18番目のライダー (MotoGP 2009 Round-3 SPANISH GP)
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 ほんの数年前まで、多くのファンや関係者が『ロッシを王座から引きずり落とすのは彼だ』と思っていた
 
 マルコ・ルッキネリやフランコ・ウンチーニを思い出させる、流麗にして時に熱い”正統派”のイタリアン・ライダー
 サテライト・チームで強烈な印象を残し、2008年、遂に迎え入れられたワークスチーム…しかし、そこでの日々は想像を絶する苦難の毎日だった

c0041105_23443695.jpg  チームメイトであるディフェンディング・チャンピオンにはラップタイムで3秒もの差をつけられた
 ブービー争いに終始し、ペースを上げればたちまちダートに飛び出した
 そして怪我の情報が伝わると、それはチーム退団どころか”引退”までささやかれた

 そんなマルコ・メランドリにとって、2009年は自らの存在意義を満天下に問う重要なシーズンになるはずだった
 
 かつては一蹴できたマシン、そして昨年は追いかけることも難しかったマシン…カワサキのマシンで走ることで、過去の、そして現在の彼自身のポテンシャル=”勝てるライダーであること”=を証明できるに違いないと思っていた

 しかし、彼の決意は経済の荒波を真正面から受け、大きく揺らいでしまった

 走るはずだったチーム、乗るはずだったマシンを失いかけた彼が、いわば”数合わせ”同然の扱いでMotoGPに滑り込んだのは開幕のわずか一月前だった
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 天候に翻弄された開幕戦カタールこそ思うような走りはできなかったものの、続くもてぎで6位を獲得すると、14万人もの大観衆を集めたこのヘレスでは5位に食い込んでみせた

 皮肉にもカワサキワークスの撤退が、メランドリ自身の実力を証明することになったのだ

 不況を口実にした”撤退ブーム”の犠牲者と思われていた彼が今、MotoGPという機械との極限のパートナーシップが求められる世界の中で、人間のパフォーマンスがどれほど素晴らしい結果をもたらすことができるのか、というこのスポーツの本質を満天下に知らしめる象徴的存在になったのだ

 これからラウンドを重ねていくにつれ、チームの総合力の差がマシンの戦闘力の差となってくるかもしれない。勝利も、表彰台も手の届かない夢に終わるかもしれない

c0041105_2345288.jpg でも、彼が”終わったライダー”でないことは世界中が認めている
 
 そして、レースを走ること、フィニッシュできることにこれほどの喜びを感じることができるチームに対し、きっと多くのファンが勝者に勝るとも劣らない賞賛を贈るだろう
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by taros_magazine | 2009-05-15 23:50 | motorcycle diary


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