骨折した
 
 レースでも、高速コーナーでマシンから投げ出されたアレックス・バロスは、芝生からグラベルに変わる段差で激しく全身を打ち、そのまま宙に舞い、地面に叩きつけられた

 少なくとも、自分にはグラベルに横たわるライダーの姿を”期待”することなどできない
 何度見てもイヤな感じだし、胸が苦しくなるような光景なのだが…
 
 2輪のレースでは事故は一向に減る気配を見せない

c0041105_22342852.jpg 年ごとに性能を飛躍的に向上させるマシン、レースごとにグリップ力の強大さを増していくタイヤ、そして観客収容数を増やすことのみに腐心するサーキット…

 昨年、あれほど最終コーナーでのクラッシュが多発し、125ccでは赤旗も出たもてぎでは、何の改善策もとらずに開催した今年GPで、同じ125ccクラスで、しかも同じコーナーで、またも赤旗のクラッシュとなった 
 
 鈴鹿では、とって付けたようなシケインがアウト側にセーフティーゾーンのほとんどない箇所に設置された
 これまでクッションの役割を担っていたグラベルは、4輪の制動距離の確保のため、そしてポカミスでグラベルから出られなくなる車両のために、アスファルト舗装に張り替えらた

 どのようなコンディションでも、ライダーたちは全力で走るだろう。なぜならレースだから
 願わくば、彼らをサポートするのが、「クラッシュを期待している人たち」でなく、心から彼らとレースを愛している人たちであることを…


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by taros_magazine | 2005-10-19 22:43 | motorcycle diary


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