天竜川 '09 早春 "see you"

 去年の11月、このエリアのシーズン最初のヒットは見たこともない巨大なレインボーだった

 #6ロッドをバットからグイグイ曲げてもがく銀色の魚体をやっとネットの届くところまで寄せた時、そのレインボーと目が合った

 次の瞬間、想像もつかないようなスピードで一気に走ったレインボーのパワーに、5xのティペットはあっさりと根をあげた…

 その週末にはこれまでより一回りゴツいリーダーとティペットを購入し、その数日後にまた同じポイントに入った

 そしてまた確かな手応えがあった
 慎重に手繰り寄せ、あと少しでその姿を…という時、またしても猛スピードで流れに乗られてしまい、そして切られてしまった

c0041105_1324258.jpg そんなことはあったけれど、このシーズンの天竜での釣りはいつも上々だった
 毎回のように50センチ級をキャッチできたし、いままでのどのシーズンよりも充実した秋~冬だった

 そしていよいよ渓流の解禁が近づいた1月半ば…
 おそらくはシーズン最後の天竜…選んだ場所は当然あのポイントだった

 秋に比べれば随分と反応はシブくなっていたけれど、それなりのサイズがいいテンポで釣れてくれた

 帰り時間も近づき、もう何度もラインブレイクしたことなど忘れかけていた時、かすかに動いたマーカーに合わせた右手に強烈な重さが伝わってきた

 “ギ…ギシ…”
 実際にはそんな音は聞こえていないのかもしれない。でも、明らかにヤバそうなベンドを見せるロッドが悲鳴を上げていることは確かだった

 瀬だろうが流れだろうが、入っていけそうなところでは迷わず魚に付いていった
 この数ヶ月でリールのドラグの使い方も何となくわかってきた

 おそらく、釣り経験の中で最も長時間だったであろうファイトの末、やっとネットインさせた自分にとっての“堰堤下の主”

 もちろん、このレインボーが11月のアイツと同じ魚かなんてわからない
 この天竜にはこのサイズのレインボーは何10匹もいるだろうし、本当の“主”はもっとデカくて、自分なんかでは到底太刀打ち出来ないサイズかもしれない

 でも、あの時一瞬だけ交わした視線を、その時伝わってきた無言のメッセージを、今ネットの中にいるレインボーから確かに感じたのだ

c0041105_1324479.jpg ネットから大きくはみ出したレインボー…リリース前に再び合わせたその目から、今度ははっきりとメッセージが伝わってきた

 『釣られてやったよ。最後だからナ』

 だから、自分はこうつぶやいてリリースした
 
 『最後なんかじゃないよ。また秋に会おうや…』


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by taros_magazine | 2009-07-30 11:05 | fly fishing diary


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