CRTとは何だったのか?(MotoGP 2012 Round-6 Great Britain)
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 素晴らしいマシンを得て、その才能を思う存分発揮するケーシー・ストーナーの走りや、精密機械のようにハイペースでラップを刻み続けるホルヘ・ロレンゾのレースコントロール、さらにはカル・クラッチロウやアルバロ・バウティスタの急成長など、この数年になく見所の多い今シーズン…

 暗い話題が先行していた昨シーズン終盤以降の流れからすれば、グランプリは”盛り上がっている”と言ってもいいのかもしれない

 しかし、多くのファンが見つめるトップグループの遥か後方で繰り広げられているCRT勢の”レース”を何と表現すればいいのだろう?

 2003年にはCAS(スポーツ仲裁裁判所)の判断を仰いでまでも失格にした市販車ベースのエンジン…その”禁じ手”を、FIMは寂しくなる一方だったグリッドを何とか埋めるために今度は”グランプリの未来”とまで言って推奨した

c0041105_22312021.jpg しかし、少なくとも”レース”をする上ではメリットどころかハンディキャップでしかないようなレギュレーションに則ったマシンは、あわよくばプロトタイプを食うどころか、タイム的にはライバルはむしろSBKのマシンという有様だ

 そしてグランプリの救世主になるはずだったそのマシンは、皮肉にも現役グランプリ王者がレースに対する情熱を失い引退を決意する原因のひとつになってしまった

 もちろん、CRTマシンに乗るライダーや走らせているチームの情熱は本物だろう

 プロトタイプの台数がそろわない中、この困難な状況でもMotoGPというカテゴリーに留まる決断を下したランディ・ドピュニエやコーリン・エドワーズは十分に尊敬に値する奮闘を見せているし、新たに参入したチームの勇気も大いに賞賛されるべきだろう

 それでも、そのマシンが最高峰の舞台を走るにふさわしいとはどうしても思えない

 かつて北川圭一がXフォーミュラーのマシンでワークスのスーパーバイク勢を追い回していた全日本ロードレースのような光景を、グランプリのトップカテゴリーに求めるのは何かが違うのではないだろうか?

 これから勝ち目のないレースに臨もうとしているライダーが、グリッド上で無邪気にテレビカメラに向かって手を振る姿や、その”カテゴリー”でトップフィニッシュしたマシンがパルクフェルメに並び、そこで関係者が大喜びする姿を目にするたびに、また拭い去れない違和感が積み重なっていく…

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by taros_magazine | 2012-07-02 22:38 | motorcycle diary


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