アクシデントの後で… (motoGP 2005' カタールGP)
 
 このレースを見ながらふと考えた。「今まで親友同士のタイトル争いってあっただろうか?」と

c0041105_23104442.jpg 自分が世界GPに熱中するようになってかれこれ20年以上。最高峰カテゴリーのタイトル争いはいつも”確執”に満ちていた
 おそらくは初めてアメリカ人同士の一騎打ちとなった83年、ケニー・ロバーツとフレディ・スペンサーは終盤の接触を巡って激しい応酬をした
 90年代、ワイン・ガードナーは同じオージーのチームメイト、ミック・ドゥーハンを徹底して格下扱いした
 
 シュワンツとレイニーは親友というよりは、むしろバトルを通じて信頼を深めていった間柄だったし、ドゥーハンに挑んでいったクリビーレや岡田もチームメイトではあったが、最後にはミックを敬遠するようになっていた

 ”天衣無縫”のバレンティーノ・ロッシでさえも、故加藤大治郎へのRC211V供給には異議を唱え、さらに昨年の序盤までは一緒にバカンスを過ごすほど仲の良かったセテ・ジベルノーとは、今でもギクシャクした関係が続いている

c0041105_23125665.jpg そうした中、ロッシとメランドリの仲の良さは際だっていた 
 違うメーカーのマシンを操ることになった2005年も、プラクティスではロッシが前を引っ張ったり、レース後のインタビューでお互いを称え合うようなシーンを見せていた
 しかし、もてぎでのアクシデント…メランドリのインサイドに強引に突っ込んでいったロッシと、それにより足に重傷を負ってしまったメランドリ…
 ロッシに何のペナルティも科されなかったこともあって、本人同士がどう思っていても、チームが、メーカーが、そしてそれぞれの取り巻きは黙っていなかっただろう

 前戦マレーシアではメランドリをパスするのに必要以上に間隔を空けて抜いていったロッシは、このカタールではまるでメランドリに持てる技術を全て伝授するかのように、かなりのラップを先行し続けた

c0041105_23133773.jpg 最後はやはりロッシには勝てなかったメランドリだったけど、レース後にはロッシを祝福にやってきた。そしてロッシは本当にうれしそうにそれに応え、去っていくメランドリを追いかけてもう一度握手をした

 おそらくもてぎから見ていた全てのレースファンの心配を吹き飛ばしたこのシーンに、テレビ解説をしていた辻本聡はひときわ安心していたようだった
 
 1987年、アメリカ、ブレイナード…AMAスーパーバイクシリーズに参戦していた辻本は、フリー走行中にチームメイトの親友、ケビン・シュワンツの転倒に巻き込まれた
 首を骨折してしまった辻本の姿に、それまで”天衣無縫”の走りをしていたケビンは号泣し、それ以後レースには常にプロフェッショナルな姿勢で望むようになり、そして世界の頂点に立った

 幸い、メランドリはこの日完全復活といえる元気な走りを見せてくれた
 残り3レース、親友同士の激しくも爽やかなバトルをぜひ見てみたい


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by taros_magazine | 2005-10-04 23:17 | motorcycle diary


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