No More Excuse (MotoGP 2010 Round-15 MALAYSIA)
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 一体、あの強さは何処へ行ってしまったのか?
 あの速さは何だったのか?

 4強と言われた今シーズン、序盤からディフェンディング・チャンピオン バレンティーノ・ロッシを圧倒するような速さを見せ、そのロッシが不在の間にはすでに王者の風格さえも漂わせるほどの強さをも見せ付けていたホルヘ・ロレンゾ…

 しかしタイトルが現実のものとして近づいてくるにつれ、レース運びは手堅いものとなり、傲慢にさえ見えたメンタリティは萎縮してしまっていった

 そして目前で起こってしまったミザノの悲劇と、その後の気負い、さらに急ピッチで戦闘力を増してきたホンダ陣営に対し、これまで絶対的な信頼を寄せていたM1のウィークポイントが露呈すると、あの大胆でしなやかなライディングはすっかり影を潜め、もてぎではコンディションを取り戻したロッシのラフファイトに対し、レース後に”口撃”で応戦するのが精一杯だった
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 "2010 WORLD CHAMPION"
 
 あの屈辱のバルセロナから、血のにじむような思いで努力を重ね、そのために全てを捧げてきたチャンピオンシップが、皮肉なことに今の彼にとっては全てについての”エクスキューズ”になってしまっていたのだ
  
 このマレーシアでも、ロレンゾはその口実に対し忠実なレースをして見せた

 ダニ・ペドロサが欠場し、ケーシー・ストーナーが早々にレースから消えても、決してこのレースの勝利に対して色気など見せない

 スタートで出遅れたロッシが派手なオーバーテイクショーを繰り広げながら追い上げ、そして先行していっても、もてぎの時のように深追いなどしない
 
 250時代からのライバル、アンドレア・ドヴィツィオーゾがそのロッシに懸命に追いすがっていっても、あくまで傍観者に徹した
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 そして何とか表彰台の一角が確保されると、後は待ち焦がれた瞬間をただひたすらに待つだけだった…
  
 かくして、悲願のタイトルを獲得したロレンゾ…

 しかし、その栄光のチェッカーフラッグをもって、これまでのすべてのエクスキューズを彼は失うこととなった

 ほぼ完全復活となったロッシ、同じくレースに復帰してくるペドロサ、そして圧倒的なモチベーションで望んでくるストーナー、生き残りをかけるドヴィツィオーゾ、成長し続けるスピーズ…

 ”王者”ロレンゾの前に立ちはだかる、かつてないほど大勢の獰猛な野獣たちに、もう一切の言い訳は通用しない

 本当の”ビッグゲーム”が、今始まったのだ

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by taros_magazine | 2010-10-17 01:16 | motorcycle diary


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