"Apocalypse" (MotoGP 2011 Round-12 INDIANAPOLIS)
c0041105_2174045.jpg この虚しさは何なんだろう?

 目の前では久しく目にしていなかった”天才”が、その持てる能力を思う存分発揮し、驚異的なスピードでトラックを駆け抜けているというのに…

 それは以前から言われているような、ケーシー・ストーナーというライダーの他を寄せ付けない圧倒的な勝ち方が原因ではない

 バレンティーノ・ロッシが相も変わらずぎこちない走りで下位争いに終始しているからでもない

 多くのライダーのヘルメットに、レザースーツに、そしてマシンに貼り付けられた白地に赤の国旗がカメラに映し出されるたびにこみ上げてくる、この言いようのない気持ち…

 3月11日のあの出来事以降、被災した人ばかりではなく私たち日本人全てが、世界中から寄せられる支援とメッセージにどれほど勇気づけられたことだろう

 とりわけ日本と関わりの深いモーターサイクル・ロードレースの最高峰の舞台では、ライダー達がさまざまな手段でそれぞれの母国のファンに対して日本への支援を呼びかけてくれた
 
 しかし今、”復興の象徴”として開催されるはずだった”日いづる国”のグランプリは、メーカーや統括団体への忠誠心を計る”踏み絵”のようになってしまった…

c0041105_2175481.jpg 『300km/hでのクラッシュをも恐れないライダーが0.14μsv/hの放射線が怖いのか?』
 『日本から伝わってくる情報はウソばかりじゃないか!』 
 『フクシマじゃ何十万人もの人が普通に生活してるんだぜ?』
 『チェルノブイリの時には強制避難するほどの放射線量だろう!』

 誰が正しいのか、何が真実なのか、おそらく回答などない議論が9月30日が迫るにつれて感情論にかわっていく…

 震災のことなどひと時忘れて、世界のトップライダーたちの走りに酔うはずだった3日間も、今となっては開催の可否も含めて、どんな結末になろうとも決して後味の良いものになるとは思えない

 『日本には行きたくない』というライダーたちを非難しようとは思わない

 そういう彼らに失望するファンの気持ちも十分に理解できるつもりだ

 誰も悪くないのだ
 誰もが、この忌まわしい出来事に苦しんでいるのだ

 遠くアメリカの”モータースポーツの聖地”では、誰もが思い思いのスタイルでレースをエンジョイしていた

 はたして日本で、そこに集まったファン達が心からの大歓声をあげることができる日はいつのことになるのだろうか?

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by taros_magazine | 2011-09-02 16:39 | motorcycle diary


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