Catastrophe , part3 (MotooGP 2015 Round-17 MALAYSIA GP)
 タイプの似た"ファイター"同志…
 そう言われてきたロッシとマルケスの2人

 しかし、実はまったく違うライダー同志なのだということに、ロッシは気づいていた

 彼らのバトルの見どころであるオーバーテイクのシーンについても、マルケスの武器がハードブレーキングからの巧みなターン・インであるのに対し、ロッシはマシンを切り返す瞬間のラインコントロールの絶妙さを武器にしてきた
 
c0041105_21433078.jpg マシンの限界を超えるようなライディングも、110%の速さを瞬間的に何度も見せてぶっちぎってきたマルケスに対し、ロッシは110%の爆発力を必要な時には必ず出しきって勝ってきた

 そして何より、ロッシは”古き良きグランプリ”を知る最後のライダーだろう

 彼がグランプリで最初に味わったのは、老獪かつ抜群のテクニックを持つ125ccのライダーたちからの”洗礼”だった

 ただ速く走るだけではない、時に冷静に、時に熱く…マシンではなく人間同士が繰り広げるレースから、彼はグランプリでの戦い方を学んできた

 250ccには自分とはまったくタイプの違う”天才”がいた
 MotoGPでは目の前でライバルが、親友が旅立ってしまう瞬間を目にした

 このマレーシアで誰よりも多くグランプリを経験したライダーとなった彼だからこそ、すべてを背負って戦っているという自負があるからこそ、タイトルに対して必要以上に気持ちを高ぶらせてしまうのかもしれない

c0041105_21434968.jpg 片やマルケスは文字通りの新時代のライダーだろう

 彼がデビューした当時、既に125ccクラスには年齢制限が設けられ、若いライダー達による派手なぶつかり合いがそこかしこで見られるようになっていた

 そんな中で結果を出し、生き残ったライダー達は、パワーユニットがワンメイクのマシンで争われるMoto2でさらに過激な争いを繰り広げることになる
 
 転倒か優勝かという激しい走りを見せたマルケスは、そこでもタイトルを獲得するとルーキールールをも撤廃させ、最強のワークスマシンを手に入れた
 そして、そのライディングスタイルを不安視する声をよそに、彼は見事にMotoGPマシンをモノにし、瞬く間に最高峰を制した

 持てる全てを駆使して、誰よりも速く走ること
 誰であろうと、何と思われようと、とにかく前にいるライダーを抜き去ること…

 それこそが、マルク・マルケスというライダーの哲学であり、現在のグランプリシステムが育んだ正常進化型のチャンピオンなのだ

c0041105_23364880.jpg 負け方を知らないマルケス

 負けることの悔しさを誰よりも知ってるロッシ

 2人のライダーは、1枚のコインの裏表のように隣り合わせにいながらも常に反対側を向いていた
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by taros_magazine | 2015-10-28 23:01 | motorcycle diary


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