Catastrophe , part2 (MotooGP 2015 Round-17 MALAYSIA GP)
c0041105_13322893.jpg レースは悪い意味でロッシの予想通りのものになった

 序盤からハイペースで走るロレンソは、あっという間にロッシとマルケスを抜き去り、トップを快走するペドロサを追いかけて行った

 そしてロッシの目の前にはマルケスがいた

 マルケスは、一瞬のミスを突かれオーバーテイクしていったロレンソを追いかけることを早々にあきらめたかのように、前に出ようとするロッシとの肉弾戦を開始した

 1ラップで10回近くも順位を入れ替える異常なオーバーテイク合戦…業を煮やしたロッシがマルケスを何度もにらみ付け、左手でアクションを起こしても、マルケスはインからアウトからロッシを攻撃し続けた。前を行く2台から1秒も遅いタイムで…

 それは明らかにレースにおける”バトル”ではなかった

c0041105_13324037.jpg 89年に鈴鹿でシュワンツとレイニーが演じた究極のバトルが今だに伝説として語り継がれているのは、あのコース幅の狭い鈴鹿で、1ラップに5回、6回と順位を入れ替えながらも、3位以下を毎ラップ1秒近く引き離していくという離れ業を見せたからだ

 そしてシュワンツはシケインでレイニーの鼻先をカットして行った後には、ストレートで軽く詫びるサインを見せていた

 レイニーはバックストレートでシュワンツのブレーキレバーに手を伸ばしたりもした。ただ、それは明らかにシャレの範囲とわかるものだった

 アメリカ時代から自他共に認める犬猿の仲だった二人は、このバトルを境にお互いに対する絶大な信頼と敬意を持つようになった

 もちろん異なるメーカーのエース同士、パドックで談笑するようなシーンこそ見せなかったが、その後何度となく繰り返された2人のバトルは、常に超接近戦ではあっても最後の一線を超えるようなことは決してしなかった

 しかし、ロッシは遂に切れてしまった

c0041105_13373417.jpg 勝利に向けたバトルではもつれればもつれるほど強さを発揮する彼が、ことチャンピオンシップがもつれた時には意外なほどにナーバスになってしまうのだ…あの2006年のバレンシアのように…

 グランプリのレースとは程遠いスピードとラインで、彼は明らかに意図的にマルケスをコースの淵に押し出した

 そのままストップするか、強引にロッシを押しのけて前に行くかしかない状況に追いやられたマルケスは、当然のように後者を選択した

 意を決してロッシのマシンに向けてリーンを再開したマルケスの体とロッシの左足が重なり合った直後、レジェンド王者の完全復活で大いに盛り上がった2015シーズンは事実上幕を下ろした

 それは、高く上がったシャボン玉がはじけて消えるように、あっけないものだった

c0041105_13354398.jpg

[PR]
by taros_magazine | 2015-10-28 22:29 | motorcycle diary


<< Catastrophe , p... Catastrophe , p... >>