Respect (MotoGP 2009 Round-8 USGP)
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 ヤマハのピットで、ホルヘ・ロレンゾのアタックをモニター越しに見て微笑んだ彼の脳裏に浮かんだのは、89鈴鹿のシケインでのあのオーバーテイクシーンだったのか…

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 予選での激しいハイサイドにより右肩を負傷しながらも、ホルヘ・ロレンゾはバレンティーノ・ロッシを射程距離に捕らえたと見るや、すべての力を右腕に込めるようなハードブレーキングで仕掛けた
 
 激しく暴れ、ロッシのラインに向かってくフロントホイールを必死になだめすかし、コースアウト寸前で最終コーナーをターンすると、ストレートの彼方に去っていこうとするロッシの姿が見えた

 ロレンゾは残り3周に勝負をかけるべく、再びペースを上げた
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 届かないと思っていたダニ・ペドロサの後姿はコーナーを抜けるごとに大きくなってきた

 ロレンゾの追撃から逃れるため、ハイペースで走り続けたロッシがコークスクリューを駆け下り、高速S字をクリアして遂に真後まで迫った時、残るコーナーは1つだけだった

 オーバーテイクするためのギャンブルブレーキか、それとも…
 決断までのコンマ数秒…いや、100分の何秒かの短い間に、ロッシにはいくつかの記憶がフラッシュバックしただろう

 セテ・ジベルノーとの確執を決定的なものとした2005年ヘレスでの最終ラップ・最終コーナーでの接触、マルコ・メランドリの右足にステップを突き刺してしまった同じく2005年のもてぎ…

 ロッシは2位を受け入れた…

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 あの89年の鈴鹿もそうだった。91年のホッケンハイムもきっと同じだろう
 ウェイン・レイニーとケビン・シュワンツだから、どれだけクレイジーなバトルも”レース”として成立したのだ

 グランプリは勝利を、ポイントを獲得するための”ヴァーリ・トゥード”ではない
 
 グランプリには、勝つことよりも大切なものがある…それを、ロッシとロレンゾは偉大なる王者達の目の前ではっきりと示した

 永遠に語り継がれるであろう去年のレースに比べれば、淡々とした内容だったかもしれない
 しかしチェッカー後の光景は、このカリフォルニアの空のようにさわやかに澄み切っていた

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by taros_magazine | 2009-07-19 11:41 | motorcycle diary


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