Eclipse (MotoGP 2009 Round-5 ITALIAN GP)
c0041105_2385663.jpg
 それは、バレンティーノ・ロッシ自身が描いていたレースプランニングどおりだったのかもしれない
 そして、ロッシにとってほんのちょっとの不運…乗り換えたマシンのセッティングや路面コンディションの変化…が、前を行くケーシー・ストーナーやホルヘ・ロレンゾにとっては少しだけ有利に働いただけなのかもしれない

 フロントロウを逃すというまさかの予選順位も、レインタイヤで走った序盤ですぐさま挽回できた
 おそらくはタイトル争いには絡んでこないであろうマルコ・メランドリにこそ先行を”許した”ものの、直接のライバル達とは同じタイミングでピットインし、イコールコンディションでドライの勝負に持ち込み、後はこの”得意中の得意”のコースで存分にその強さ・速さを見せつけてチェッカーを受けるはずだったのに、ちょっとだけ…

c0041105_239124.jpg 果たして、この3位は本当に”運”で片付けられるリザルトだったろうか?

 確かに今シーズンのロッシは、かつてないほどのタイトルへの執念を見せている
 しかし、その執念とは裏腹に『1レースごとの勝利というものへの執着を薄れさせているのではないか?』という疑念を持たずにはいられなかった

 そんな疑念は、このムジェロで払拭されるはずだった

 絶対に勝ちたいホームタウンGP、知り尽くしたトラックとの絶対的な相性、そしてチームメイトに対して遅れをとっている勝利数とポイントを挽回する絶好の機会…

c0041105_2393976.jpg このグランプリに散りばめられたあらゆる要素が、ロッシに対して”勝ちに行くべきレース”であることを示していた

 それでも、ロッシは勝てなかった
 もしそれを”運”と言うのなら、それは気象条件やマシンのセットアップによるものではなく、勝ちに行こうとする意志を最後まで貫くことができなかった彼自身が手放してしまったのではないだろうか…

 スリックで再スタートしたロッシは、その直後のラップをストーナーより7秒近く遅いペースで回ってしまった
 前戦ル・マンのそのトラウマからやっと立ち直ったかに見えた終盤、ファステスト・ラップを叩き出しロレンゾの背後まで迫りながらも、ロレンゾがペースを上げるとその背中を(あっさりと)見送ったロッシ…

c0041105_2310038.jpg 最悪のコンディションの中、一線を超えながらも勝利への執念をぶつけ合ったマティア・パシーニとマルコ・シモンチェリの感動的なバトルや、同じくこの1戦に格別の覚悟で臨んだことが手に取るように感じられたロリス・カピロッシ、マルコ・メランドリ、そしてアンドレア・ドヴィツィオーゾの激走…

 多くのイタリアン・ライダーが鮮烈な走りで大観衆を魅了したこのイタリアGPのメイン・イベント、そのクライマックス…
 
 3位チェッカーを目指して走り続ける”主役”ロッシの姿は、今までに見たことがないほど”普通のライダー”だった
[PR]
by taros_magazine | 2009-06-11 23:11 | motorcycle diary


<< Big Wave (MotoG... Masterpiece (Mo... >>