"Former…" (MotoGP 2009 Round-12 INDIANAPOLIS GP)
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 2005年以前のレースで、バレンティーノ・ロッシが転倒したシーンというものを思い出そうとした

 しかし、はっきりと記憶しているのは2000年のムジェロ…トップを激走するロリス・カピロッシを執念で捕らえたものの、限界を遥かに超えた走りが最後に破綻してしまったレースくらいしかなかった

 この最高峰クラスデビューイヤーの、当時まだ表彰台に立てるかどうかだった頃の転倒が印象に残っているほど、その後のロッシのレースは”磐石”だったということなのかもしれない

 しかし2006年の開幕戦の1コーナーで始まったロッシとグラベルベッドとの”親密な関係”は、もはや見慣れた光景にすらなってしまっている

 ある時はオートバイというものに乗り始めたばかりのビギナーのようにフロントを滑らせ、またある時は精神面の不安定さがそのままマシンに伝わってしまったようなクラッシュを何度も喫した

 そしてこのインディアナの地でも、ロッシと彼のM1は土埃にまみれピットに戻ってきた

 「逃げにかかったホルヘ・ロレンゾに対するチャージが過ぎたのか」
 「ダスティなラインを走った後のグリップダウンが余りにも急激だったのか」

 おそらくどちらの理由も間違いではないだろう
 あのスピード域でのロレンゾのブレーキングに対抗するためには、いかにロッシと言えども相当のリスクを覚悟しなければならないだろう

 その結果、わずかなブレーキングミスによりタイヤが真っ白になるほど砂が浮いていたアウト寄りのラインを走らざるを得なくなり、そして温度の下がったタイヤで強引に切り返したことでフロントとリアを一気に持っていかれた…という理屈で決着することだろう

 しかし、もっと本質的な原因を見逃してはいないだろうか?

 ロッシの長いレースキャリアの中には、今回のインディアナのようなコースコンディションで、この1コーナーのようにラインを外したことは何度もあっただろう
 
c0041105_1528164.jpg 限界を超えたハードブレーキ、強引な切り返し、大きく滑るタイヤ…しかしそんな挙動を物ともせず、誰よりも速くコーナーを立ち上がってくるロッシの姿を何度も見てきたのではなかっただろうか?

 あの2000年のムジェロでの”無謀”な転倒と、2006年のバレンシアでの”臆病”な転倒は、起因する精神状態こそ対極にあるものの、どちらもロッシ自身のライディングスキルとは無縁の”感情”によるものだった

 しかしここ数シーズンのロッシの転倒のいくつかは、かつてのロッシなら”何とか出来たはず”であったように思えてならない

 もちろん、”今のロッシ”が”かつてのロッシ”とは比べようもないほど高いレベルでのレースを強いられているは間違いない
 
 かつて10秒のタイム加算にお釣りを付けて返して勝利したロッシも、今やライバルに序盤で3秒開けられてしまっただけで勝利が限りなく不可能に近いものになってしまっている

c0041105_15284279.jpg しかし、ライバル達ならミスを犯してしまうだろうコンディションだろうと、あるいは無理して転倒してしまうようなペースだろうと、そんな時こそ強さを見せつけてきたのがバレンティーノ・ロッシという”別格”のチャンピオンだった

 それが去年のラグナセカや、今年のカタルニアのようなスーパーな走りを何度か見せるかわりに、その他大勢のライダーと同じような転倒も見せてしまう…

 これがロッシの走りの”振り幅”なのか、それとも近年のハードウェアの進化による副作用なのか…

 その答えは、ポイント争いで”1レース差”に迫られたロッシの、文字通りのホームタウンGPである次戦ミサノでの走りにあるかもしれない

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by taros_magazine | 2009-09-06 15:34 | motorcycle diary


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