ワクワク
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 高校生のとき、体育の授業で大嫌いな長距離走がある日なのに、朝からワクワクしていたことがあった
 苦痛なだけの3,000メートル…それを“待ち遠しい”とさえ思わせたのは、買ったばかりのナイキのコルテッツだった
 ずっと欲しかった靴を“実戦投入”できるという高揚感が、3,000メートルを走るという苦痛をいとも簡単に吹き飛ばしてしまい、易々と自己ベストをたたき出したのだった

 本来大嫌いな長距離走でコレである。もともと好きな“フライ・フィッシング”なら、その“ワクワク感”たるやもはや測定不能であることは想像に難くない

 ということで、新しいフライベストと新しいランディングネットで迎えるこの日は、たとえどんなに釣果がショボくても、天気が悪くても“ワクワクする日”になることは、出かける前から約束されていた

c0041105_21105753.jpg 案の定、天気予報に反して道中は土砂降りだった
 普段なら釣りをあきらめて引き返してしまいそうなほどの激しい雨。それでも何の迷いもなく小さな里川を目指した

 その甲斐あって、夜明けとほぼ同時に雨は上がった
 曇天、無風、回復した水量、そして誰もいない川…

 もう、自分でも訳がわからないほどボルテージが上がっていく。同時に、見慣れた川のあらゆるポイントに、大きな渓魚が潜んでいるのでは…という確信が芽生えてくる

 太い蜘蛛の巣も、伸び放題の葦も、大雨で流されてきた流木もまったく苦にならない。ただひたすら、心地よいリズムでキャストを繰り返した
 
 やがて狙ったラインから思い通りにアマゴが何度も飛び出した
 真新しいランディングネットに横たわるアマゴは、どれも普段の何倍も艶やかに見えた

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 これで完璧な”入魂”の1日になるハズだったのだが…

 「もう少し…」と欲張って入った川。何匹か良い型のアマゴを釣った後、ややフラットな流れにさしかかったところでラインを引き出そうとしたが…『あれ…ラインが出ない…』
 
 ドラグ調整ノブが外れて無くなっていて、飛び出したボルトがスプールに引っ掛かっていたのだった

 回らないリールを呆然と見つめる
 充実感に満ちていた1日だったのに、一瞬にして後悔が押し寄せる
 『あぁ…あそこでやめときゃ良かった…』

c0041105_21464126.jpg 半ばヤケクソで、短いラインを目の前の流れにキャストする
 ”バシャ!” 水面を割ったのはこの日1番の大きなアマゴだった

 川から上がり、林道を歩きながら思う 『今度はどんなリールを買おうカナ…』
 
 そんなことを考えているうちに、またワクワクしてきてしまった
 



*today's tackle
rod:EUFLEX XFP 6'09 #3 (TIEMCO) , FREESTONE FS 8'03 #3 (Shimano)
reel:CANTATA 2200 (UFM ueda) , Setter Classic 1 (Caps)

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by taros_magazine | 2005-08-19 21:58 | fly fishing diary


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